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いとしい香港から戻ってみれば、違和感のなかに生きる私がいた。『転がる香港に苔は生えない』で大宅賞、『コンニャク屋漂流記』で読売文学賞を受賞した星野博美。銭湯とファミレスから透視した「東京」をめぐる39の名エッセイが、電子版で登場!
「銭湯に通っている。酔狂ではなく、切実に。三十を過ぎてから銭湯通いをするという将来を十年前には想定していなかった――」(本文より)
2年間にわたり香港に滞在していた著者は、1997年の中国への返還を体験した後、東京に戻り、中央線沿線でひとり暮らしを始める。
切なくも騒々しく、温かい街から戻ってみれば、違和感のなかに生きる私がいた。自分の存在そのものが異物になってしまったようだった――。
銭湯とファミリーレストランを周遊する暮らしから芽生えた思いを、鋭い観察眼と端正な文体で描いた39の名エッセイ。
解説・中野翠
※電子書籍化にあたり、新章「地中に埋まっている部分」を収録。
Posted by ブクログ 2012年05月22日
この人の本が、もっと読みたいなぁ。写真家の視点・・・なんてわかった言い方をしたくないほどに、日常生活のあらゆるものを見る目がすごい。100円ショップの商品から世界経済を見、ゴミの中から働く人たちへと目を向ける。ちっとも偉そうじゃないのにすごい展開力、深い深いまなざし。この人と一緒に歩くとこんなふうに...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年12月09日
〇あなたの生活の快適さを保証するために、あなたが眠っている間に働いている人たちが社会にはたくさんいるのだ。
☆だから、人のことをとやかく言うもんじゃないなあと思う。そうなると、どうも無口になってしまう。なんも言わないのが一番いいような気がして。
〇100円の健康青竹を踏むことは、幼い頃の自分自身...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月28日
これは良いエッセイでしたねぇ…香港の熱気が文面から漂って来るやうです…。
初めて読んだ作家さんですけれども、これは他のも読んでみたくなりましたね!! それくらいこの本にはエネルギーがあるというか…香港という場所にはこれまで全く興味・関心はありませんでしたけれども、本書を読んでこう…行ってみたくなり...続きを読む
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