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Posted by ブクログ
雨の日にも、
光を信じる人へ。
・・・と最初にある。
『光雨往来』というタイトルもとても良い。
雨粒に光が当たって、キラキラと輝いている様子が見えるようだ。その後ではきっと虹も出るのだろう。
漢字って、素晴らしいと思う。
たった一文字で意味がある。中にはいくつも意味を持つものもある。
中国から頂いたもので、その後日本で作られた漢字もあるけれど、文字を共有できているのはうれしいことだ。
しかし、「日本人は中国語を話そうとすると、日本語の読みに引きずられてしまう」というのが、登場人物たちの共通した悩みでもある。
身体的に、精神的に大変なことがあったり、仕事がうまく行かなかったりで、心に穴が空いてしまった人、疲れてしまった人たちは、光を求めて台湾へ行く。
そこで人と出会い、一杯のお茶と出会い、癒されていく。
体が癒されると、大切なことに気づく力がよみがえってくる。
最初の【光を飲む】は、水原凪(みずはら なぎ)と台湾のお茶屋さんの娘・ノノの友情のお話で、最後の【光をほどく】につながって、一冊の短編集を大きくまとめている。
【神様のお粥】の、小さい神様・メイメイと、いつもお参りに来てくれる女の子・小莉(シアオリー)のお話がとても可愛くていい。
【猫猫馬馬虎虎(マオマオマーマーフーフー)】は、人間関係に疲れてしまって適応障害で休職した・長谷川眞朱(はせがわ ましゅ)が、猫のお世話係りとして泊めてもらった部屋で、猫のお世話をしながら語学学校に通うお話。猫の冰友(びんよう)が眞朱を観察しているモノローグが不思議で、猫の目を通して部屋の中を見ている気分になる。
一番好きなお話は【ペトリコール】、雨の日にしかたどり着けない郵便局のお話。実は、台湾と日本の過去においてのつらい真実もからんでいるのだけれど、台湾が大好きで何冊も本を出しているという池澤さんは、光だけでなく影の部分もしっかりと読者に示していく。この、小説家と青鳥さんのお話は、シリーズになったらいいなあ、などと思う。
初読みでしたが、池澤春菜さん、とても良かった。
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