無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
あなたにとっての家族とは何か?
「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズの村山由佳さんが、とある家族を描く短編集です。「おいしい~」シリーズのようなさわやかな恋愛とは異なり、描かれる話は、近親相姦、レイプ、不倫、いじめ、戦争体験と、どれも重く、苦しい。短編は家族の一人を主人公としていて、それぞれリンクしており、全体として一つの物語という構成です。
特に長女・沙恵の視点で描かれる「ひとりしずか」では、忘れられない人(長男のことだが)との、甘く切なく苦しい恋模様は、過去の村山作品を想起させます。内容は重いですが…。
家族という一番身近にいるのに、どこまでいっても孤独なのだと、それでも前に進むしかないのだと、家族を乗せた小さな舟に例えています。読む年代によって捉え方が異なると思います。きっとこの先も読み返すだろう一冊です。第129回直木賞受賞作。
Posted by ブクログ 2024年01月16日
叶わない恋、叶わなかった恋、人の倫から外れた恋…と、恋愛小説がメインテーマのアンソロジーでありつつ、最終話、父・重之の戦争の話が出てきたところで思わず涙してしまった。
恋愛模様だけではなく、家族愛や母親の無償の愛がそこかしこに感じられて、そしてどのストーリーにもさりげなく出てくる花々の描写が美しくて...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月06日
水島という家族、それぞれ6人の視点から描かれた連作。重いし辛い、最後まで読めるかなと。
内々のことは、なかなか他の人には伝わらないものだが、ある事情を除けばよくありがちな家族だと思う。ゆっくりと年月を隔て、父、母、息子たち、娘たち、息子の娘が内に抱え込んでいる悩み苦しみを主人公をかえながら綴られてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月29日
雪虫
子どもの神様
ひとりしずか
青葉闇
雲の澪
名の木散る
の6章立て。
家族6人それぞれのお話になってます。
「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。」
両想いなのに決して報われぬ恋もある。
人から見たら、幸福ではないかもしれない、不毛な恋かもしれない。
その恋で自分は、苦しんで苦しんで...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月08日
久しぶりに どっしりと心に響いた。
「星々の舟」の響きと表紙から恋愛ものかと思ったの全然違った。4人兄妹と先妻、後妻、孫娘、父親。各々精一杯生きたんだなと思う。
家族に大きな影響を与えた重之は戦争の傷痕を抱えていて、最終章、そうだったのかと納得しつつ、振り返れば、重之がこんな感じでなかったら4人兄...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月23日
フォローしているshintak5555さんが
教えてくれたので、読んでみました。
最初は、私自身が「恋愛小説かぁー」と思いながら
ダラダラ読んでいたけど、だんだんと
「あれ?なにこれ?ヤバイ…泣ける」ってなっちゃったー。
雪虫 (妹の沙恵が好きな暁)
子どもの神様 (末っ子の美希は、不倫中)
...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月25日
兄妹は禁じられた恋にはまり、末の妹は不倫にはまり、初登場の時は常識人と思っていた長兄も実は不倫にはまり、そんな兄弟達の父は妻がいるのにお手伝いさんとの不倫にはまり。
家族として成立しそうもない状況なのに、家族であることを取り繕っているように思えて、正直不快な作品だと思っていました。
しかし、最終...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。