【感想・ネタバレ】嫉妬/事件のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月06日

初アニー・エルノー。すごく良かった。小説ってこんなに生身の人間を直に曝け出すことができるんだと圧倒された。
恐らく筆者自身が経験したであろう出来事を深く正確に綿密に的確な言葉を重ねて描きつつも、決して感情だけに流されることのない冷徹とも言える明晰さ。個人的な出来事を突き詰め続けることで至る普遍。特に...続きを読む嫉妬には自分自身に思い当たる経験があり、個人的な経験を分析して突き詰めて文学に昇華させる彼女の手腕に驚いた。小説というのはこういう書き方もできるだと世界を広げてくれる作品だった。
事件は男女問わず必読。甘えのない生々しい描写に気分が悪くなるかもしれない。しかしこれが現実なのだ。本作のレビューを読むと中絶に関して日本に比べフランスが遅れているような印象を受けている人が見られたが、本当にそうなのか、いま一度自国の現状を学び直す必要があるだろう。

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Posted by ブクログ 2023年12月09日

90/100

この話は男性には理解できないんだろうなと思う

性に対して様々な多様性が進んでる中、一貫して変わらないのは妊娠するのは「身体的構造が女性」である人たちだけ。

男性には分からない生理や妊娠などの苦しさ葛藤が、心情描写が細かい訳では無いのに切々と迫ってくるものがある。状況を淡々と文字で...続きを読む説明しており、その状況を想像するだけで胸が苦しくなった。


男性が悪い訳では決してないけど、結局どれほどの犠牲を女性が、社会的にも、心理的にも、払わなきゃいけないのか凄く伝わってくる。

最後のあとがきを読んでより一層共感した。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

別れた男の現在の彼女への嫉妬を描いた「嫉妬」、中絶が認められていなかった時代のフランスで中絶する「事件」2編のオートフィクション。
ものすごい解像度と赤裸々さで、感情とその流れが克明に記されていき、全て本当にあったこととしか思えない。
性愛を重視していることと、時々ある観念的な考え方はフランスっぽい...続きを読むなと思うが、どの国でも女の思考は共通しているところが多いな、と連帯感を覚えた。「嫉妬」なんて失恋した時に読んだら共感の嵐だと思う。

やはり衝撃的だったのは「事件」。
読んでいて自分まで下腹部が痛い気がしてくるほどだった。
中絶を禁じるって、本当に悪しき文化だと思う。胎児の命を軽視するのはもちろん良くないけど、そちらを盲目的に尊重して、産む側の人権がないがしろにされるのは、本当にいいことなんだろうか。
ていうか中絶しないといけない状況に追い込む男の方が明らかに悪くない?
中絶が成功しそうなタイミングで、主人公は自分の血と体液に濡れたパンティを見る。それで、死んだ飼い猫の血と体液の染みが自分の枕の真ん中に残されていて、学校から戻ってきたときには、猫はお腹のなかで死んだ子猫たちとともに既に埋められていたことを思い出すというエピソードが、抒情的で心に残った。

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Posted by ブクログ 2023年06月30日

「嫉妬」も「事件」も女性として考えさせられる小説だった。アニー・エルノーの小説は自伝的。本当の所は知らない。淡々と書かれているけど、情熱的。その相反する読後の印象が自伝的だと思わせるのだろう。「事件」で知った、フランスは中絶が違法だった期間が長かったこと。フランスのイメージとは大きく異なるこの法律に...続きを読むヨーロッパがいかにキリスト教と結びついているのかを改めて見た気がする。
「嫉妬」の主人公。恐らく表面上は淡々と生活はしていたのだろう。だけど、内面は相手女性への執着でドロドロしている。それを伝える文章は全くドロドロしてはおらず、一歩間違えばメロドラマ的になってしまう内容をいたく知的で詩的なものに感じさせる。それがとてもフランス的に思える。
この本で自分の中に強固なフランスという国への固定観念があることに気付いた。

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Posted by ブクログ 2023年04月23日

女性の環境や人生や感性を、客観的に綴る。

嫉妬 気が狂わんばかりの嫉妬なのに、語り口が客観的で冷静。ある日突然それがバカバカしいことだと気がつくあるある。

時間 どこまでも自分が大事で、当然のように自分の道を進もうとする価値観が新鮮。グロテスクであるが、それが人間でもある。ヒッチ

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Posted by ブクログ 2023年03月27日

凄まじくリアルだが、小説でもノンフィクションでもないという一冊。

女性の心情を事細かに書いてあるようだが、事実をベースに書いてあるため、非常に読みやすい。

特に印象に残った文章は、

ーー正常と言われている世界にいつ戻ってきたのかは、わからない。"正常な世界"とは曖昧な表現だ...続きを読むけれども、その意味するところは誰もが理解している。つまり、ぴかびかの洗面台を見ても、列車のなかで旅行客の顔を見ても、もはや何の問題もなく苦痛も感じない世界のことである。ーー(事件)

表現が分かりやすいのに、どこか奥が深い。そんな文章が最後まで綴られる。

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Posted by ブクログ 2023年03月26日

映画の「あのこと」を見てから読んだ。
映画では痛みをこらえて編み針で堕胎させようとしたり、中絶の費用を私物を売って自分で用意しようとしたりする強い姿が多かったが、この「事件」では不安や恐怖といった感情がよくでていたと思った。
階級や性差による不自由さや理不尽がよくわかる話。
「嫉妬」はその嫉妬という...続きを読む感情がこれほど生活に影響するのかと驚いたし、自分ではどうにもできないのだと感じた。

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Posted by ブクログ 2024年01月26日

この作品の言葉にはあまり感情が見られない。
出来事を言葉にすることで与えられてしまう、ある種のフィクション性がなるべく排除されている。
記憶がドラマチックに歪曲されてしまうことを作者は危惧しているように思う。
そういった意味で最もノンフィクションに近い小説だった。

印象的だった箇所
「当時真実だっ...続きを読むたただ一つのこと、私はそれをけっして口にしないつもりだったけれど、それは、「あなたと寝たい、そして、あなたにもうひとりの女性を忘れさせたい」だった。他のことはすべて、厳密な意味において、フィクションにすぎなかった」

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Posted by ブクログ 2023年04月12日

ノーベル文学賞に身構えたが、非常に読みやすかった。

作者の経験をから書かれた、ノンフィクションとも私小説とも言えない感じの文章。
それだけに生々しく苦手な描写も有り。

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Posted by ブクログ 2023年04月11日

『嫉妬』と『事件』の2作品。
どちらも興味深いテーマだった。
妊娠、中絶、出産。女性としての生殖機能があれば必ず考えなければならないできごと。
何を選択してもみんなが幸せになれる世の中になればいいのにね。

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Posted by ブクログ 2023年03月25日

私は終えた。嫉妬に囚われた想像界、ここではそれは、嫉妬の虜であり、かつ観客であつわた私自身よ想像界だったわけだが、そこに現れるさまざまな形象を抽出することを。

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Posted by ブクログ 2023年02月18日

縁あって読む事になった小説。「嫉妬」「事件」の2作収録につき別々に感想を書く。

「嫉妬」
嫉妬に駆られている自分を冷静に見つめようとしながらもそれを失念し、ふと気付くと嫉妬が原動力になって色んな事をやらかしている、やらかそうとしていた事を冷静になった自分が書き記している、という作りになっていて面白...続きを読むいなと思った。
嫉妬から解放された主人公(?)が、当時の心情を分析しながら回想する時の冷えた描写が中々刺さるし、明け透け過ぎて笑えてしまう事もしばしば。
しっかり消化するには脂身多め(自分的に)だが、何度も再読する価値があるな、と思った。

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Posted by ブクログ 2023年02月05日

 映画「あのこと」を先に観てから原作読みました。映像が何せ衝撃だったので、小説はそれに比べると淡々と書かれていた印象。それでも、主人公の苦悩、女性だけが受ける苦痛はひしひしと伝わってきました。
 人工中絶が合法化されたのは日本の方が早かったことを解説を読んで知り、とても意外でした。未だ日本では経口妊...続きを読む娠中絶薬が認可されていないなど、海外より遅れている印象があったからです。でも、解説によれば、日本で中絶が合法化されたのは、優生保護法により不良な子孫を残さないために中絶が必要になったとのことで!ぞっとしました。
 本書により優生保護法についても考えるきっかけになりました。

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Posted by ブクログ 2023年02月04日

2023.1.14

喉の奥に胸の奥に、後味がざらりと残る。

追体験とはこのようなことを言うのか、
と考えさせられるくらい、とめどない感情の波に呑み込まれ揺さぶられてしまう。
読者の想像力や思考力を試しているかのような、畳み掛けるような筆致が続く。

これは、遠い昔の話ではないのではなかろうか。
...続きを読むいま我が身に起こったばかりのような迫真さ。

中絶にまつわる世界情勢が巻末で解説されている。
この本がノーベル文学賞受賞の話題と共に世界に広まることで、女性の人権と政治と宗教を見つめ直す契機とせねばならない。
だからこその受賞ではと思い巡らせる。

邦題は「事件」だが、映画版のタイトルは「あのこと」である。
私にとっての決定的な出来事を指すならば、このタイトルの方が身に迫ってくる。
映画を観に行こうと思う。

しかし、喉元の奥に引っかかるのは、主人公の子供への思いのようなものが描かれていないと感じた点。
敢えてのこの描写なのだろうか。
それとも、「中絶は子供の命を奪うこと」「罪である」という社会通念自体(または私に刷り込まれた考え)を、その成り立ちと共に冷静に批判的目線で見つめ直した方がよいのだろうか。

女性が感じる、感じさせられる罪悪感は、社会が罪悪視していることを内面化させられているのでは。
堕胎した女性が罪の意識に苛まされてしまう世の中がおかしいのかもしれない。

この感覚は日本だからだろうか。フランスの感覚とは違うのだろうか。
流産と中絶は異なるが、水子供養のようなものは世界にもあるのだろうか。
堕胎罪は。
日本の現状や文化や慣習や法整備の歴史を辿りながら、読後の違和感の正体を考えたい。

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Posted by ブクログ 2023年01月06日

短編集2篇
自伝風の小説。簡潔に隅々まで詳しく内なる感情をその流れるままに記録して、その時の心情が余すところなく再現される。思わず引き込まれ感情の海にどっぷり浸かって追体験した気になった。中絶場面の恐ろしさに気分が悪くなった。

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Posted by ブクログ 2023年01月09日

ノーベル文学賞受賞者による。
筆者の体験したことかのように書かれている。
事件は、中絶が禁止されていた時代のフランスで妊娠してしまった学生が中絶を果たすまでの体験。

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Posted by ブクログ 2022年12月30日

本作は、ノーベル文学賞受賞者のアニーエルノ著の作品で、映画化もされているみたいです。
本作品は、一人称で書かれており、実体験をもとにしたストーリー展開で、主人公の内面の葛藤を生なましく描き、とてもリアルでした。
著者の作品は、心に内在する熱い情熱が吹き出してくるような作品が多く、火傷したような読後感...続きを読むになります。
ぜひぜひ読んでみて下さい!

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Posted by ブクログ 2022年11月16日

2022年〈ノーベル文学賞〉受賞のアニー・エルノーさんの「嫉妬」「事件」を合わせて文庫にした本。

「嫉妬」は、別れた年下の男が、他の女と暮らすことを知り、嫉妬に苦しむ話である。
嫉妬とは、目に見えない醜いものだと思っている。
できるなら嫉妬は、したくない。
嫉妬に狂うとなにも見えなくなる。
穏やか...続きを読むな日を過ごすことができなくなる。

「事件」は、1963年、中絶が違法だった時代のフランスで、大学生が妊娠してしまい、なんとか堕胎できないかと葛藤する話。
身体にも影響を及ぼすほどのかなり危険な覚悟をする彼女に驚きしかなかった。

「事件」の解説では、中絶に関する世界の状況が詳細に書かれている。

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Posted by ブクログ 2023年08月27日

身体を傷つける具体的な内容や醜い心を包み隠さない内容等が書かれており、うわ!と思わず声が漏れてしまった。人間が窮地におかれた時の見せない醜くい部分も人間らしいなと思う。

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Posted by ブクログ 2023年07月09日

著者が過去の自分の手紙を読み返しながら、この小説を書いているようで、オートフィクションという特殊なこのタイプは、はじめて読みました。読みづらかったです。

嫉妬では、心の中での私と、もう一人の私と、さらにもう一人のわたしで会話しているかのようで、自走、仮想、妄想とずっと一人で、狭い部屋にいる感じです...続きを読む

事件では、街の通行人とのすれ違いやカフェで隣りにいる会話などが常に主人公の孤独感を煽り、クライマックスでは、短い時間が長く感じるシーンが生々しく、罪悪感というか開放感というか複雑な場面が、R指定的です。
男性が読むほうがフェミニズムの存在が理解しやすいと思いました。
やはり事件の方が印象に残ります。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月26日

全体的にかなり読みやすい。描写や表現はノーベル賞受賞するくらいだからやっぱり凄い、と納得した。
「嫉妬」は主人公が別れた後、男性が他の女性と暮らしていることを知り、激しい嫉妬に駆られる心情が描かれた作品。女性心理を凄く強烈に描いていて、失恋後だったらちょっとは共感できるのかもしれない。嫉妬によって妄...続きを読む執に取り憑かれる様子がこんなに上手く言語化できるのが凄くて、読んでいて面白かった。でも女って恋人に執着している時間が過ぎ去ると結構あっさり忘れられるもので、それが良いのか虚しいのか、そこも上手く描かれていた
「事件」の方は個人的にはあまり好きではなかった
中絶という題材に加えて、描写がかなり苦しくて後半は少し流し読みした
ただ知るべきことだし、普段興味や関心が薄いことを知れたのは読書のいいところだと思った 
他の作品も読んでみたくなった

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月03日

劇薬みたいな小説エッセイだった。
40歳にもなって年下男の今カノを特定しようとする様はほぼホラーなのだが、その辺りの葛藤描写が精神病にも近い妄執となっており楽しめた。
ここまで言語化できるという点が面白い。

20代前半で望まぬ妊娠した主人公が3ヶ月間で如何にして堕胎したのかを書いた『事件』はよりシ...続きを読むョッキングな内容だった。
宗教的に堕胎が許されない場合、闇医者に任せるしかなかったり、堕胎後の出血多量で行った先の病院での扱いも悪いという所がまぁ胸糞。
何より主人公から胎児への愛情が一切無く、生と死と困難としか思っていない所はなかなか日本の小説では味わえない部分だなと思った。

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Posted by ブクログ 2023年02月12日

仏映画 あのこと
この原作が事件。エルノーの自伝的小説。それだけに生々しく、想像することを拒絶しそうになる。

60年代フランスはIVG 人工妊娠中絶が違法。
この時代背景でもって、彼女は苦しむ。
果たして中絶することとは、権利であるのか。
それとも。。。

あとがきが秀逸であり、本当に考えさせられ...続きを読むた。後にフランスにおいても合法となる中絶。
実存主義的に考えるなら、人は無限に将来に向けて自分を発展させていく、まさに己が主体。そこで妊娠するとは、他者に主体を移すこと。
ボーヴォアールによれば、
子を持つことが女性にとって重荷だとすれば、
それは風習が女性に子を持つ時期の選択を許さないから。

マリークレールの裁判において、アリミ弁護士は、
子を持つとは自由な行為の最たるもの、自由の中の自由、最も根源的で本質的自由と述べた。
よって、女性がそれを行いたくないと決めたなら、誰も強制できないと。

1975年にIVGは合法となる。ヴェイユ法。

このような流れを理解することで、また考えさせられるのだ。
私に問題提起してくれた素晴らしい一冊。

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Posted by ブクログ 2023年01月16日

 2022年にノーベル文学賞を受賞したフランスの作家アニー・エルノーの短編集。『嫉妬』(堀茂樹訳)と『事件』(菊地よしみ訳)所収。

 自伝的フィクション(オートフィクション、autofiction)の作家だそうで、自身の経験をもとにしたフィクション。社会問題はさておき、そしてそのことと個人の経験が...続きを読む切り離せるかどうかもさておき、正直エルノーの人生に興味はないし、今回ノーベル文学賞を受賞したということと、そのために文学カフェで取り上げるようになったこと(私が提案したわけだけど)がなければ、わざわざ読むことはなかっただろうなと思う。ナルシシズムのかおりがするものを基本的に受けつけないというのもある(それは私自身がナルシストであるということの裏返しなのかもしれない)。

 そもそも現代フランス小説はどうも肌に合わなくて、エルノーも例外ではなかった。『シンプルな情熱』も買ってあるのでこのあと読む予定なのだけど、あまり期待せずに読むつもり。

 「事件」はフランスで人工妊娠中絶が合法化された1975年よりも前にフランスで中絶を行うことがどういう状況にあったのかということについて告発するような内容のものである。階級社会への批判的なまなざしも含まれている。2021年9月には「あのこと」として映画化され(原題は小説と同じく”L’Événement”)、2022年6月に米国連邦最高裁が1973年のロー対ウェイド判決を翻して合衆国憲法が中絶の権利を与えていないという判決を出したことは、それこそ世界で大きな出来事(L’Événement)となった。こういうタイミングでのノーベル文学賞受賞だったのかなという気がしなくもない。

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Posted by ブクログ 2022年12月11日

自身の思考、感情などを言葉にしようとする意志の力に感嘆するものの、それ以上にこころをゆすぶられるものはなかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月18日

2022年ノーベル文学賞作品

届いた小説は、文字が大きく行間が広く、むかし読んだ山田詠美の小説みたいなレイアウト。
その割には1080円と値段が高い文庫本。
ネット注文だったので、届いた時に、見た目にはガッカリする。

読んだ感想は、読みやすい。
その時の“私”の気持ちを淡々と解説し続けている。
...続きを読む
『嫉妬』の気持ち、伝わる。
さっさと切り替えられたらいいのに、なかなか段階を踏まないと終わらない気持ち。

『事件』
フランスが1975年まで非合法だったとは。
もしかしたら、映画で見てるのに年代は意識してなかったかな?
非合法で中絶を自身で行うとか、どっかの医者ではないおばさんにやられて大変なことになるような映画は見たことがあるから。

男の方は、オレかんけーねーみたいな感じは腹立たしい。

トイレのシーンは、想像したら怖い、痛い、恐ろしい。
不衛生な中で非合法なやり方をして体に危険が及ぶから、中絶を禁止にする法律はない方がいい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月04日

「オートフィクション」とは何なのか。「私小説」とは違うのか。残念ながら、私には2作ともあまり面白く感じられなかったし、文学的価値もよくわからなかった。

『嫉妬』は、自分の心の動きをこれでもかと冷徹に書いていく筆致はよかった。どんどん嫉妬にはまってストーカーのようになっていく心理は怖くて、嫉妬ってや...続きを読むだねーと思うけど、他人事だから言えるんだよね。でもこれって男と別れた時に割と誰でも感じることで、もうちょっと特異なものを期待していた。
『事件』は嫌な話だった。

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Posted by ブクログ 2022年10月31日

本年度のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーさんの著書2冊を1冊にまとめたお得な本。……と思ったが、本文のフォントサイズはでかいし、空行は多いし、解説込みでも223ページしかないのに1,188円もする。
んで、ノーベル文学賞には興味がなくて、「事件」を原作とする映画が12月に公開されるので読んで...続きを読むおこうと思った次第。解説によれば小説でもNFでもないらしい。自らの体験を綴ったものだそうだ。
「嫉妬」はタイトル通りだが、かなり観念的で難解なお話だった。「事件」は堕胎が法律により禁じられていた時代のフランスで、うっかり妊娠してしまった女子大生の話。女性にのみ負わされた痛みは実にリアルで、読むのも苦痛を感じた。

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