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Posted by ブクログ
『発掘狂騒史』(上原善広著、新潮文庫)は2017年の文庫だが、2014年の『石の虚塔』の文庫化。
2000年の旧石器捏造事件についても書かれてある。
また群馬県の岩宿遺跡を発掘した在野の研究家、相澤忠洋のドラマチックな生涯についてよく書かれていた。旅芸人の父は旅に出て、母がある日家を出てから、兄弟は離れ離れで親戚に預けられる。出征直前の母との再会もあったが、戦後は自転車で行商をしながら石器を拾い集め、やがて発掘に熱中して妻子や生活を返り見ず、資産家の女の援助を受けるなどという話。日本には旅芸人などの定住しない人たちの文化というものが確かにあったというのは、宮本常一などもいう通りで、そうした昔の力の発現もどこかにはあったのだろう。
捏造事件については特異な粘着性のある子弟関係の歪みといった印象。
Posted by ブクログ
岩宿遺跡の発見から石器捏造事件まで、日本考古学界における旧石器発掘をめぐる作品。本作は単なる事件ルポではなく、旧石器発掘に関わった人々の生い立ちから業績までを、実に丁寧に取材したノンフィクションとなっている。
西洋に聖書を基軸とした歴史観があるように、日本でも特に戦争中は皇国史観が強く支持されていたため、日本の考古学の歴史は意外と浅く、比較的アマチュアが参入しやすい分野だったらしい。アマチュアと学者の主従関係や学者同士の学閥争い、仮説に希望を見出す学者とそれを利用したペテン師などなど、様々な思惑が地層以上に複雑に堆積する世界なのだなと思った。
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