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婚約者と奈良の実家に帰った玲は、かつて姉の綾が結婚目前に首を吊った蔵にはいる。姉の遺品に見つけた、珍しい蛇の浮き彫りのある古鏡。その日を境に、玲の心の中で何かが変わっていく。近くの発掘現場で掘り出された、ふしぎな水濠址。祭りを前に一人焦る、神社の神主。もうじき「みぃさんの祭り」がやってくる……連子窓からひっそりとお互いを覗きあう古い町で、何かが起ころうとしている。神代の闇から語りかけてくるのは誰? 人の心の移ろいを描き出す傑作伝奇ホラー小説。
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Posted by ブクログ
古代史と日本古来の信仰に翻弄される運命を描いた恋愛ホラーの傑作 天孫降臨からの系統で大和政権を築いた人たちは、天照大御神をはじめとする天津神を信奉していた。日本古来、土着の神である国津神を退散させるために崇神天皇が鏡作職人に作らせた鏡(八咫鏡)が、伊勢神宮と賢所にある。
その更に複製が鏡作神社のご神体となっているが、盗まれていた。蛇神の妻として生贄となる女性たちが鏡によって惑わされ心に潜む情を表出させられ死を選ぶ。
多黄子、綾、玲、霧菜と、それぞれ女性たちを取り巻く事情から情念に惑わされ死を選ぶに至る心の動きが、日本古来の信仰と共に進行する様子が描写され、スリリングで引き込まれるストーリーとなっている。最後のページまで何が起こるかと期待させるところも凄い。
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