世界は五反田から始まった

世界は五反田から始まった

1,782円 (税込)

8pt

30年前に手渡された、祖父が残した手記。便箋に綴られていたのは、家族の物語と、地元五反田を襲った「もうひとつの東京大空襲」の記録だった。戦時下を必死で生きた祖父の目を通して、タワーマンションの光景が町工場の記憶と重なり合う。

大宅壮一ノンフィクション賞作家が描く、
東京の片隅から見た等身大の戦争と戦後。

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世界は五反田から始まった のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    祖父の手記をきっかけに自分の家系をさかのぼった『コンニャク屋漂流記』の、いわば姉妹編。今回は時間の向きは逆で、祖父が移り住んだGreater Gotanda(五反田駅を中心に半径2キロ)の昭和の歴史をたどる。
    五反田の北東側はハイソで閑静な住宅地。一方、南西側(旧荏原区)には町工場が立ち並ぶ。戦時下

    0
    2025年05月05日

    Posted by ブクログ

    祖父の手記から始まった家族の歴史をめぐり、解き明かされていく過去。空襲や集団移住…。現在タワマンが立つエリアの戦前戦中の歴史。知らなかったことも多々あり読み応えありです。

    0
    2024年09月24日

    Posted by ブクログ

    祖父の手記から、作者の生家のある五反田周辺でおきた歴史の物語を著した、歴史土地ノンフィクション。

    さすが、星野さんである。
    教科書のように味気なくなりがちな郷土史を、家族の歴史や自分の話とが絡み合いながら、楽しく、悲しく紹介していく。
    かつては軍需工場が多くあった五反田付近の、戦争にまつわる話は、

    0
    2023年12月04日

    Posted by ブクログ

    タイトルから勝手に五反田のアンダーグラウンドの話とかサブカル系の本かと想像していたが、著者のファミリーストーリーから、戦前から戦後にかけての日本の、そして五反田界隈の人々の歩んだ苦しい道程が綴られた、日本人が読むべき一冊だった。

    0
    2023年11月22日

    Posted by ブクログ

    「焼け野原になったら、何が何でも戻ってきて、杭を打とう。」帯のこの言葉に吸い寄せられるように手に取りました。戸越銀座で町工場を営む星野家。本書は著者のファミリーヒストリーですが、庶民の目線で描く(著者風に言えば)「大五反田」の戦前〜戦後史とも言えます。小林多喜二の小説の舞台となった場所、品川大空襲、

    0
    2023年10月20日

    Posted by ブクログ

    「んなこたぁない」から始まり、「いや、あるかもしれない」、そして最後は「そうに違いない」、読書中の私に思考をそのまま文字にするとこうなる。

    「世界は五反田から始まった」、いやに挑発的なタイトルと言っていい。私は現職のオフィスが五反田であり、JR山手線を通勤で利用しているが、駅の階段に本書の広告が大

    0
    2023年09月25日

    Posted by ブクログ

    渋谷に育った私(産まれて数年は父の故郷九州に居たので若干ロンダリング)にとって、大五反田は近いけれどほとんど縁がなかった地域。それが高校生の頃、実家が引越して通学や通勤の乗換駅である中延や五反田が生活圏の一部になったから本書に出てくる路線や地名の雰囲気はよくわかる。関東大震災の前年に麹町で(文字通り

    0
    2023年06月11日

    Posted by ブクログ

    著者の星野さんと同世代なので、昭和の暮しの風景は何となく想像できました。
    星野さんのおじいちゃんが小さかった孫に言い残した「戻りて、ただちに杭を打て」は、絶望の中から微かに覗く光のように感じられます。
    今の星野さんの実感として語られる「しかしいまは少なくとも、戦争、あるいは戦争に擬似した何かが起こる

    0
    2023年04月12日

    Posted by ブクログ

    ちょっとだけ珍しそうな本を読むつもりで手にしたが、いやいや面白かった。
    たった半径2kmほどの大五反田圏で生きた家の物語がこれほどの本になるとは。空襲を中心とした戦時の話はリアルだが人々の明るさも感じられて温かい気持ちにもなれた。
    自分のルーツなど知りようもないしそれでいいが、結構な物語があっただろ

    0
    2023年03月02日

    Posted by ブクログ

    本当にすばらしい本だった。
    現実に戦争が起こり、今が「戦前」になってしまうかもしれない時期だから、より一層ガツンときた。
    分厚い区史や自費出版の郷土資料を参照し、こんなにすてきな文章と装丁の作品ができることにも感動した。

    0
    2022年12月25日

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