大宅壮一ノンフィクション賞受賞。中上健次はそこを「路地」と呼んだ。「路地」とは被差別部落のことである。自らの出身地である大阪・更池を出発点に、日本の「路地」を訪ね歩くその旅は、いつしか、少女に対して恥ずべき犯罪を犯して沖縄に流れていった実兄との幼き日の切ない思い出を確認する旅に。
Posted by ブクログ 2015年04月27日
東京生まれ東京育ちの自分は、ほぼ同和問題とは無縁の生活を送ってきたが、何故か、惹かれる。不謹慎なのは承知してるが、怖いもの見たさや、知らない世界を教えてくれるような気がする。
人間の本質なのか、人より優位に立ちたいという思いが、差別を産み、より弱いものいじめに走る。なんともやりきれない。
作者は...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年10月24日
本書はかつて中上健次が「路地」と呼んだ被差別部落。自身もその出身者である著者が日本全国に存在する路地を旅する異色のノンフィクションです。ある意味で貴重な記録であると思います。彼らの息遣いが聞こえます。
「被差別部落」行政用語で言うところの「同和地区」。作家の中上健二氏はそこを「路地」と称していた...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月16日
上原善広の別の本『断薬記 私がうつ病の薬をやめた理由』を読んで、その後にこの本を読みました。
被差別部落の内容を書いた内容ですが、真実かどうか?ともかくとして、内容が大変面白かったです。
父親の一生を描いている内容ですが、すべてが真実である必要はないのかな、と思いながら楽しんで読めました。
親のこと...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月09日
路地とは、かつて中上健次がそう呼んだ被差別部落のこと。筆者は自らのルーツである大阪更池を皮切りに、全国の路地を訪ねていく。私も大阪の下町で育ち、作者とほぼ同年代であるから、その雰囲気くらいはわかる。友人にも路地の子がいた。全国には6000を超える路地があるという。おそらく気がついていないだけで、身近...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月25日
私が通っていた小学校には同和地区がなかったため、被差別部落という言葉すら知りませんでした。中学生になったとき、1学年に10人はいるかいないかの割合で、英数国の主要3教科の授業だけ別室で受ける生徒がいる。促進学級と呼ばれるそのクラスでは、被差別部落出身の生徒が先生と1対1で授業を受けていました。親が十...続きを読む