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あなたにとっての家族とは何か?
「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズの村山由佳さんが、とある家族を描く短編集です。「おいしい~」シリーズのようなさわやかな恋愛とは異なり、描かれる話は、近親相姦、レイプ、不倫、いじめ、戦争体験と、どれも重く、苦しい。短編は家族の一人を主人公としていて、それぞれリンクしており、全体として一つの物語という構成です。
特に長女・沙恵の視点で描かれる「ひとりしずか」では、忘れられない人(長男のことだが)との、甘く切なく苦しい恋模様は、過去の村山作品を想起させます。内容は重いですが…。
家族という一番身近にいるのに、どこまでいっても孤独なのだと、それでも前に進むしかないのだと、家族を乗せた小さな舟に例えています。読む年代によって捉え方が異なると思います。きっとこの先も読み返すだろう一冊です。第129回直木賞受賞作。
Posted by ブクログ
人間30年40年50年と生きてくりゃ 思い出したくないこと、人に言いたくないこと、言えないこと たくさんあるものだ。けれど、自分の家族について その「いろいろ」を、どのくらい把握しているものだろうか? いやもちろん、家族だからって 「いろいろ」を知っていなければならないってものでも無いけれど。家族であるからこそ あえて パンドラの箱を開けたくない、深く覗き込まない、…みたいなところもあるんじゃないかしら。 深く知りたいという愛もあれば、知らずにおくという愛もあるよね。
心に深い傷を負っていても 見上げれば どこまでも蒼い空、愛される存在であると同時に 誰かを愛する存在でもあるから。自由と引き換えに 孤独を背負う覚悟を決めて また歩き出す。
Posted by ブクログ
久々に、寝る間も惜しんで読みきった。
どの章も良かったが、強いていうなら最終章が一番印象的かな。
慰安婦のことや、戦争中の訓練の詳細が生々しく、衝撃を受けた。
私の祖父は生前、兵役中のことを一切話したがらなかったが、理由がわかった気がする。
謝りたい人に謝れない、
ありがとうを伝えたくても伝えられる術がない、
喜ぶ顔が見たくても、思い出すのは悲しそうな顔ばかり…
そんな後悔の中を生き続けていくということ。
これが、遺された者にとっての一番辛いことなんだろうな。
伝えたい言葉は、ちゃんと伝えていこう。
伝えられることは、当たり前では無いのだから。
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