国内小説 - ほのぼの作品一覧

  • 「わが家は祇園の拝み屋さん」シリーズ16冊合本版 『わが家は祇園の拝み屋さん』~『わが家は祇園の拝み屋さんEX 愛しき回顧録』
    5.0
    京都・祇園の「さくら庵」。季節の和菓子と楽しい家族があなたをお待ちしています! 東京に住む16歳の小春は、ある理由から中学の終わりに不登校になってしまっていた。  そんな折、京都に住む祖母・吉乃の誘いで祇園の和雑貨店「さくら庵」で住み込みの手伝いをすることに。 吉乃を始め、和菓子職人の叔父・宗次朗や美形京男子のはとこ・澪人など賑やかな家族に囲まれ、小春は少しずつ心を開いていく。 けれどさくら庵は、ちょっと不思議な依頼が次々とやってくるお店で!? 京都在住の著者が描くほっこり優しい日常ファンタジー&成長物語! ※本電子書籍は「わが家は祇園の拝み屋さん」シリーズ本編15巻+EX1巻の全16冊を収録しています。 【収録作品】 『わが家は祇園の拝み屋さん』 『わが家は祇園の拝み屋さん2 涙と月と砂糖菓子』 『わが家は祇園の拝み屋さん3 秘密の調べと狐の金平糖』 『わが家は祇園の拝み屋さん4 椿の花が落ちるころ』 『わが家は祇園の拝み屋さん5 桜月夜と梅花の夢』 『わが家は祇園の拝み屋さん6 花の知らせと小鈴の落雁』 『わが家は祇園の拝み屋さん7 つながる想いと狐火の誓い』 『わが家は祇園の拝み屋さん8 祭りの夜と青い春の秘めごと』 『わが家は祇園の拝み屋さん9 星の導きと今昔の都』 『わが家は祇園の拝み屋さん10 黄昏時に浮かぶ影』 『わが家は祇園の拝み屋さん11 めぐる因果と紐解かれる謎』 『わが家は祇園の拝み屋さん12 つなぐ縁と満月に降る雨』 『わが家は祇園の拝み屋さん13 秋の祭りと白狐の依頼』 『わが家は祇園の拝み屋さん14 渓谷に散る紅葉と陰陽師の憂鬱』 『わが家は祇園の拝み屋さん15 それぞれの未来と変わらぬ想い』 『わが家は祇園の拝み屋さんEX 愛しき回顧録』
  • 【イラストギャラリー付き】美少年探偵団 全11冊合本版
    5.0
    2021年4月10日TVアニメスタート!  西尾維新の人気青春ミステリーシリーズ『美少年探偵団』が初の電子合本版になって登場! イラストレーター・キナコによるカバーイラストとプロモーション用イラストの、 計15点を掲載したイラストギャラリーを特別収録! 【収録作品】 美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 ぺてん師と空気男と美少年 屋根裏の美少年 押絵と旅する美少年 パノラマ島美談 D坂の美少年 美少年椅子 緑衣の美少年 美少年М 美少年蜥蜴【光編】 美少年蜥蜴【影編】
  • マロニエの花が言った 上巻
    完結
    -
    全2巻3,850円 (税込)
    両大戦間のパリに花開いた芸術家たちの青春のすべて。藤田嗣治・ユキ夫妻、岡鹿之助、シュルレアリスム詩人ロベール・デスノス、写真家マン・レイ、九鬼周造…優れた若き芸術家たちが集ったパリの豊かな時代。上巻。
  • また会う日まで
    3.9
    1巻3,800円 (税込)
    海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。
  • 合本 幽霊シリーズ(1)~(9)【文春e-Books】
    4.0
    1~2巻3,666~4,888円 (税込)
    第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞した赤川次郎のデビュー作「幽霊列車」に始まる、大人気シリーズが合本化! 文春文庫の「幽霊シリーズ」のうち、第一巻『幽霊列車』から第九巻『幽霊劇場』までの9冊を収録。 女子大生・永井夕子と、捜査一課の宇野警部のコンビが活躍する大人気シリーズ。
  • 生活
    4.0
    1巻3,300円 (税込)
    渋谷の隣、代官山の古い一軒家で父と暮らす椿は二十歳になったばかり。バイト代はほぼ服に費やし、友達に囲まれ、彼女ができたり振られたりの一見刺激的な日々。だがそれはいつまで続くのか。果たして「生活」と言えるのか――文芸の最先端を突き進む作家による、偶然と必然に彩られたジェットコースター・ストーリー。
  • クィアする現代日本文学 ケア・動物・語り
    5.0
    1巻3,300円 (税込)
    小説を読むとは、どのような行為なのか。現代の小説は私たちに何を語りかけるのか。 本書では、金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子という5人の作家が1970年代から2010年代にかけて描き出した7つの小説に着目する。これらの小説を、アイデンティティのあり方を多様に読み替え/書き換えていくクィア批評と、動物やケアなどをめぐる批評理論を縦横に組み合わせて読み解き、小説に内在する多様性や小説固有の強度を浮かび上がらせる。 既存の社会秩序や異性愛主義的な社会構造を揺さぶり、読者の主体性やジェンダー/セクシュアリティをめぐるアイデンティティをも変容させていく「現代小説を読むことの可能性」を、小説表現とクィア批評の往還からあざやかに描き出す。現代の小説をふたたび読み返したくなる、「クィアする」文学論。
  • 新装版 魔女の宅急便 全6冊合本版
    3.5
    1巻3,300円 (税込)
    ※この作品は以前配信していた『魔女の宅急便 全6冊合本版』と内容は同一です。カバーイラストが差し替えになり、中の扉絵イラストが追加になっています。 お母さんは魔女、お父さんは普通の人、そのあいだに生まれた一人娘のキキ。魔女の世界には、十三歳になるとひとり立ちをする決まりがありました。満月の夜、黒猫のジジを相棒にほうきで空に飛びたったキキは、不安と期待に胸ふくらませ、コリコという海辺の町で「魔女の宅急便」屋さんを開きます。落ち込んだり励まされたりしながら、町にとけこみ、健やかに成長していく少女の様子を描いた不朽の名作。 ※本電子書籍は「新装版 魔女の宅急便」「新装版 魔女の宅急便 (2)キキと新しい魔法」「新装版 魔女の宅急便 (3)キキともうひとりの魔女」「新装版 魔女の宅急便 (4)キキの恋」「新装版 魔女の宅急便 (5)魔法のとまり木」「新装版 魔女の宅急便 (6)それぞれの旅立ち」をあわせ、新装版カバーになった6冊合本版です。本文にイラストは含まれておりません。
  • 超合本 妖怪アパートの幽雅な日常
    値引きあり
    4.3
    共同浴場は地下洞窟にこんこんと湧く温泉、とてつもなく美味いご飯を作ってくれる手首だけの賄(まかな)い「るり子」さん――両親を亡くした稲葉夕士が、高校進学と同時に入居したのは、人間と妖怪が入り乱れる「妖怪アパート」だった! 見たことのない光景に度肝を抜かれながら、夕士は一歩一歩、大人になっていく。
  • ひとでなし
    3.6
    1巻3,000円 (税込)
    作家人生の集大成 嫌な気分は何もかもノートにぶちまけて、言葉の部屋に閉じ込めなさい。  尊敬するセミ先生からそう教えられたのは、鬼村樹(イツキ)が小学五年生の梅雨時だった―― 「架空日記」を書きはじめた当初は、自分が書きつけたことばの持つ不思議な力に戸惑うばかりの樹だったが、やがて生きにくい現実にぶち当たるたびに、日記のなかに逃げ込み、日記のなかで生き延び、現実にあらがう術を身に着けていく。 そう、無力なイツキが、架空日記のなかでは、イッツキーにもなり、ニッキにもなり、イスキにもなり、タスキにもなり、さまざまな生を生き得るのだ。 より一層と酷薄さを増していく現実世界こそを、著者ならではのマジカルな言葉の力を駆使して「架空」に封じ込めようとする、文学的到達点。
  • 京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    現代京都に現れた冥官・小野篁。紫式部、二島由紀夫と共に、観光名所とご当地グルメを堪能しつつ、「オペラでコロナを倒す」べく、地獄の底へ……奇想天外で壮大な「人類史オペラ」が開演!
  • おにたろかっぱ
    4.2
    1巻2,860円 (税込)
    海沿いの街の一軒家で、タロは父ちゃん、母ちゃんと暮らしている。 不思議なオニやカッパ、牛のぬいぐるみの「上田」が話し相手だ。 ミュージシャンの父ちゃんは最近ほとんど仕事がなく、 タロを連れて最後の「どさまわり」に出ることに。 門司港、山口、広島、尾道、倉敷、京都…… 崖っぷち歌手の父ちゃんと、3歳のタロの旅。 どんどん成長していく子とのかけがえのない日々を描く、泣き笑いの傑作長編。 【挿画】多田玲子
  • アガラ
    3.3
    1巻2,799円 (税込)
    新自由主義台頭の果てに世界は統一され、人類は自由と平等と平和を手に入れた。宗教も、国境もない。争いも存在しない。だが、完全な理想社会は、人間同士をつなぐ《ある力》を奪っていった──。SF×パンク×世界史の構造=25年後の未来をキッチュに予言する。書き下ろしエンターテインメント巨編。
  • 幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル
    5.0
    国内著名作家の書き下ろしショートショート・アンソロジー。テーマは「街」。ホラー・ミステリ・ファンタジー・SF等さまざまなジャンルの書き手が、幻影の街を舞台に物語をつむぐ。第3回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテスト入選作品も収録。 ■掲載作家(五十音順) 朝松健/新井素子/池澤春菜/今井亮太/井上雅彦/植草昌実/空木春宵/太田忠司/小田雅久仁/勝山海百合/菊地秀行/北原尚彦/黒史郎/澤村伊智/澁澤まこと/高野史緒/中川マルカ/西崎憲/伴名練/久永実木彦/日比野心労/深堀骨/三津田信三/村山早紀/木犀あこ/芦花公園
  • AFTER STEVE アフター・スティーブ 3兆ドル企業を支えた不揃いの林檎たち
    3.5
    ジョブズ亡き後になにがあったのか? 鳴りやまぬ不協和音、上がり続ける株価―― ビジネスの豪腕クックと、デザインの天才アイブ、 アップルを託されたのは、正反対の二人だった。 ジョブズ亡き後、アップルはデザインの鬼才ジョニー・アイブと、 業務執行の凄腕ティム・クックの二人に託された。 「もうイノベーションは起こせない」と誰もがアップルの未来を悲観するなか、 社は快進撃を続け、世界最強テック企業へと成長する。 一方、社内では、カリスマ不在による歪みが時と共に表面化していた。 モノづくりと営業、現場とマネジメント、クリエイティブと数字…… アップルで起きていたのは、あらゆる職場で起きうる衝突だった。 10億人のポケットにiPhoneを滑り込ませた陰で、アップルは何を失ったのか――? 「アフター・スティーブ・ジョブズ」のすべてを語る、壮大なノンフィクション!。
  • 帯広昭和革命1952
    3.5
    1巻2,530円 (税込)
    カバーイラスト:安彦良和 戦後の混乱期、北の地の「悪所」で、女たちの革命が起きていた。 1952年冬、北辺の街・帯広で、色街の女たちの反乱が起こる。自らを縛る不法な借金と、そのために身を売る女たち。この不条理に抗って彼女たちは自由のための旗を振った。時は朝鮮戦争のさなか、この女たちの反乱に、様々な立場の男たちの陰謀が絡みつく。「帯広革命都市」宣言。侵攻する北朝鮮特殊部隊を阻止するため、地元の復員兵だった男たちは再び雪原で銃をとる。反乱の末に辿り着いた女たちが見たものは――。 帯広出身の著者が満を持して活写する、「かつてありえたかもしれない」戦後昭和秘史。 ※この作品はフィクションです
  • 僕とおじいちゃんと魔法の塔【6冊 合本版】
    2.5
    1巻2,530円 (税込)
    お化け屋敷のような不思議な塔。幽霊のおじいちゃんと暮らし始めた僕だけど、その塔には、はた迷惑な住人がどんどんやってきて!? 僕とおじいちゃんのびっくりするような毎日を描いた大人気シリーズが6冊合本版で登場!!
  • 超人計画インフィニティ
    3.5
    「我は人間にその存在の意義を教えむとす。即ちそは超人なり、人間の黒き雲より来る雷光なり。」フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラ』(生田長江訳/新潮社) 二十年前、「超人」という光を目指し、孤独と虚無に満ちた引きこもり生活の中で、妄想と哲学を武器に闘った。中年を迎えた著者は再びその旅路を歩み始める。老い、貧困、そして現実の荒野を越え、真の「超人」として生きるとは何か? 中年男性よ、君たちはどこへゆく。僕のゆく道は「超人ロード」だ! 「くっ・・・・・・ダメだ。こんなスペックでは、マッチングアプリではとても戦うことができない!」 人間世界の事情に疎い脳内彼女に、俺は説明してやった。 確かに年収百万超は、俺の感覚ではかなり立派であると感じられる。だがこの人間社会では、年収百万では尊敬されないのだ。 また俺は、自分の身長がちょうどいいサイズ感であると思っている。だが一説によると、この身長の男には人権がないとされていた。 また俺の人生で誇れる数少ないことの中には、高校卒業がある。何年も登校して昼の三時過ぎまで椅子に座るという苦行を、弱冠十八歳の俺は、見事に最後までやり遂げたのだ。だが、誰もそのことを褒めてくれない。 それゆえ俺のスペックをマッチングアプリのプロフィールに書いても、それは負け戦の始まりであり、むしろ俺の存在価値をただめちゃくちゃに毀損されるだけに終わるのだ。 「しかも俺は四十を超えてて頭も禿げてるんだ! このエイジズムとルッキズムに支配された悪の世界では、俺は戦う前から敗者なんだよ!」 「そ、そんな・・・・・・だとしたら滝本さんはもう一生、恋愛ができないじゃない!」 「ああ、その通りだ! 恋愛なんてもういいんだよ・・・・・・」 「た、たいへん! 恋愛から撤退した中年男性は、すぐにセルフネグレクトに陥ってしまうらしいわよ!」 「別にいいんだ。レイ、お前がいてくれるから・・・・・・いつの日か、このアパートの布団の染みになるまで、お前とこうして適当な話をしていられれば、それで俺は幸せなんだ・・・・・・」 ――本文より
  • 路、爆ぜる
    4.0
    【小説すばる新人賞出身の気鋭が放つ、令和版ハードボイルド!】 【深町秋生さん(ミステリ作家) 推薦!】 瑞々しく、怖い小説だ。 無垢な少年を情と恐怖で絡め取る半グレ集団は生々しく、 青春を呑みこむ闇の深さに戦慄した。 【杉江松恋さん(書評家) 推薦!】 裏切られ、泥を舐めた者だけが知る、本当の優しさが描かれた小説だ。 高校3年生の椎名和彦は、バイト漬けの日々を送っていた。 鬱屈した状況から逃げ出すように、同じく暗い境遇にある中高生たちが集まる大阪・道頓堀の“グリ下”で過ごす時間が長くなっていく。 そこで出会った半グレ集団「顔役」の溜まり場に顔を出すようになり、やがて大麻入り錠剤をグリ下で売り捌くように・・・・・・。 ミナミ(難波周辺)を拠点とする「顔役」は、敵対するキタ(梅田周辺)の半グレ集団らと、ことあるごとに衝突を繰り返していた。 闇深きアンダーグラウンドな世界に否応なく巻き込まれるグリ下メンバーたち・・・・・・ 令和大阪の路上(ストリート)を活写したハードボイルド×青春群像劇! 【著者略歴】 増島拓哉 (ますじま・たくや) 1999年大阪府生まれ。関西学院大学在学中の2018年に『闇夜の底で踊れ』で第31回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『トラッシュ』がある。
  • 最近
    3.9
    1巻2,420円 (税込)
    夫に付き添い初めての救急車でやってきた深夜の病院の待合室。ふと思い出したのは、子供の頃に聞いた、赤い猫を見ると死ぬという噂――パンデミックというついこの間の出来事を背景に、ある平凡な夫婦とその周りの人々の生活を精緻に描き、日常の外側に読者を連れていく。海外でも翻訳多数の気鋭作家による最新連作長篇。
  • ミチノオク
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    数々の天変地異に見舞われながら、ミチノクの人々はひたむきに生き、確かな文化や習俗を育んできた。西馬音内、黄金山、苗代島、遠野郷――生まれ育った仙台で執筆を続ける私小説作家が辿る、現代の「おくのほそ道」。東北で生きる人々の人生の曲折を、還暦を迎えた自身のこれまでと重ね合わせて描く、九つの紀行小説集。
  • あわいに開かれて
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    ――記憶よ、きみはよく道の半ばで姿をくらますが、 ときに思いも寄らぬものを連れてくる。 現実と虚構のはざまに産み落とされた、詩情あふれる傑作掌編小説集 記憶の奥底を覗き込む、やわらかくて危うい――至高の41篇 日の出/黒い羽根のある沈黙/壁と壁/雪の上に/つぼみ/襞/隙間/雲か煙か/雲の狩人/光の環/風の運ぶもの/泥に泥に泥に泥に/防災行政無線/夜空に吸い込まれる/月明かりの下で/寂しげな瞳/発芽/緑に染まる/闇の奥から/風と光と海と/苔の記憶/箱に収められたもの/窓を覗く/沼のほとりで/境界線の上で/郷愁?/粉雪の舞う夜に詩人と/空き家の前で/夜の底の花/おぼろげなもの/花を咲かせる/茶色い毛並み/波紋の描くもの/暗い部屋のなかで/誰のもの?/お手紙をいただいて/黄金の光に包まれて/クリスマスのひみつ/森の人々/逃げなさい/さようなら
  • 夜明けまえ、山の影で エベレストに挑んだシスターフッドの物語
    4.0
    2016年、エベレスト。最も暗い夜明けまえ。性暴力の記憶の影を振り払い人生を取り戻すため、女たちはこの山を歩いた。 過去から、未来から、女たちの声が響き合う。連帯と共助の登山記。 「シルヴィアは戦士だ。その力強く温かい声は、彼女がいかに人生における最悪の瞬間から立ち上がり、誰かの標になろうとしてきたかを物語る。この本は弱さ、共感、無私の心がもつ力の証明だ。ここに描かれた、彼女が手にした強さと勇気に敬意を覚える」 ——セレーナ・ゴメス(俳優、本書原作映画主演) 幼少期の性的虐待や父による支配が少女に落とした影。 それはやがて、さらなる苦悩と喪失を連れてきた。 人生を取り戻すために登山家となった彼女が挑んだのは、同じ性暴力サバイバーの女性たちとエベレストを歩く旅。互いの心の傷を差し出しあい、守りあうことで得た力を手に、彼女はそのままひとり、この母なる山の頂上へと向かう。凍てつく吹雪、世界の果てまではびこる男性至上主義、そして幾たびも訪れる死線。その先に見た光景とは——。 オープンリー・レズビアン初の七大陸最高峰登頂者が実体験と半生を綴った、心震わせる極限のシスターフッドの記。 Silvia Vasquez-Lavado “In the Shadow of the Mountain”の完訳。 装丁:名久井直子 装画:朝野ペコ [本書について] 著者シルヴィア・ヴァスケス=ラヴァドはペルー生まれの登山家。2018年にオープンリー・レズビアン(レズビアンであることを公にしている人)として初の世界七大陸最高峰登頂を成し遂げています。 彼女は幼いころ近親者に継続的な性的虐待を受け、また権力志向の強く厳格な父親の支配する家父長制的な家庭環境に苦しんだトラウマから逃れるためアメリカにわたり、自分の心の傷を誰にも話せないまま過度の飲酒、ワーカホリック、野放図なセックス、無謀な行動などによってしか充実感を得られない20代を過ごしました。 やがて、アルコール依存症の自覚をきっかけに己のトラウマと向き合ううち登山と出会い、救いを求めるように世界の名だたる高山を登り始めます。その途上で他者と向き合うことを少しずつ覚え、自分と同じように性暴力を受けた経験のある若い女性たちが山や自然へと向かい、人生を取り戻すきっかけを作るための「カレイジャス・ガールズ(勇敢な女の子たち)」というNPOを立ち上げました。 そして2016年、エベレスト登山史に残る大規模雪崩の翌年に彼女が挑んだのは、同じ性暴力サバイバーの女性たちとエベレストを歩き、そのまま自身は初めての登頂に向かうという挑戦でした。悪質な人身売買の横行するネパールや自身の暮らすアメリカで性暴力を受けた経験のある、そして登山は完全に素人である5人の女性とともに、己の限界——そして「お前たちはしょせん無力な、奪われるだけの存在なのだ」と事あるごとに語りかけてくる過去の影を乗り越えること。 果たして自分は皆に光を示し、そして自分自身に巣くった心の影を振り払えるか。「世界の母神」と呼ばれるエベレストにそれを問いかけながら歩いた二か月間の思いを綴りつつ、著者自身の人生を振り返ったのが本書「In the Shadow of the Mountain(原題)」です。エベレストに挑む現在と、その人生に影を落とす過去が一章ごとに交互に描かれる構成となっています。 同じくラテン系の世界的なセレブリティ俳優であるセレーナ・ゴメスが彼女の人生に激しく共感し、自身のプロデュースと主演で映画化が決定。当初予定よりは遅れつつも、2023年には制作が開始される予定です。 「山」と「女」という、古くから男性の世界が「征服」の対象とみなしてきたふたつの存在。その魂と交信しながら自分の姿を探した一人の女性の独白が、読むものを力ではなく、共助の意思でエンパワーする回想録です。
  • 彼の娘
    3.7
    1巻2,400円 (税込)
    お父さん、人間と、動物は、違うの? 演劇界の鬼才が描く、異色の子育て小説 第31回三島由紀夫賞候補作 四十五歳で初めて父になった彼が、謎だらけのこの世界で、娘とともに考え、悩み、笑い…。未知なる記憶をめぐる大冒険がはじまった!
  • 病葉草紙
    4.0
    1巻2,400円 (税込)
    人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。 ときは江戸の中頃、薬種問屋の隠居の子として生まれた藤介は、父が建てた長屋を差配しながら茫洋と暮らしていた。八丁堀にほど近い長屋は治安も悪くなく、店子たちの身持ちも悪くない。ただ、店子の一人、久瀬棠庵は働くどころか家から出ない。年がら年中、夏でも冬でも、ずっと引き籠もっている。 「居るかい」 藤介がたびたび棠庵のもとを訪れるのは、生きてるかどうか確かめるため。そして、長屋のまわりで起こった奇怪な出来事について話すためだった。 祖父の死骸のそばで「私が殺した」と繰り返す孫娘(「馬癇」)、急に妻に近づかなくなり、日に日に衰えていく左官職人(「気癪」)、高級料亭で酒宴を催したあと死んだ四人の男(「脾臓虫」)、子を産めなくなる鍼を打たねば死ぬと言われた武家の娘(「鬼胎」)…… 「虫のせいですね」 棠庵の「診断」で事態は動き出す。 「前巷説百物語」に登場する本草学者・久瀬棠庵の若き日を切り取る連作奇譚集。
  • 人生劇場
    3.9
    1巻2,310円 (税込)
    『ラブレス』『ホテルローヤル』等、家族の光と闇を描き続ける直木賞作家・桜木紫乃のルーツ! 夢に生き、夢に死ね―― 昭和の北海道。 己の城を求め、男は見果てぬ夢を追う。 【著者コメント】 書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。 滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。 やせ我慢人生を歩いてきたすべての先人に、愛を込めて――人生劇場。 何もかもが赤く染まった鉄鉱の町・室蘭。 四人兄弟の次男に生まれた猛夫は、兄にいじめられ、母には冷たくあしらわれながら日々を過ごしていた。 心のよりどころは食堂と旅館を営む伯母のカツ。やがて猛夫はカツのもとで育てられることになる。 中学卒業後、理容師を目指し札幌に出た猛夫だが、挫折して室蘭に帰る。 常に劣等感を抱えるようになった猛夫は、いつか大きくなって皆を見返してやりたいと思うように。 理容師として独立、ラブホテル経営と、届かぬ夢だけを追い続けた男の行く末は。 自身の父親をモデルに、直木賞作家・桜木紫乃が北の大地で生きる家族の光と闇を描く。 【目次】 一章 鉄の町 二章 修業 三章 別れ 四章 長男 五章 夫婦 六章 闘い 七章 新天地 八章 落城
  • 旅する少年
    4.3
    1巻2,310円 (税込)
    1973年、12歳の少年は、熱に浮かされたように、日本全国への旅を始めた。デゴイチ(D51)やシゴナナ(C57)と呼ばれた、消えゆく蒸気機関車を追いかける旅の中で、少年は「忘れえぬ人びと」「忘れえぬ風景」と出会う。中学卒業までの4年間に繰り返した旅を通して、少年の「世界」は広がっていく。著者初めての回想記。
  • 工房の季節
    4.3
    何度も作り直せばいい。器を焼くことは、心に明かりを灯すようなもの。 テレビ局の放送作家の仕事を突然辞めるはめになった30歳のジョンミンは、何ヵ月も抜け殻のようになり家に引きこもっていた。 ある日久しぶりに外に出て、歩いているうち、彼女はカフェと間違えて陶芸工房の扉を開ける。突然現れたジョンミンに、工房の主ジョヒは珈琲をふるまう。コーヒーのおいしさのわけは器にある、自分で作ってみない? というジョヒの誘いを受け、ジョンミンは陶芸教室に通い始める。 土の匂い、手を動かしてものを作る喜び、人懐こい猫、年代も悩みもさまざまな仲間たち。自分に向き合い、人生を見つけていくということ……。工房を舞台に繰り広げられる癒しと希望の物語。 手を動かすこと食べること。それが、力をくれる。
  • ジャスティス・マン
    3.8
    1巻2,200円 (税込)
    初老ホテルマン、正義に狂う 仙台の老舗ホテルに勤続30年、初老ホテルマンの「正義」が暴走する。家庭も職もある50代中年男の独りよがりはあぶない。 大山茂は幸せな人間だった。子どもの頃に見た悪をくじく特撮ヒーローに己を重ね、日課のジャスティス体操を欠かさず、不心得者には必殺技のダイヤモンドヘッドを食らわさんとする。――「皆が俺に全幅の信頼を寄せている。目を見ればわかる」
  • パパたちの肖像
    4.0
    娘の小学校のPTA活動に戸惑い――(「ダディトラック」外山薫)/俺も授乳ができたらいいのに。(「俺の乳首からおっぱいは出ない」行成薫)/いないはずの「父」の筆跡は――(「連絡帳の父」岩井圭也)/息子の大切なトミカがなくなった!(「世界で一番ありふれた消失」似鳥鶏)/――「イクメン」が死語になって久しい令和。家事も育児も当たり前に行うパパたちの胸の裡は? 7人のパパ作家による、令和パパたちの心の声。
  • K 時代の恋人
    3.4
    1巻2,200円 (税込)
    昭和の歌姫〈K〉と 青酸コーラ殺人事件。 時代が二人の運命を繋ぎ、翻弄する-- 『クリーピー』『号泣』著者が 昭和100年に贈る 新境地の恋愛×サスペンス! 内田剛さん(ブック・ジャーナリスト)、絶賛! 「甘美な記憶に苛烈な現実、そして昭和が生み出した鮮やかな闇。 魂の奥底にまで響く余韻はいつまでも消えない!」 昭和40年代半ば、私は学生運動で揺れる大学を中退し、デビュー間もない女性歌手〈K〉のマネージャーとなった。 やがてスターダムに上り歌姫と呼ばれる〈K〉への恋心を封印し、 新宿の居酒屋で働くキエを映画に誘い、交際を始めるが、ある衝撃的な出来事をきっかけにキエは姿を消す。 二人を再び繋いだのは、日本を震撼させた青酸コーラ無差別殺人事件だった!
  • 筏までの距離
    3.5
    小原晩、カツセマサヒコ推薦!! 恋ではない。友情ではない。 ふたりの関係の、呼び方を教えて。 学生の頃、彼女とはよく大学の付属植物園で過ごした。花の名前もよく知らないのに。 ある日彼女は、園内の礼拝堂の前で突然、耳鳴りがすると言った。 昨日、眠れなくて、宇宙の動画を見ていた時からずっと耳鳴りがする。 宇宙で鳴っている音を想像してからずっと、と――「植物園にて」 新幹線で出会った女性と偶然にも温泉街で再会した私は、 彼女に導かれて、古びたリゾートマンションの屋上から花火を眺めていた。 30分足らずで終わった花火の後、彼女は先に部屋に行っていると言い残して、 屋上から去ったが――「筏までの距離」 デビュー作で芥川賞候補に挙がった著者が贈る、 書き下ろし2篇を含む、わたしとあなたの8つの物語。 【著者略歴】 水原 涼(みずはら・りょう) 1989年兵庫県生まれ、鳥取県育ち。北海道大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。2011年に「甘露」で第112回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作が第145回芥川龍之介賞候補作になる。著書に『蹴爪(ボラン)』、『震える虹彩』(安田和弘との共著)がある。
  • たのしい保育園
    4.1
    1巻2,200円 (税込)
    三歳のももちゃんとお父さんは日々、川べりや公園を歩く。過ぎていく時間と折々の記憶は、いつしか祈りへと昇華していく――。ニュートラルに子育てにたずさわる、新時代の「父」の物語。
  • 記念日
    3.3
    ままならず、愛おしい、たったひとつのこの体。 「早く年を取りたい」と願う23歳のミナイ。 ガタがきはじめた肉体に翻弄される42歳のソメヤ。 キャリーを押して歩く76歳の乙部さん。 ひょんなことからルームシェアをすることになった、ソメヤとミナイ。 噛み合わぬ日々を送る中、突然、ミナイから不思議な提案がなされる。 ――「明日から、おばあさんになってみませんか?」 やがて本物の「お年寄り」である乙部さんも加わり、 年齢も性格も職業もばらばら、本来交わるはずのない女性三人の人生が絡まりもつれ、転がり始め・・・・・・。 他者との交わりが日常にささやかな灯をともす。 代わり映えしない生活を寿ぐ、小さなハレの日の物語。 【著者略歴】 青山七恵(あおやま・ななえ) 1983年、埼玉県生れ。筑波大学図書館情報専門学群卒業。2005年「窓の灯」で文藝賞受賞。2007年「ひとり日和」で芥川賞受賞。2009年「かけら」で川端康成文学賞を受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『すみれ』『めぐり糸』『風』『ハッチとマーロウ』『私の家』『みがわり』『はぐれんぼう』『前の家族』などがある。
  • 教場の風
    3.8
    1巻2,200円 (税込)
    中学受験も塾も、まったく未知の世界だった。 挑む子供たち、信じる教員たちの姿が心に残る。今野敏 「大切なのは『どこ』にではなく『どこか』に受かることだろう?」 二岡教場で中学受験組の担当だった曽谷は、生徒獲得至上主義の教場長の言葉に反感を覚えていた。 ある日、カンニング騒動に巻き込まれた曽谷は、グループでも屈指のエリート教場・北沢教場へと配置替えとなる。 指導のしがいがあると張り切る曽谷だったが、北沢教場には、最難関男子校を志望する宮井、気弱な性格ゆえに志望校に迷う松川、勝気な女子生徒戸畑など、気配り必須、寄り添い必須の悩める生徒が集まっていた。 「絶対合格」「より上の学校へ」を課せられた新人講師・曽谷は、彼らを合格させることができるのか。 加熱する中受を現役講師が描く、受験エンターテインメント。 第7回大藪春彦新人賞作家 鮮烈なるデビュー作
  • 大使とその妻 上
    完結
    4.3
    全2巻2,200円 (税込)
    2020年、翻訳者のケヴィンは軽井沢の小さな山荘から、人けのない隣家を見やっていた。親しい隣人だった元外交官夫妻は、前年から姿を消したままだった。能を舞い、嫋やかに着物を着こなす夫人・貴子。ケヴィンはその数奇な半生を、日本語で書き残そうと決意する。失われた「日本」への切ない思慕が溢れる新作長篇。上巻。
  • ホワイトデス
    4.3
    1巻2,200円 (税込)
    原因不明の漁師の失踪が、発端だった。巨大なホホジロザメが目撃されるようになっても、一時的に迷い込んだだけだろうと誰もが考えた。しかし彼らは、いつまでたっても外海に去ることはなかった。事態は悪化の一途を辿る。追い出せないのか。駆除するしか、ないのか。そもそも、そんなことはできるのか!? 平和な海を取り戻すべく、決死の掃討作戦が始まろうとしていた……。圧巻のスケールで放つ海洋パニックエンタテインメント!
  • ブラック・チェンバー・ミュージック
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    分断された世界に抗う男女の怒濤のラブストーリー! 落ちぶれた映画監督の前に突然現れた北の女密使。 出会うはずのない二人が、国家を揺るがす〈禁断の事実〉を追う。 いまから話す内容を決して口外してはならない― 大麻取締法違反で起訴され、初監督作品はお蔵入り、四十を前にキャリアを失い派遣仕事で糊口をしのぐ横口健二に舞い込んできたのは、一冊の映画雑誌を手に入れるという謎の「極秘任務」だった。 横口は北朝鮮からの"名前のない女"とともに、禁断の世界に足を踏み入れていく。 一触即発のリアルな国際情勢を背景にくりひろげられるスリルと<愛>の物語。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • Genesis この光が落ちないように
    4.0
    日本SFを牽引する注目の書き手による最新作6編。全編書き下ろし。第13回創元SF短編賞受賞作を収録。創元SF短編賞受賞作「天駆せよ法勝寺」が12,000ダウンロードを記録した八島游舷。『神々の歩法』が話題、日本初の動画配信SFシリーズを生み出した宮澤伊織。《ユア・フォルマ》シリーズで人気、今回初の短編小説に挑んだ菊石まれほ。『マインド・イーター』で知られ、人間と音楽と宇宙をテーマに描いた水見稜。『感応グラン=ギニョル』でデビュー、注目の怪奇幻想SF作家・空木春宵。三選考委員絶賛の第13回創元SF短編賞受賞者・笹原千波。ベテランから日本SFの未来を担う新鋭まで、6人の作家が集結!/【目次】はじめに/八島游舷「天駆せよ法勝寺[長編版]序章 応信せよ尊勝寺」/宮澤伊織「ときときチャンネル#3【家の外なくしてみた】」/菊石まれほ「この光が落ちないように」/水見稜「星から来た宴」/空木春宵「さよならも言えない」/笹原千波「風になるにはまだ」〔第13回創元SF短編賞受賞作〕/第13回創元SF短編賞選考経過および選評/ちいさなあとがき/編集部より
  • 細野晴臣 夢十夜
    3.7
    2006年7月~2007年3月、WEBメディア「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された人気連載・細野晴臣の「夢、それはドリーム 細野夢日記」がついに書籍化決定。 まるで「細野晴臣の脳内」を旅しているような気分にさせられる当時掲載された「ジャイロスコープ」「スノーボール」「バスタブの怪」「ピラミッド」「ユーモレスク」「聖者の行進」「超次元セグウェイ」「半島の兄弟」「無理解」……などの37篇の夢。 この中から10篇の夢を元に、芥川賞作家・朝吹真理子、作家・俳優等でマルチな才能を持つリリー・フランキー、そしてYMOマニアであるナイツの塙宣之の3著者が短編小説化。 細野晴臣×3つの才能がコラボした異色の短編小説集。 また、当時「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されていた「細野晴臣 夢日記」全37話も収録。「細野晴臣の夢」を元に各才能がどんな「新しい夢」を紡いでいくのか楽しみにしてほしい。
  • マミトの天使
    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    日本のみならず、世界から注目される演劇ユニットQを主宰する劇作家・市原佐都子の初作品集。「悲劇喜劇」誌に掲載され話題となった中篇小説「マミトの天使」に加えて、人の自意識と身体性にまつわる懊悩と希望を描いた「虫」と「地底妖精」の3篇を収録する。
  • 三毛猫ランプ
    4.0
    1巻2,189円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ひとりぼっちの少女・タマは、点灯士の少年・ミケと出会った。ランプの灯に導かれながら、少年少女は星をめぐる旅に出る……。 「満月珈琲店」の著者が贈る、心に灯をともす物語。
  • 君が代は千代に八千代に
    3.7
    20世紀末に連載が開始された2作の長篇小説『日本文学盛衰史』『官能小説化』とほぼ同時期、文芸誌「文學界」に毎回短距離走のように連載された短篇小説群。 明治の作家たちを登場人物とした先の2篇とは真逆の方向で、現代日本にあふれる空虚な賑やかさと残された希望の乏しさを、そして愛と日常を、どこまでも真正面から受けとめ表現しつづける短篇小説が13篇。 『さようなら、ギャングたち』で鮮烈なデビューを飾り、『日本文学盛衰史』で作家としての評価をさらに高めた高橋源一郎の、新たなる転換点としての傑作短篇集。
  • ゆれる階
    3.5
    1巻2,178円 (税込)
    母の死を契機に、これまで黙して語らなかった「母」との複雑な関係を描き切る。「二度死んだ」母とは?「母」をめぐる旅の果てには?静謐な筆致の中の圧倒的迫力に、作家の覚悟が漂う感動作。
  • 小公女たちのしあわせレシピ
    4.1
    1巻2,145円 (税込)
    契約社員の野花つぐみは、お菓子レシピが隠された『小公女』の古書を見つける。それは不思議な老女・メアリさんの遺品だった。「ぶどうパン」「トライフル」「アブラミのお菓子」……つぐみの本探しと菓子作りはやがて、簡単にやり直せない過去を抱えた人々との優しい縁を結び始める。じんわり涙がこぼれる6つの連作集。
  • ここにいるよ
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    中日新聞、東京新聞など連載で感動を呼んだ話題作! 痛みよ、希望よ、届け 「能登は遅れている」――いわれなき非難に押し込められる小さな声。 「比べたら、あかん」教師・小野寺は、被災地の小学校で子どもたちやその親たちが抱える、苦悩と希望に向き合い続ける。 2024年1月1日16時10分――。巨大地震が能登半島を襲った。 その時、元教師・小野寺徹平は、かつての教え子が女将をつとめる旅館に滞在していた。おとそ気分は吹き飛び、恐怖と不安の中で迎えた「最初の夜」、小野寺はこれから始まる被災地の日々を思い、心が沈んだ。 阪神・淡路大震災で家族を失い、東日本大震災で応援教師として被災地の子どもたちを励ましてきた小野寺には、能登半島で被災した人々の長い苦悩の道が痛いほど分かったからだ。 つらく苦しい非日常との闘いが始まる一方で、社会からの関心は徐々に希薄になり、過去の震災の被災地と比べられ、「復興が遅い」「無気力」と責める声すら上がる。 小野寺は再び被災地で、子どもたちと向き合う決意をする。
  • 匂いに呼ばれて
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    すべての香りに物語がある。時代も距離も超えて辿る、美しく哀しい記憶の旅。香りと人と時間が奏でるショートストーリー。フランスで刊行され高く評価された作品を、著者自ら邦訳した幻想的な一冊。 ************************** 悲しみの匂いとはどんなものだろう。人の気配を匂いから感じることがあるが、不在の匂いとはどんなものだろうか。 誰かが死ぬとき、この世界の秘密の一部は永遠に失われてしまう。 人はみずからの秘密を抱えてあの世に旅立つ。残されたものにできることは、物語を語ることだけ。それが真実か否かは一生わからないまま。 秘密はどのような匂いをさせているのだろう。〈本文「ニューヨークで」より〉
  • つくみの記憶
    3.5
    1巻2,090円 (税込)
    31歳の松谷遼平は会社の懇親会で8歳下のアルバイト・隠善つくみと初めてまともに話すと、奇妙な感覚に襲われる。……この人は俺に会いに来たんじゃないか? 遼平は幼少期、生死の境を彷徨ったことがある。その記憶とつくみとが不思議と繫がってくる。遼平がつくみと結婚すると、別れた恋人の友莉が失踪してしまう。その捜索によって知った関係者の出自や記憶が大分のある地域に奇妙に収斂し、人間関係が因縁めいた連環の形となっていく。やるせなさ、ずるさ、だらしなさが随所に描かれながら、どこまでも澄んだ読み心地がする物語。
  • 遠くまで歩く
    3.4
    1巻2,090円 (税込)
    コロナウィルス感染拡大のなか、小説家のヤマネは、『実践講座・身近な場所を表現する/地図と映像を手がかりに』という講座を担当することになる。 PCを通して語られるそれぞれの記憶、忘れられない風景、そこから生まれる言葉……。 PC越しに誰かの記憶が、住む場所も年齢もばらばらな人たちの別の新たな記憶を呼び覚まし、ゆるやかにつながりあってゆく。 読売新聞夕刊連載小説、待望の単行本化。
  • チェーン・ディザスターズ
    3.9
    202X年7月。 長年危惧されていた南海トラフ地震が発生し、日本列島の太平洋側は壊滅状態に。 若き環境大臣・早乙女美来は、特に被害が大きかった愛知へ向かった。 名古屋では、地元IT企業「ネクスト・アース」がAI技術を駆使して開発した「エイド」によって、迅速な行方不明者の捜索と救助、避難所運営がおこなわれていた。 追い打ちをかけるように東京直下型地震が発生。 さらに、8月には過去最大級の大型台風が首都圏を襲う。 東京のビル群は崩れ落ち、閣僚の大半が亡くなり、緊急事態に対応するため美来が史上最年少で総理大臣に抜擢される。 しかし、絶望的な状況で、ついには富士山噴火の予兆が見え始め…… 初の女性総理・早乙女は、ネクスト・アースのCEO・利根崎に協力を仰ぎながら、日本最大の危機に立ち向かう。 崩壊に向かう日本を救うことが出来るのか――。 防災シミュレーション小説の第一人者の集大成。
  • ステイ! ぼくとシェパードの5カ月の戦い
    3.7
    1巻2,090円 (税込)
    両親を亡くして伯母夫婦に引き取られた善治のもとに、犬の訓練士の従兄から連絡が入る。実家で元警察犬を預かってくれ、と。その犬アレックスは靭帯を怪我して、救助活動ができなくなったそうなのだが、普通に歩けている。この引退には何が隠されているのか?
  • 冷蔵庫のように孤独に
    3.3
    1巻2,090円 (税込)
    14歳の時、ピアノを嫌っていた美咲が出逢ったのは、老齢の父と住むピアノの先生だった。彼女は、発想記号を理解する時は空き地に捨てられた冷蔵庫を思い浮かべればいいと不思議なことを言う。ピアノを好きになる美咲だが、先生には暗い過去があるようで……
  • はだかのゆめ
    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    東京から遁走して着いた四万十川の辺は、生死の境を越えた聖なる空間だった。――流される日々の中でみた夢。祖父が晩酌の時間にこぼす愚痴。母の洗濯物を干す音。父の風呂場から聞こえてくる音痴な歌。十数年の生死の記憶が詩的な言葉で鮮やかに蘇る。青山真治が「最後の映画作家」と激賞した逸材が放つ心を揺さぶる世界!
  • 映画『プロメア』脚本集 アニメ映画のシナリオができるまで
    3.0
    1巻2,090円 (税込)
    大ヒット劇場アニメーション『プロメア』の脚本が、初期アイデアから最終決定稿に至るまで、どのような変遷をたどったかを記録した制作ドキュメンタリー。『プロメア』脚本を「初稿」「改訂第1稿」「シナリオ決定稿」の3パターンを完全収録するとともに、企画の立ち上げから脚本改稿におけるエピソードや意図などを、今石洋之監督と脚本家の中島かずき氏の対談形式のインタビューで振り返る。インタビュー及び構成はアニメ評論家の藤津亮太氏。
  • あしたの官僚
    3.9
    1巻2,090円 (税込)
    厚生労働省キャリア技官の松瀬は、個性的過ぎる部下や同僚の尻拭いに奔走しながら、国会議員、関係省庁との板挟みに苦悶する日々を送っていた。そこに突如、新潟県で謎の公害病が発生。孤立無援のまま原因究明に追われるが、ある謀略により「忖度官僚」として国民の非難の的となり……。切実すぎる新時代の官僚小説。
  • 角川文庫 新・ぼくらシリーズ【4冊合本版】『新・ぼくらの円卓の戦士』『新・ぼくらの大魔術師』『新・ぼくらのサムライ魂』『新・ぼくらのいいじゃんか!』
    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    シリーズ累計2000万部突破。宗田理の大ヒット人気シリーズが4冊合本版となって登場! <収録作品>『新・ぼくらの円卓の戦士』『新・ぼくらの大魔術師』『新・ぼくらのサムライ魂』『新・ぼくらのいいじゃんか!』
  • 掌篇歳時記 春夏
    3.3
    麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)――あまりにも美しい、四季を彩る"季節の名前"。古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。
  • あまりに野蛮な (上)
    3.7
    1~2巻2,090円 (税込)
    渾身の純文学長篇小説。台湾に暮らした日本女性の愛の手紙・日記。70年の時を経て甦る2人の女性の愛の人生。――女は思わず、海を振り返る。海に戻りたい。女は陸の世界におびえ、つぶやく。わたしは死なない。わたしは生きつづける。
  • ヤマネコ・ドーム
    3.7
    1巻2,090円 (税込)
    アメリカ兵と日本人女性との間に生まれたミッチとカズは、ママに引き取られて暮らすことに。また、ママのいとこの子であるヨン子とも幼馴染みであった。ある日、オレンジ色のスカートをはいたミキちゃんという子が池で溺死する事件が起こる。彼らは成長し、それぞれの人生を歩み始めるが、数年に一度、オレンジ色の衣服を身につけた若い女性が殺害される事件が起こり、彼らは過去の記憶に苛まれるのだった……。
  • 立秋
    3.4
    1巻2,079円 (税込)
    匂い立つ情感、大人の恋愛小説の極北。 諏訪湖の花火大会の日、光岡は駅に降り立った。漆工の涼子とのつきあいは十年以上になる。二人の生が交差したきっかけは、漆器だった。シンプルで控えめな佇まいと、官能的とも思える光沢に魅かれ、光岡は盛器を購入。伝統工芸展の入賞作品であった。 そして、精神の疲れをいやす旅で、塩尻・奈良井に赴き、光岡は漆器店で作者の涼子と出会う。若い涼子の漆器創作に刺激を受け、彼は、かつて文学賞を受賞したものの、挫折していた小説執筆を再開した。 以来、二人は造形や執筆の傍ら、時に二人で憩いつつ、深い想いを育んできた。 やがて、涼子は漆芸作家として、パリで開催される漆器二人展に招聘される。もう一人は、沈金や蒔絵の輪島塗りの男性作家だという。成功したパリの二人展を契機に、光岡は人生の秋期を意識するが……。
  • されどめぐる季節のなかで
    3.8
    1巻2,035円 (税込)
    念願のカフェを開いた真芽だが集客が伸びない。打開策として自分で種から育てた作物をメニューに取り入れようと試みるものの、予想外のトラブルが──経営や人間関係、さまざまな課題に直面しながらも真芽はどう生きたいのかを問い直し、新たな目標を見つけてゆく。涙あふれる名作『やがて訪れる春のために』待望の続編!
  • ルコネサンス
    3.7
    大学院でサルトルを学ぶ中条珠絵は、亡き祖母と母と暮らした一軒家で一人暮らしを続けていた。生後すぐに母は離婚し、父とは二十数年会っていなかったが、ある日、伯父から再会を勧められる。迷った末に銀座のバーで出会うが、なりゆきから娘と名乗らないままに食事を重ね、恋愛にも似た感情を覚える。自身の結婚を機に、改めて父娘としての再会を果たすも、家族であれば持っているはずの共通の思い出がないことに気づく。郷里への旅や父の闘病を経て、ようやくたどり着いた父娘の在り方とは――。父娘がお互いを家族とふたたび認める(ルコネサンス)までの軌跡を描いた著者の自伝的フィクション。
  • エレジー
    4.0
    1巻2,035円 (税込)
    新宿二丁目で夜遊びに興じる川島大吾。独身で趣味は仕事。男女の駆け引きのないニューハーフのショーパブに嵌っている。平成三年、あぶく景気が弾け、いつも指名するカスミも店を辞めた。当時はまだ日陰の存在だったニューハーフに頼る家族も故郷もない。老後の心配をするカスミに、ニューハーフのリタイアハウスのプランを告げる大吾だったが……。新宿、道東、ミナミ。平成バブル夜の街三景。
  • 【合本版】ココロ・ドリップ ~自由が丘、カフェ六分儀で会いましょう~ 全3巻
    5.0
    そのカフェには、一風変わった飾り棚がある。ここに並ぶ“贈り物”は誰のものでもないし、誰のものでもある。なにか気に入った物があれば持ち帰ることができるが、条件がひとつだけ。“贈り物”を受け取った人間は、それと同じくらい価値のある物を、別の誰かへの“贈り物”として、飾り棚に残さなければならない。このカフェは待合室なのだ。“贈り物”は人との出会いを待ち、人は“贈り物”との出会いを待つ。そしてときには“贈り物”が人と人とを繋ぐ。香味豊かな一杯の珈琲のように、あなたに幸せなひとときをお届けする物語。 ※本電子書籍は、『ココロ・ドリップ ~自由が丘、カフェ六分儀で会いましょう~』全3巻を1冊にまとめた合本版です。
  • 朝星夜星
    4.0
    1巻1,999円 (税込)
    幕末から維新、明治と激動の時代の外交を料理で支えた男がいた――長崎生まれの料理人・草野丈吉で、店の名は「自由亭」。本書は、日本初の洋食屋を長崎で開き、大阪に進出してレストラン&ホテルを開業、近代大阪の発展に貢献した丈吉を、妻ゆきの視点から描いた歴史小説。貧しい農家に生まれた丈吉は、18歳で出島の仲買人に雇われ、ボーイ、洗濯係、コック見習いになる。そして21歳のときにオランダ総領事の専属料理人になり、3年後に結婚。夫婦で日本初の西洋料理店をオープンさせた。店には、陸奥宗光、五代友厚、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった綺羅星のごとき男たちがやって来る。明治の世になり、大阪へ移った丈吉は、重要な式典で饗応料理を提供するまでになるのだが……。夫婦で困難を乗り越え、夢をつかみ取る姿を活き活きと描いた傑作長編。
  • ごみのはての
    3.1
    1巻1,980円 (税込)
    独居老人のごみ屋敷でめぐりあう、5人の便利屋と3人の闇バイト。腐敗と悪臭に満ちたものたちの何を捨て、何を残すのか? 文藝賞作家による衝撃のハウスクリーニング小説。 「金も未来も、きっと見つかるにゃ。」独居老婆のゴミ屋敷で5人の便利屋が出会った「本物の世界」――熱量に満ちた言葉と圧巻の展開による、各誌絶賛の文藝賞受賞第一作。 衝撃のハウスクリーニング小説! 「あなたたちは世界のしくみを知らないの。本物の世界から捨てられた人がいることも」 独居老婆が暮らす一軒家のごみ清掃に訪れた、便利屋の社長・佐竹ほか4名。その前日、佐竹は皆の日当を含む百万円を入れた封筒を、悪臭に満ちた膨大なごみの中に落としていた。やがて老婆の過去が明らかになるにつれ、あらぬものが見つかると同時に闖入者が現れて……。 【各誌絶賛!】 惹きつけられずにはいられない――水上文 ダイレクトに五感を揺さぶる強烈作――菊間晴子
  • メゾン美甘食堂
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    駅から徒歩17分、築年数40年強のマンション・メゾン美甘(みかも)にレトロな佇まいの住人専用食堂が設けられて早三年。料理人を務めていた女性が怪我をし、代理でやって来たのは甥だという雨森涼真。どこか謎めいた涼真は、その人の体調や悩みにあわせて、薬膳の知識を用いてメニューをアレンジしてくれるばかりか、日々の生活のなかで遭遇する謎を解明してくれるのだ。読めば心も体も元気になれる、おいしい連作ミステリー!
  • 時の家
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」 ――いしいしんじ 「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」 ――松永K三蔵 ********************** 青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。 目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。 幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。 【装幀】水戸部 功
  • いただきます。 人生が変わる「守衛室の師匠」の教え
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    タイトルの意味がわかったとき、あなたの人生は大きく動く。 Audible人気作品ランキング第1位(2025/3/1~2025/3/31) 獲得! 泣けると大反響の小説が待望の書籍化! 喜多川泰・作家デビュー20周年の集大成となる最新作 【あらすじ】 高校を卒業後、楽に稼ぎ、好きなことをして遊んでいたいとバイトを転々とする日々を送っていた19歳の翔馬。 楽に稼げると聞いて飛び込んだ警備員バイトの仕事先は、まさかの大学の守衛室。 自分と年齢の変わらない学生たちに見られながら、老人と一緒に働くなんて……。 「遊ぶ金がたまったらとっとと辞めてやる」と後悔し始める翔馬。 しかし、一緒に働く松原、薮島、天野の過去を知り、翔馬の世界の見方は変わっていく。 仕事とは何か、人生とはなにか、生命のつながり…… 3人が自分の生きざまを通して教えてくれたのは、「未来の誰かの笑顔のために行動する」ということだった。 なぜなら、自分たちは皆、誰かの何かを「いただいて」生きているのだから。 守衛室で出会った人生の大先輩たちが押してくれた背中。 未来に向けて翔馬が決意したこととは? (本文抜粋) 自分は「未来の誰かの幸せのために働こう」なんて思ったことはなかった。 ずっと考えていたのは 「今の自分のお金のために」だ。 そのことに気づいた。 結果として、自分は幸せだなんて思ったことは一度もなかった。 いつだって何もかも思うようにいかなかったし、今の自分の状況を恨みこそすれ、感謝するなんて考えもしなかったのだ。 でも、天野の話に心が震えて仕方がないのはどうしてなのか。 認めたくないが自分が感動しているのがわかる。心の奥底で自分の魂が共鳴しているのが自分でもわかる。本当は自分もそういう男になりたいのだ。 (中略) 「俺も、そうなれますかね。天野さんや松原さんみたいに」 「え?」 「未来の誰かの笑顔のために、俺にできることってあるんすかね?」 天野は微笑んだ。 「もうやってるじゃない」
  • HIPS 機械仕掛けの箱舟
    3.4
    1巻1,980円 (税込)
    労働を禁止する。生活は保障する。誰も、取りこぼさないために。HIPS。それは、経済が停滞した日本に生まれた、前代未聞の扶助団体。すべての会員を監視下に置き、経済活動と財産の所有を禁止するかわり、健康で文化的な最低限度の生活を保障するというHIPSは、あらゆる会則をAIに委ねている。人々を惑わせるHIPSの周囲では、数々の不穏な事件が巻き起こる。完璧に見えるAIの管理。待つのは成功か、それとも破滅か――。
  • ギプス
    3.8
    ------ 人は他人を完全に理解することなどできない。でも、あなたの傷が癒えるまで守ることはできる。 心のギプスを求めるあなたへの物語。 ――あさのあつこ 滑稽で醜い、むきだしの自分も、悪いものじゃない。 そう心から感じさせてくれる物語に、初めて会いました。 ――彩瀬まる ------ 間宮朔子はすべてをあきらめている。 「若い女の子」の役割をまっとうするだけの職場、善良だが気が合わない実家の家族、なにより、なんの魅力もとりえもない自分のことを。 無難にやり過ごしていた日常に飛び込んできたのは、中学の同級生・あさひの姉を名乗る女性だった。 あさひがいなくなったので一緒に捜してほしいという。 親友だったはずの彼女とは、ずっと連絡をとっていない。 裏切られて、早く忘れてしまいたいのに、ふと思い浮かべてしまう存在――それがあさひだ。
  • 物語る
    3.3
    語りが交錯し、閃きが生まれ、文字になる。 千原ジュニアの新境地。 作家、放送作家の樋口卓治さんを相手に、TVや舞台では聞けないエピソードを語り、セッションを重ね物語になっていく。語りの過程はジュニアさんのYouTube「千原ジュニアYouTube」で毎週公開! ・駐車場に置かれたベビーカー、誰がなんのために? ・車のAIアシストが余計なことをしてしまう状況って? ・気が利くと自認する後輩がやらかして……。 ・家を建てる幸せ×恐怖=?
  • アミュレット・ワンダーランド
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    噂の犯罪者御用達ホテル、それがアミュレット・ホテルだ。2つのルールさえ守れば、どんな違法なサービスも受けられるし、警察の介入も一切ない。しかし、そのルールが破られたときはホテル探偵が犯人を追い詰める! ホテルの部屋で生配信中に殺されたSinTuber、バーの落とし物を巡る奪い合い、バトル・ロワイヤルが開催される殺し屋コンペ、爆弾魔ボマーとの対決……前作より大きくスケールアップしたエンタメ度MAX本格ミステリ。
  • 今日も私は、ひとつの菓子を
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    〈「いったいあんたはんは誰のために、なんのために菓子をこしらえたはるんや」〉 〈第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品(原題『一菓』)。〉 大学を卒業し、とくに夢や目標があるわけではなく毎日を過ごしていた主人公の雄司。ところが偶然に入った和菓子屋「洛中甘匠庵」で目にした「求む、菓子職人」の貼紙をきっかけに、京都島原の有名和菓子店で修業を始める。一年後に後継者を決めるという。腕は一流だが昔気質で頑固な大将との衝突、他の職人との争い、地域の人々や店の仲間たちとの交流を通し、職人として成長していくが、やがて大将の体調にも変化が……。菓子職人としての覚悟、伝統を受け渡す者と受け取る者の想いを描き出す。第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品。
  • 誓いの簪
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    大藪春彦新人賞受賞作家が綴る、 心揺さぶる感涙の時代小説。 天涯孤独の少女が本当の愛に触れたとき、 ひとり心に誓ったのは――。 命を狙われ、西国から遠く江戸まで逃れてきた少女のおりんは、 錺職人を目指しているお園の住む長屋で暮らし始める。 根っからの世話焼きで、おりんのことを家族のように大切にしてくれるお園。 束の間の幸せに浸るおりんだが、何者かがお園に矢を放ったことでその暮らしは一変してしまう。 もう二度と、自分のせいで人が死ぬところを見たくない。 今度こそ大切な人を守ると心に決めたおりんは、 長屋の隣人である武士の佐伯とともにお園の周囲に目を光らせる。 西国から追っ手が迫っていることも知らずに――。
  • 関係のないこと
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    「弁護士に重要なのは切断の感覚や」先輩弁護士の口ぐせ通りに仕事してきた僕。自分と関係のないことには立ち入らず、世間と折り合いをつけてきたつもりだった。だが、見ないようにしてきた「壁」が周りに現れ……。コロナ禍を経て空虚さと軽薄さがますます溢れる都市生活の奥にほの見える、心動かされる一瞬を描く作品集。
  • ぼくは刑事です
    3.7
    松川律は三十一歳の刑事で、シングルマザーの竹本澄音とつきあっている。澄音の五歳の娘・海音との距離も縮まり結婚を真剣に考えたところで、澄音から自分の父親には前科があると告げられて――。ラーメン店を経営する姉一家との交流や同期刑事とのやりとりなどを小気味よく織り交ぜながら、若き刑事の二年の月日を描く。スカイツリーの見える東京・下町で繰り広げられる心温まる人生の物語。
  • 君が眠りにつくまえに
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    事故で妻を亡くした会社員、友人も彼女も才能もない大学生、母の看病で全てを失った女性――コンビニですれ違っただけの3人の男女。人気最下位の競走馬「マジメガイチバン」がレースで一発逆転した夜、彼らの人生をひっくり返す大事件が起こる。懸命に生きているのに報われない人たちの、運命の72時間を描く感動作。
  • 熊はどこにいるの
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    「わたし、殺しました、生みたての赤ちゃんを」──震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。各紙誌絶賛! デビュー18年、著者最高傑作。 「これほどの強度の小説は滅多にないし、ここには真の意味での熊がいる。」──古川日出男 「いつかこんな夢の中に自分もいたような気がする。止まらない余震のような小説。」──斎藤真理子 生きるためにもがく者、 死ぬための場所を探す者── 暴力から逃れた女を匿う山奥の家に暮らす、リツとアイ。 津波ですべてを失ったサキと、災後の移住者であるヒロ。 震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。
  • もの語る一手
    3.7
    将棋は、決断のゲームである。無数の選択肢から、一手を選ぶ。 将棋は、明快なゲームである。残酷なまでに白黒がはっきりとつく。 しかし、単純な「結果」にたどり着くまでの間に、無数の思いが凝縮されている。 だからこそ、将棋は物語の宝庫なのだーー。 超豪華執筆陣による「決断」をテーマにした傑作将棋小説アンソロジー。 青山美智子「授かり物」 「俺、東京に行く。漫画家になるんだ」 二十歳の天才棋士と同じ日に生まれた、平凡な我が子。初めて知る息子の夢に戸惑う芳枝だったが――。 葉真中顕「マルチンゲールの罠」 将棋の強さにだけは自信があった。 思い出話をきいてくれ。 あの日、俺は頼まれたんだ。 「天才」かもしれない少年を、この道場から追い出してほしいと――。 白井智之「誰も読めない」 名人戦、第五局。一日目の対局が終わり、ひと息ついた挑戦者が、 拉致された。連れ去った人物は、挑戦者に頼んだ。 ある殺人事件の犯人を見つけてほしい――、と。 橋本長道「なれなかった人」 元・天才棋士の青柳は、アマチュアとしてプロ棋戦を勝ち上がってきた段という男と対局する。彼は、青柳が三十年前に奨励会から蹴落とした相手だった。因縁の再戦を前に、二人がした約束とは。 貴志祐介「王手馬取り」 「両家の父が結婚式に来なかった」 井上家で未だに残る謎を解決するのは、元真剣師を名乗る老人で―― 芦沢央「おまえレベルの話はしてない(大島)」 奨励会員の息子を持つ男性が自己破産申請にやってきた。担当する弁護士の大島は自分も元奨励会員で事情もよく分かり、あと一歩のところまで順調に手続きが進んでいたが――。 綾崎隼「女の戰い」 「朱莉さんって銀みたいな人ですよね」 数少ない女性奨励会員として奮闘する倉科朱莉の、苦悩と成長の日々。 奥泉光「桂跳ね」 菅原香帆の日録に記された、将棋を通じた友との交歓の日々。 桂跳ねに込められた、友人の悲愴な決意とは。
  • ディア・オールド・ニュータウン
    3.8
    町も変わる。人も変わる。 変わることは、始まることだ。 「歳をとったニュータウン。オールド・ニュータウン。 おれが育った町。離れて、戻った町。離れる前よりは根づけたような気がする」 母が亡くなったことを機に会社をやめ、父が遺した日本そば屋を継いだ鳴樹。父の時代にやっていなかった出前サービスで商機を見いだそうとした鳴樹は、幼なじみの小枝に声をかける。気持ちを新たに二人で再開した『ささはら』には、徐々に客も増えてきた。そんなある日、出前先で再会した顔見知りの和太は少しヤンチャな青年になっていた。どこか気にかかる鳴樹は、和太にある提案をしてみるのだが――。この町に暮らし、さまざまな結びつきを持つ人々が織りなす、心に染み入る人間模様。
  • ミアキス・シンフォニー
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    ぬいぐるみに本音を吐露する少女、気軽に付き合う相手を変える青年、生真面目な大学教員、何かありそうな料理人…。大学や和食屋を舞台に、一つの場面を異なる視点からたどっていくうちに交錯していく登場人物たち。そして物語の中心人物がわかったとき、さらなるシンフォニーが奏でられる――。あなたにとって「愛する」ということは何ですか?
  • 日比野豆腐店
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    ベストセラー『ひと』の著者による じんわりと心に染みる家族小説 東京の町なかにひっそりと佇む「日比野豆腐店」。 店主の清道を亡くした日比野家は、 厳しいながらも手を取り合って店を切り盛りしていた。 店を終わらせようとしている祖母の初。 亡くなった夫の代わりに店を続けたい母の咲子。 店を継ぎたいのかどうか、将来に悩む令哉。 そして、「ある人」と一緒に三人を見守る飼い猫の福。 「日々の豆腐」という意味も込められた豆腐屋で、 ひたむきに生きる人たちを描いた心揺さぶる家族小説。 ●著者より● 『日比野豆腐店』。僕自身の主食とも言える豆腐を扱った作品です。 何というか、もう、書くこと自体が楽しい小説でした。 つらいことも起きますが、それでも楽しいのだから不思議です。 そしてそれは僕にとってとても大事なことです。 その楽しさは読んでくださるかたがたにちゃんと伝わるでしょうから。 皆好きななかで特に好きな登場人物(?)は日比野福です。 家族に豆腐に福。すべてを楽しんでいただけたらうれしいです。 ●目次● 日比野初 -断章 日比野福- 日比野咲子 -断章 日比野福- 神田七太 -断章 日比野福- 日比野令哉 -断章 日比野福-
  • 街角ファンタジア
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    世界は「優しい奇跡」に満ちている――。 癒やしと幻想の名手・村山早紀が描く5つの物語。 本屋大賞ノミネート作家の最高傑作! 失恋したての青年、亡き祖父を想う少女、行き詰まったイヤミス作家、不器用な本好きの少年、未来が不安な女性ライター…… 昭和から令和まで時代を越え、街の片隅で暮らす人々のそれぞれの心の傷が、優しい魔法で癒やされていく。 ささやかな出会いと別れの中、心に寄り添い、そっと明かりを灯す奇跡たち。 荒涼とした時代に、あなたの心へ、今、いちばん届けたい希望の物語。 これは、村山早紀史上、最愛の祈り―― 誰かのための真摯な祈りが「優しい奇跡」を連れてくる。 愛に包まれた全5話、珠玉の短編集!
  • ダキョウソウ
    4.6
    1巻1,980円 (税込)
    「なんなんだ、これは!」想像力の限界の斜め上を突っ走る物語20編。街裏ぴんく(R-1グランプリ2024王者)、大島育宙(XXCLUB)、永井玲衣(哲学者)らが大絶賛!! 第一作品集『ずっと喪』において、Aマッソ加納愛子に「舞台袖で他の芸人のネタ見て思う『やられた』って気持ちが全編続いて最悪だった!」と言わしめた鬼才が放つ、待望の第二作品集!
  • 11月そして12月
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    22歳の初恋、永遠の2か月―― 高校も大学も中退したぼくは、カメラを手に都会の生き物を撮り歩いている。退屈な人と言われ続けた22年の人生は、少し生意気な明夜と出会った頃から変わりはじめた。 父親の不倫、姉の自殺未遂、そして「明夜とは二度と関わるな」という男の出現――。続発するトラブルと背景にある真実に触れた主人公・柿郎が、確かな一歩を踏み出していくまでの2か月を鮮やかに描いた、ほろ苦くも爽やかな青春恋愛小説。 ゲームクリエイター・小島秀夫氏、推薦! 『ぼくと、ぼくらの夏』など、数々の傑作青春ミステリーを残し、惜しまれつつ亡くなった著者のリリカルな青春ストーリー。
  • ちゃっけがいる移動図書館
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    「ちゃっけさん、初めまして」 小田桐実、三十五歳。 図書館に非正規職員として勤務。 将来の夢はない、貯金もない、結婚もできない。 そんな、ないない尽くしの毎日が、子犬を拾った日から激変する!? 青森×図書館×可愛いわんこの感動物語!
  • あの空の色がほしい
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    お絵描きが大好きなマコは小学四年生。ある日、風変わりな家に住む、近所で変人と噂される芸術家に、絵を習いたいと頼み込むが !? 二人の奇妙な交流を描く落合恵子さん絶賛の感動小説! ※紙書籍に掲載されている本文中のイラストは、本電子書籍版には収録されておりません。
  • 奇蹟のピアニスト フジコ・ヘミングのことば エンジェルはそばにいる
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    2024年4月21日にピアニストのフジコ・ヘミングさんが永眠されました。幼い頃から才能を発揮し、高く評価されていたにもかかわらず、不遇の時代をすごしてきた天才ピアニスト。 激動の時代を乗り越え、ピアノとともに壮絶な人生を歩んできたフジコさん。彼女が語った多くの言葉はたくさんの人の気持ちを楽にさせ、励ます、優しくて強いメッセージばかりです。 本書では、写真とともにフジコ・ヘミングさんを振り返り、彼女の残した言葉に焦点をあてました。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 月とコーヒー
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    人気作家が腕によりをかけて紡いだ、 24篇の「とっておきのお話」。 生きていくためには 必要ではないかもしれない。 でも、日常を繰り返していくためには はならないものたち。 喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。 世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。 映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。 トランプから抜け出してきたジョーカー。 赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。 三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使。 終わりの風景が見える眼鏡──。 全作品、原稿用紙10枚程度。 寝る前の5分間、この本をめくってみてください。 必ずお気に入りの1篇が見つかるはずです。
  • 町なか番外地
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    マッチングアプリで知り合った二人目と別れたばかりの佐野朋香。妻とも娘ともうまくいかず、仕事も行き詰まる片山達児。むかしの仲間を若くして喪った青井千草。後輩の陰口にショックを受けて会社を辞め、半年が過ぎた新川剣矢――。平凡な暮らしが揺れ始め、岐路に立つ四人。小さなアパートの住人たちが紡ぐ愛しい日々の物語。
  • 羅刹国通信
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    叔父を殺したことは固く秘しておくべきだった。自殺するなんてと母が泣き続けるものだから、本当はわたしが崖から突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との同居に疲弊する家族のために、小学六年生の左右田理恵(そうだりえ)は叔父を殺した。その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める「鬼」の集団。かれらは二つの勢力に分かたれ争い殺し合う――その法則を理恵に教えたのは、同じ夢を共有する一人の少年だった。鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。/【目次】羅刹国通信/続羅刹国報/続々羅刹国――雨の章――/続々羅刹国――夜の章――/解説=春日武彦/津原国通信=北原尚彦
  • 海を覗く
    3.2
    1巻1,980円 (税込)
    海を見た人間が死を夢想するように、速水圭一は北条司に美を思い描いた。高校二年の春、同じクラスの北条の「美」の虜になった美術部の速水は、彼の肖像画を描き始めた。二人の仲は深まっていくが、夏休みのある出来事が速水の心を打ち砕き――少年の耽美と絶望を端正かつ流麗な文体で描き、選考会でも激論を呼んだ話題作。
  • 小田くん家は南部せんべい店
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    絶賛の声続々! 幸せとはこういう日常が続いていく事なのかもしれない。 (有隣堂町田モディ店 原田明美さん) 伝統の南部せんべい店を営む一家の心優しい人間ドラマに、全身がぽかぽかと温かくなりました。 (紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん) 家族のこと、友達のこと、生死や、家業のこと。それらを見つめ、考え、少しずつ自分なりに気付き成長していく弘毅の姿に、大人の私も新鮮な気持ちを取り戻していくようでした。 (東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん) 激動の日本を優しく癒してくれる格好の特効薬になるのかも。 (テレビ東京 深谷守さん) 「さあ、焼くぞ。大切な人のために、そして自分のために」 青森県の片田舎にある「小田せんべい店」。小学四年生の弘毅は嫌だった。課外授業でクラスのみんなが家に来ることになったのだ。南部せんべいなんか、バカにされるに決まってる。しかし当日、不登校の同級生・潤が来たことで弘毅は南部せんべいを焼くことになり……。六十九年間せんべい一筋の祖父・よっしーを始め、家族みんなに見守られて弘毅は少しずつ大人になっていく。 ひと口かじると涙がほろり あなたの心を優しく癒すぽかぽか家族小説 【著者コメント】 青森県の片田舎で南部せんべい店を営む六人家族の物語です。 南部せんべいは、青森県南から岩手県にかけて昔から食べ続けられてきました。今ではピーナツやゴマを混ぜ込んだり、クッキーっぽく焼いたりしていますが、基本は、塩と小麦粉と重曹のみの素朴で真っ白な塩味のせんべいです。飽きがきません。鉄型にはさんでサクサクに焼き上げます。特徴的なのが耳。型からはみ出た部分を耳と呼び、地元では人気があります。 南部せんべいのように飽きがこずに、いつまでも続いていきそうな小田せんべい店の泣いたり笑ったりの日常。一つの家族の在り方と、伝統食の行く末、友情、少年の健やかな成長を見守っていただけましたら幸いです。 【目次】 一章 せんべい焼き窯の熱 二章 甘く香ばしいチョコクランチの冬 三章 飴と耳と、手紙 四章 薄胡麻と白 五章 せんべい型
  • 錠剤F
    3.4
    ひとは、「独り」から逃れられない。 著者史上最もグロテスクで怖い10の物語から成る、最高精度の短編小説集。 バイト先のコンビニに現れた女から、青年は「ある頼みごと」をされて――「ぴぴぴーズ」 男を溺れさせる、そんな自分の身体にすがって生きるしかない女は――「みみず」 刺繍作家の女は、二十数年ともに暮らした夫の黒い過去を知ってしまい――「刺繍の本棚」女たちは連れ立って、「ドクターF」と名乗る男との待ち合わせに向かうが――「錠剤F」 ……ほか、あなたの孤独を掘り起こす短編10作を収録!
  • バイバイ、サンタクロース~麻坂家の双子探偵~
    3.4
    1巻1,980円 (税込)
    「本格シーンの次世代を担う逸材だ。確かな論理と刺激的な結末をご堪能あれ!」(東川篤哉)/「彼が狙っているのは強行突破だ。しかし、そこにこそ快楽がある。」(石持浅海)/この謎を解いたら、もう子どもではいられない。Z世代による、これが本格ミステリのネクストステージ!
  • 仕事のためには生きてない
    4.0
    『ミカゲ食品は「スマイルコンプライアンス」の精神で、信頼回復に努めてまいります』 異物混入騒動への社長の発言が炎上した翌日、35歳の多治見勇吉は、〈スマイルコンプライアンス準備室〉に異動となる。実体不明の社長の言葉を形にしろというのだ。 社長に忖度する役員の無茶ブリ、会議のための会議、終わらぬ資料作り。趣味のバンド活動が最優先だった勇吉も、仕事漬けの毎日に。そんな中、バンド仲間が余命宣告を受ける。 「自分はどうして、こんなに働いているのだろう」 よりよく働ける職場を目指し、勇吉の奮闘が始まる。
  • 4アウト ある障害者野球チームの挑戦
    5.0
    1巻1,980円 (税込)
    3アウトをくらっても、またやりなおせる――。 実話をベースにした、奇跡の大逆転の物語! ―逆境に立ち向かう、すべての人へ― 「バカヤロウ、野球ができるやつはみんな、弱者なんかじゃねえ」。熱血監督のもと結成された弱小の障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」。勤務先の事故で利き腕を切断、脳梗塞で半身不随、水頭症による歩行困難……諦め、挫折、敗北をくりかえしてきた男たちが、野球や仲間を通して自信と希望をとりもどし、「障害者野球リーグ」日本一を目指す。そして奇跡の瞬間が――。
  • マンション フォンティーヌ
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    『東京バンドワゴン』シリーズの著者が贈る 住むと幸せになれる不思議な〈場所〉? 30年居つく教授、空手の有段者、DV夫から逃げたシングルマザー。 ワケあり住人と強面の管理人で繰り広げられる心温まる人間ドラマ! 小説家になった羽見晃が入居を決めたのは、墨田区鐘ヶ渕にある築60年、 2階建ての〈マンション フォンティーヌ〉だった。 真っ白いアーチの入口、中庭には噴水と少女像、花壇もあって、フランスにありそうな建物。 管理人の嶌谷さんの腕には本物の入れ墨があったり、大家のリア―ヌさんは78歳のフランス人だったり色々変わっている。 30年もいる教授や生まれた国を追われたハーフの男性とかワケありの人が多く住んでいるけれど、みんな優しくて仲がいい。 ガーデンパーティ中、3号室の三科さんが元DV夫から追われていることを知り、 住人たちで役割分担して守ることに。 でも同時に、思わぬ人物がマンションを訪れていて……。
  • ヨルノヒカリ
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    いとや手芸用品店を営む木綿子は、35歳になった今も恋人がいたことがない。台風の日に従業員募集の張り紙を見て、住み込みで働くことになった28歳の光は、母親が家を出て以来“普通の生活”をしたことがない。そんな男女2人がひとつ屋根の下で暮らし始めたから、周囲の人たちは当然付き合っていると思うが……。不器用な大人たちの“ままならなさ”を救う、ちいさな勇気と希望の物語。

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