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花を生ける、人を生かす。
まだ悲しみも喜びも知らぬ少年僧の、四季折々の花に彩られた成長物語。
物語の舞台は文政13(1830)年の京都。
年若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜(いんしゅん)は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で修行に励む。
「昔を忘れる花を活けてほしい」
「亡くなった弟のような花を」
「闇の中で花を活けよ」
次から次へと出される難題に、胤舜は、少年のまっすぐな心で挑んでいく。
繊細な感受性を持つ少年僧が、母を想い、父と対決していくうちに成長をとげていく、美しい物語。
解説・澤田瞳子
※この電子書籍は2017年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
活花の名手と評される大覚寺の少年僧胤舜が、華道の修業を通じて成長していく時代小説。
10篇からなり、それぞれに様々な花が生けられる。
白椿、蝋梅、山桜、山梔、萩、朝顔、酔芙蓉等々。
しかし、請われて活花を行ったがその人の命を救えず、師の広甫に「生きることに、たんと苦しめ。苦しんだことが心の滋養となって、心の花が咲く。自らの心に花を咲かせずして、ひとの心を打つ花は活けられぬ」と、未熟さを諭され、さらに精進する。
静かに活花の話が続くと思いきや、彼が老中水野忠邦の隠し子であることから、一転不穏な動きが蠢き始める。
史実とフィクションが融合されたこの小説は、著者が京都に居を移したその時期に書かれたとのことで、随所に京の四季折々の風景が挿入され、風雅な小説となっている。
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