死んでいない者

死んでいない者

743円 (税込)

3pt

通夜が奇跡の一夜に。芥川賞受賞作

ある秋の日、大往生を遂げた男の通夜に親戚たちが集った。
子、孫、ひ孫三十人あまり。
縁者同士の一夜の何気ないふるまいが、死と生をめぐる一人一人の思考と記憶を呼び起こし、
重なり合う生の断片の中から、永遠の時間が現出する。

「傑作」と評された第154回芥川賞受賞作に、単行本未収録作「夜曲」を加える。

解説・津村記久子

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死んでいない者 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月16日

    面白い、どんどんおもしろくなっていく。
    葬式で集まる家族って、名前はしってるけどどんな人か知らない、死んだ人によって繋がってる関係、不思議な関係だよなあ。
    美之の存在がいいし、従兄弟たちが酔っ払って行って深夜になっていって、不穏な感じと清々しい感じのバランスが読んだことない感じ。

    0

    Posted by ブクログ 2023年09月11日

    当たり前のことだけど、人間ひとりひとりにそれぞれの思考があって。当たり前のことすぎて忘れがちだけど、ぜったいに忘れてはいけないことだとおもった。ひとの考えていることを知るのはたのしい 

    たばこの煙や水の流れにそって揺蕩う記憶たち。うつくしいです...

    0

    Posted by ブクログ 2023年05月24日

    ある老人の通夜に集まった30人近くの遺族。彼らの間を語り手を次々と変えながら物語が進む。時には今誰が語り手なのか判らなくなることも。其々の語り手に憑依しながら物語の世界を漂っている様な不思議な感覚に陥った。

    0
    購入済み

    新たな光で照らす「生」

    2023年03月29日

    ヒトは、抗うことの出来ない結末に向かい、為す術もなく生きて行く。
    そこには本来、物語は無いが、すべてを擬人化してしまう私たちは、物語を作り続ける。
    他人事のように日常は進んで行く。

    0

    Posted by ブクログ 2022年02月19日

    最初は、ある一族の人たちが
    お通夜の1日にあったこと思ったことを
    ダラダラ書いているだけだと思った。
    しかし頑張って読み進めていくうちに
    不思議な気分になってきた。
    読みながら自分の経験したいろんなことを
    思い出す。
    すごく芥川賞っぽい小説だと思う。

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月17日

    わぁこの作家は私と同い年なのか。
    はじめて読んだけど、めっちゃ書きたい内容だった。

    前情報なく手に取って、
    通夜の親戚の集まりを描いてるとわかってかなり身構えた。
    私自身地方の出身で親戚付き合いが濃いもので、
    自分の中の強固なリアリティがあるものだから
    嘘っぽさとかがあると途端に引いてしまうだろう...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年03月12日

    「通夜」という一枚の黒々した布に、その製作過程あるいは身に纏ったことのある人々が様々な角度から手を伸ばしている様を連想した。あらすじと呼べるあらすじも全然なくただ「死者」と残された様々な年齢・立場・関係・人となりを持つ親戚たちが死という一つの出来事に対して、それぞれ淡々と向き合っている。ごく自然に視...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年07月24日

    うわ!これ!大好きです!!!!語りは幽霊のように人びとの思考と記憶を辿り、それは声も身体も超えて、時間を自在に伸縮させる。そのなかで忘れがたく描かれる機微の愛しさ。敦賀の砂だったか石だったかのところかなり好き(好きといいながら砂だか石だかおぼえていないのだからまるで信用がならない)。

    0

    Posted by ブクログ 2023年09月17日

    私は親戚付き合いがとにかく嫌いで、もう何年も集まりに参加してないし会ってもない。
    本書は私がそうやって嫌厭してる「親戚たち」それぞれに人生があり、思考があり、血の繋がりへの向き合い方があることを気づかせてくれた。

    0

    Posted by ブクログ 2023年05月07日

    滝口さん二作目。
    茄子の輝きの、1話目のお茶汲み係を頑張って決める話くらい、第三者にわからせようとしていない、いや、正直そこはどうだっていい、それよりも、そんなことを整理したり考えている時間そのものの尊さを考えさせられる、不思議さ。
    カギカッコを使わない冗長的な、客観的に影響を受けて動かされる感情の...続きを読む

    0

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