銭湯の女神

銭湯の女神

609円 (税込)

3pt

いとしい香港から戻ってみれば、違和感のなかに生きる私がいた。『転がる香港に苔は生えない』で大宅賞、『コンニャク屋漂流記』で読売文学賞を受賞した星野博美。銭湯とファミレスから透視した「東京」をめぐる39の名エッセイが、電子版で登場!

「銭湯に通っている。酔狂ではなく、切実に。三十を過ぎてから銭湯通いをするという将来を十年前には想定していなかった――」(本文より)

2年間にわたり香港に滞在していた著者は、1997年の中国への返還を体験した後、東京に戻り、中央線沿線でひとり暮らしを始める。
切なくも騒々しく、温かい街から戻ってみれば、違和感のなかに生きる私がいた。自分の存在そのものが異物になってしまったようだった――。
銭湯とファミリーレストランを周遊する暮らしから芽生えた思いを、鋭い観察眼と端正な文体で描いた39の名エッセイ。

解説・中野翠

※電子書籍化にあたり、新章「地中に埋まっている部分」を収録。

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銭湯の女神 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    星野博美は1996年から98年まで中国への返還前後の香港にどっぷり浸かった。本書はそれから帰国後の3年間のこと。ほぼ書き下ろしのエッセイ。
    住み慣れたはずの東京、なのにどこもかしこもおかしく感じられる。一種のカルチャーショック。そのなかで、香港のルポをまとめるという孤独な作業に取り組む。待っていたの

    0
    2025年05月09日

    Posted by ブクログ

    この人の本が、もっと読みたいなぁ。写真家の視点・・・なんてわかった言い方をしたくないほどに、日常生活のあらゆるものを見る目がすごい。100円ショップの商品から世界経済を見、ゴミの中から働く人たちへと目を向ける。ちっとも偉そうじゃないのにすごい展開力、深い深いまなざし。この人と一緒に歩くとこんなふうに

    0
    2012年05月22日

    Posted by ブクログ

    香港から帰国した著者の日本を舞台にしたエッセイ。
    香港を舞台にした前作に比べると、著者の元気がなくなってしまっている気がする。
    日本社会が人間同士の関わりが少ない社会だからかもしれない。
    私がテーブルを買うとき、パンクは態度である、偽装結婚、歴史の教科書の項は著者の威勢が感じられてよい。

    著者の思

    0
    2025年05月24日

    Posted by ブクログ

    星野博美(1966年~)氏は、東京都生まれ、国際基督教大学教養学部卒、会社勤務を経て、写真家・橋口譲二氏のアシスタントを務めた後、1994年に独立してフリーの写真家・作家となる。1997年7月の香港の中国への返還を挟んで、1996年8月~1998年10月に香港に住み、そこに暮らす人々を描いた『転がる

    0
    2025年01月20日

    Posted by ブクログ

    〇あなたの生活の快適さを保証するために、あなたが眠っている間に働いている人たちが社会にはたくさんいるのだ。

    ☆だから、人のことをとやかく言うもんじゃないなあと思う。そうなると、どうも無口になってしまう。なんも言わないのが一番いいような気がして。

    〇100円の健康青竹を踏むことは、幼い頃の自分自身

    0
    2019年12月09日

    Posted by ブクログ

    うん、そう、そういうこと、言いたかった!考えてた!ってことを言葉にしてくれて、ああ、これには気づかなかった!ってことに目を開いてくれる。ちゃんと感じたことを考えて、伝えてくれて、それでいて面白いエッセイです。

    0
    2019年11月09日

    Posted by ブクログ

    中国モノしか読んだことがなかったので、彼女の日常への視点が知れてよかった。共感できるところと、うーん、と思うところがある。社会の軽薄な風潮を批判しても切り捨てないところ、完全に対象を客体化するのではなく、自分もふくめた共通の問題として捉える姿勢が好ましい。

    0
    2011年09月03日

    Posted by ブクログ

    良いけど、香港の方が好きかな。江戸の香りが濃くてくらくらします! しかし、エッセイの上手い人は羨ましいわ。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    かなり古いエッセイだけれど、人々を観察して世の中を考察する切り口は鋭い。著者が香港に住んでいたことが外側から日本を見る目になっているのだろう。一番好きな所は、引っ越す時に大家さんが茗荷を持ってきてくれた所。今もこんな交流はあるだろうか。段々なくなっていく日本の情景と感じた。

    0
    2025年04月13日

    Posted by ブクログ

    もう20年くらい前のエッセイなんだけど、ここで書いてある世のなか……というか現代日本への違和感とかとても共感できる。常識ばかりがはびこって良識が通じなくなっている。そういう世のなかで生きていくのってつらい。

    0
    2020年02月15日

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