水平線

水平線

2,750円 (税込)

13pt

祖父母の故郷・硫黄島を墓参で訪れたことがある妹に、見知らぬ男から電話がかかってきた頃、兄は不思議なメールに導かれ船に乗った。戦争による疎開で島を出た祖父母たちの人生と、激戦地となった島に残された人々の運命。もういない彼らの言葉が、今も隆起し続ける島から、波に乗ってやってくルルル――時を超えた魂の交流を描く。

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水平線 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年11月20日

    時系列と語り手が移り変わるので、最初は戸惑うが、惹き込まれて読んだ。硫黄島、父島の戦中戦後の家族の物語。現代を生きる孫世代との謎の交信が不自然でなく描かれ、謎への興味に引っ張られて読めた。
    硫黄島に米軍が上陸して戦場となっていたことを初めて知ったし、そもそも島の存在を知らなかった。内地に引揚げる家族...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月27日

    夏の季節に読めて良かったです。複数の本を同時並行で読み進める癖があるから、読み終わるのに1ヶ月くらいかかってしまったけど。
    たとえば長い一日などで感じた、日常の中の些細なことの自分・他者の拡がりや、茄子の輝きで感じた、過去の自分の記憶の漂いみたいな、滝口さんの哲学たちが、時間軸や物理的にも拡張された...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月24日

    好きな滝口悠生さんの長編小説。文章がいい。「これは対話と呼ぶに足ル、と重ルは思っていル。」 ここ好き。
    いつもの軽妙で誠実な語り口から広がる世界。過去と今、未来。現実と空想、縦横無尽。
    硫黄島で生活していた人たちは私の頭の中にいるし私の頭の中からどこかへ呼びかけている。

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    Posted by ブクログ 2023年03月21日

    とても読みでのある小説だった。読書好きの人には勧めたい本。
    長いし、わりと時間はかかるのだが、どんどんページをめくっていきたくなる小説。
    時空を超えたり、死者が語ったりするのはどちらかというと苦手なのだが、全く違和感なく、そんなこともあるだろうよみたいな感じで読めた。

    硫黄島に人が住んでいたのは、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月21日

    太平洋戦争の激戦地、硫黄島を巡る物語。人々の声が現代に届く。水平線っていう言葉の響きが歌のように体の中を通り抜けていく。

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    Posted by ブクログ 2022年09月03日

    太平洋戦争末期と現代。
    物語は時空を行き来しながら進む。
    70年以上の時間を隔てた人物から届く電話、メール。
    今を生きる若者が導かれるように縁ある地に足を運ぶ。
    不思議な物語。だが、この構成だからこそ強く伝わるメッセージが確かにある。
    これまでの滝口作品とは一線を画す作品。
    傑作。

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    Posted by ブクログ 2023年04月30日

    硫黄島の島民の記録を軸に,敗戦前に疎開した人々とその家族を少しオカルト交えて描いている.そして軍隊に徴用された人々が全員死んだ事実には,改めて胸が塞がれる思いがする.硫黄島からの疎開者の孫である来未に死んだはずの祖父の弟忍からかかってくる電話と横多兄に行方不明の祖母の妹からのメール.夢ではなく現実に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月24日

    クリント・イーストウッドの映画で有名になった硫黄島。戦前は住民がいたなんて知らなかった。

    硫黄島に残り亡くなった家族、そして本土に疎開して生き残った家族とその子孫の物語。リアリズム小説なら並行世界的に描かれるところだが、この小説では超常現象的に両者が交わり、そしてそれはとても自然に書かれる。またリ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月27日

    なかなかの力作!
    うん?誰のパートだ?と最初は戸惑うが、人物像がはっきりしてくるとすぐに自分の頭も切り替わる。こんなファンタジーもありだと思う。知り得ぬ世界のことに思いを馳せて心を通わせていくところが良い。秋山くんと西武の秋山の話をするくだりがほのぼのしていて好き。

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    Posted by ブクログ 2022年08月23日

    1982年生まれの作家が、生まれる40年近く前の戦争を描くには、相当な覚悟も根性も要ったのではないか。2020年の感染症が広がりオリンピックがどうかという現代に生きる来未たちと、その60年前を生きる忍ら。

    中上健次を思い出すようでもあり、『想像ラジオ』や『フィールド・オブ・ドリームス』を思い出すよ...続きを読む

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