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今も世界のあちこちで民族問題の炎が噴出し続けている! テロの国際的拡散、移民・難民の増大、労働者間の国際競争、スコットランド。カタルーニャなど地域による独立論争、トランプ後のアメリカで台頭する白人至上主義、中東からの入国規制――。“民族オンチ”の日本人だからこそ知っておくべき、民族問題の現実と基礎理論をまとめた一冊。民族問題を理解するための推薦図書も提示。
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Posted by ブクログ
なぜ民族問題が起こるのか? その主題を解くために必要な、「そもそも民族とは何か」についての解説。 民族問題は資本主義とは不可分であるとの論。 わかりやすく、興味深く、また紹介されている書籍から深く探訪しようという気になる。 日本周辺での情勢がなぜそうなっているかを読み解く意味で非常に役立つ一冊。
同志社大学で行われた講義の講義録だそうです。 ナショナリズムと民族について、各種の定義と批判的な解釈を学びます。その後、琉球民族の独立について考察すると、確かにアイルランドやウクライナと同様、独立に向かう可能性が懸念されます。 私も含めて、多くの日本人が民族問題に鈍感なので、特に琉球の歴史について、...続きを読むもう少し勉強、理解する必要があると感じました。
●中々難しいが、読み応えはある。 ●特に現在、戦争秒読みの段階のウクライナの民族問題についての考察が良かった。内容はちょっと前だが、根本は変わらない。 ●土地に固執すれば血縁は疎遠に、逆もしかりというのは目から鱗だった。 ●ソ連の民族政策のわかりやすい本があれば読んでみたい。
佐藤氏が同志社大学で行った全10回の講義記録を書き起こした著作。 普段何気なく使っている「民族」という単語に対して、奥深い意味を見出すことが出来た。日本人という民族が意識されたのは最近のことであり、民族意識も政治的に利用される手段になってしまっていること、さらには一度火がつくと制御できなくなってしま...続きを読むう危うさもある。 ・民族について扱うときに、二つの考え方がある。一つは原初主義。民族というものは古くからある。日本は神の国だから、少なくとも二六〇〇年以上の歴史があって、日本固有の「日本民族」が実体としてあるという考え方ですが、こういう考え方は学問的には完全に否定されています。「民族」という概念は、どんなに過去に戻っても一八世紀の半ばよりも前に遡ることはできません。具体的に言うと、一七八九年のフランス革命以降に流行となった現象なのです。そして、もう一つか道具主義。民族は想像された人工的なフィクションに過ぎず、エリートたちが自らの支配を確立するための道具としてつくっている概念であるという議論です。しかし現実には、いくら支配者たちが民族をつくりたいと思っても、任意に民族をつくることはできない。
初めて佐藤優の著作を読んだが、著者は相当に博識。 同志社大学の講義をまとめたもので、アンダーソンの『想像の共同体』、ゲルナーの『民族とナショナリズム』といったナショナリズム論の古典的著作を取り上げて解説している。著者の文章自体は読みやすいのだが、引用されたテキストが難解でわかりにくい。 ソ連の民族...続きを読む政策の話が面白かった。 ソ連は、共産主義というイデオロギーによって支配された国であり、ロシア人が異民族を植民地的に支配していたわけではない。だからこそ、グルジア生まれのオセット人であるスターリンが、独裁者として君臨できたのだ、という。 つまり、ソ連という国は、少なくとも民族問題に対してはうまくやっていた。旧ソ連の少数民族言語の保全状況が比較的良いのは、そのためだろう。 そして、ソ連が崩壊するや、一気に民族紛争が噴出するようになった。 「だからソビエトの実験が失敗したことは、実は人類にとっては非常に不幸なことでもあるといえるんです。つまり、民族を超える概念は当面、存在しない。だから民族問題も解決しない、ということになる。」 本書の出版は2017年であるにもかかわらず、ウクライナ問題を取り上げているのがタイムリーだ。 また、沖縄人は日本の少数民族であり、著者自身のルーツ(の半分)でもあることから、沖縄問題についても言及している。私自身は琉球独立に賛成なのだが、1990年代なら可能だったかもしれないが、昨今の国際情勢では到底無理だし、これから状況はますます厳しくなっていくだろう。
冒頭にあるが、日本人には民族問題はわからない。ただ世界に目を向けると民族問題は避けて通れない問題だ。何度でも勉強しないといけない。
外交官時代の経験からロシアの民族問題を取り上げ、最後は日本、とりわけ沖縄へ。アメリカ基地や琉球という言葉を使って、日本人が民族問題にいかに疎いかを問う書物
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佐藤優の集中講義 民族問題
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