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Posted by ブクログ
ものすごく重い話を読んだなぁ、と...
重厚で読み応え抜群な上、読み終わった後の余韻というか心に残る爪痕がやばいというか...
見える世界が変わったような感覚に陥っています
本作を一言で表すと、1人の仏僧が仏教界の天下を取るまでのお話です
仏教界隈ってこんな感じなんですね...めっちゃイメージが変わりました、悪い意味で笑
闇社会との切っても切れない縁とか金と利権問題とか富と名声とか、本当にドロドロぐちゃぐちゃした世界でした
それが宗教の名のもとに行われているのだから恐ろしいったらありゃしない笑笑
宗教ってやっぱり怖すぎる!
終盤の、全てを手に入れたはずの手のひらから本当に大切なものがボロボロこぼれ落ちていく様は圧巻でした
凄かったです...これは心に残る作品でした
Posted by ブクログ
さすが月村了衛といった作品。
宗教団体の末端の立場にあった凌玄が、一つの案件の裏を探ったことで上から潰されそうになる。
そこに目をつけた京都の闇社会のフィクサーである
和久良に引き込まれ、暴力団組織の若頭と共に悪事に手を染めていく。
初めは仏教を救うため、自身の窮地のために悪事に
加担していき、どんどんと組織の上部に出世してい
く。
関東圏の暴力団組織からも目をつけられるが、持ちまいの口の巧さや根回しでトラブルを回避する
二部では、時が過ぎて廃寺で仏像が何者かに盗まれる事件が起こり、凌玄の立場が怪しくなる
凌玄がだんだんと変わっていく描写がリアルに描かれていく
この手の物語は、決して主人公に共感できないが
顛末が気になって仕方がない
ラストの凌玄の心境が、小説のタイトルと合致した。
宗教法人の中身を知れただけでもためになった作品!
Posted by ブクログ
登場人物は皆例外なく、己の信ずるものに固執して、呑まれていく。その時、眼前に広がるは仏の悟りか虚仮の世界か。
著者の月村了衛のインタビューでは以下のようにある。
信仰心ではなく、それぞれの信じるものを信じ、それに呑まれ、堕ちてゆく人間を描きたかった。凌玄にとっての仏教が、氷室の経済であり、和久良の出自なんです。自戒も込めてつくづく思うのは、人間には“見たいものしか見ない”愚かさがあるということ。人間関係でも、政治や社会でも、自分の欲や願望を投影して相手を見ているに過ぎない。そんな思いがタイトルの“虚”に繋がったのかもしれません。
最終的に誰も勝者とはならず、虚しさの残る読後感でした。ただ、凌玄はなんやかんや上手いことやっていくんだろうなあ。
Posted by ブクログ
時は昭和末期。
京都最大の仏教宗派の寺にいる、滋賀の貧乏寺の息子。理想を高く掲げ、仏の教えをひたすら信じて信仰に邁進していたのが、ひょんなことから、京都のフィクサーと知り合い、ヤクザ、市役所の闇の存在を巻き込んで、あくまで仏の教えのためと、金と権謀術数を使って突き進んだ先には…
という、まぁよくある話ですよね。
とはいえ、やはり月村了衛の上手さは、どの作品にも虚無感が付き纏うところかと。
仲間を切り捨て、仏教の教えを都合よく解釈して登っていった先にあったのは…。
ストーリーはラストまでわりと凡庸。
そして登場人物に「そんな策思いもしませんでしたわ!」と言わせることで凄まじいアイデアのように見せてることも、そこまで大したこともない。
なのに、面白い。
何故なんだろな。それが月村了衛の魅力。
本作は特に、自分に都合よく言い訳の時に使う仏教の教えの自己解釈。
高僧だって、皆、欲にまみれてて、自分に都合よく仏典の教えを解釈して、人を煙に巻くために仏教用語を使う。
好き。
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