感情タグBEST3
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面白い、どんどんおもしろくなっていく。
葬式で集まる家族って、名前はしってるけどどんな人か知らない、死んだ人によって繋がってる関係、不思議な関係だよなあ。
美之の存在がいいし、従兄弟たちが酔っ払って行って深夜になっていって、不穏な感じと清々しい感じのバランスが読んだことない感じ。
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当たり前のことだけど、人間ひとりひとりにそれぞれの思考があって。当たり前のことすぎて忘れがちだけど、ぜったいに忘れてはいけないことだとおもった。ひとの考えていることを知るのはたのしい
たばこの煙や水の流れにそって揺蕩う記憶たち。うつくしいです...
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ある老人の通夜に集まった30人近くの遺族。彼らの間を語り手を次々と変えながら物語が進む。時には今誰が語り手なのか判らなくなることも。其々の語り手に憑依しながら物語の世界を漂っている様な不思議な感覚に陥った。
新たな光で照らす「生」
ヒトは、抗うことの出来ない結末に向かい、為す術もなく生きて行く。
そこには本来、物語は無いが、すべてを擬人化してしまう私たちは、物語を作り続ける。
他人事のように日常は進んで行く。
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最初は、ある一族の人たちが
お通夜の1日にあったこと思ったことを
ダラダラ書いているだけだと思った。
しかし頑張って読み進めていくうちに
不思議な気分になってきた。
読みながら自分の経験したいろんなことを
思い出す。
すごく芥川賞っぽい小説だと思う。
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わぁこの作家は私と同い年なのか。
はじめて読んだけど、めっちゃ書きたい内容だった。
前情報なく手に取って、
通夜の親戚の集まりを描いてるとわかってかなり身構えた。
私自身地方の出身で親戚付き合いが濃いもので、
自分の中の強固なリアリティがあるものだから
嘘っぽさとかがあると途端に引いてしまうだろうなと。
でも今作はそんな自分を次第にほぐして行って、
最終的にはなかなか遠くまで連れて行かれた。
まるで線香の煙のようにたゆたいながら
何人もの親戚たちの内側に入り込んでは
この親戚たちの関係性や複雑な思いを描きつつ、
型にはまらぬ家族のあり方をいくつも提示する。
特に後半はかなりドライブしてくる感覚があり、
フォークナーかと思うような流れる思考。
しかも死者と生者を巻き込んだ架空の会話が
そもそも鉤括弧使わない中に自然に挿入され、
鐘の音や歌やエンジン音とともに混沌としたまま
夜空へと消えていくような終わり方。
他の作品も読まざるを得ないね。
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「通夜」という一枚の黒々した布に、その製作過程あるいは身に纏ったことのある人々が様々な角度から手を伸ばしている様を連想した。あらすじと呼べるあらすじも全然なくただ「死者」と残された様々な年齢・立場・関係・人となりを持つ親戚たちが死という一つの出来事に対して、それぞれ淡々と向き合っている。ごく自然に視点が入れ替わり、そこに章分けやカッコ書きなどの心内語と実際に口に出された言葉を分かつ明確なものは存在しない。時間軸もするりと別のところに飛んで行く。文体や進み方は一見奇妙だが、死という究極の非日常が根底にあるその場にしかないリズムが確実に存在する。そんな究極の非日常を描いておきながら、案外「現実」ってこういう流れ方をするよね、人の心ってこういう動き方をするよね、というのを最もリアリスティックに書き起こしたら結果的にこうなった、という印象があった。
登場人物が多過ぎるのも、かつ彼らの経歴や血縁関係について説明を繰り返しながら全員が面倒臭くなっていくのも、確かに滅多に会わない親戚一同の集い(それも宴会とか結婚式とかと違って、あまりプラスの感情を持ち寄らない負の集い)って、そういうドライなところがある。「死」に対峙した夜なわけだから本来身内ほどウェットにならなきゃいけないのに、結局自分たちのいる「生」側の世界の煩わしさにかまけて、かつ「非存在」の話ばかりする(死者とか、行方不明になった寛とか)。そういう奇妙かつ繊細な日常の「何か」を、この小説はこれまた奇妙なやり方でピックアップしている。そんなふうに思う。
それにしても、何かに吸い寄せられるように相次ぐ夜中の未成年飲酒は何だろう。
こういうのって、「合う人」「合わない人」いるだろうな〜!賛否両論が予想されそうだけど、すごくよかった!
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うわ!これ!大好きです!!!!語りは幽霊のように人びとの思考と記憶を辿り、それは声も身体も超えて、時間を自在に伸縮させる。そのなかで忘れがたく描かれる機微の愛しさ。敦賀の砂だったか石だったかのところかなり好き(好きといいながら砂だか石だかおぼえていないのだからまるで信用がならない)。
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私は親戚付き合いがとにかく嫌いで、もう何年も集まりに参加してないし会ってもない。
本書は私がそうやって嫌厭してる「親戚たち」それぞれに人生があり、思考があり、血の繋がりへの向き合い方があることを気づかせてくれた。
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滝口さん二作目。
茄子の輝きの、1話目のお茶汲み係を頑張って決める話くらい、第三者にわからせようとしていない、いや、正直そこはどうだっていい、それよりも、そんなことを整理したり考えている時間そのものの尊さを考えさせられる、不思議さ。
カギカッコを使わない冗長的な、客観的に影響を受けて動かされる感情のない情景。
忘れることと、忘れていないことの間のような、思い出すことと思い出さないことの間のような、死んでいない者と死んでいる者の間のような。
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死んでいない者 滝口悠生
ある親族の通夜を描いた作品。
親族が多い一族であり、お互いのことを詳細に把握している訳ではない。そうした関係の者が通夜の1日を共に過ごす中で、お互いがお互いに対して思っていること、思ってきたことを想起している様が描かれている。
差して何かイベントが起きるわけではない。通夜という非日常を日常的に描写しているように感じられた。
祖父の死を契機に当刊行物の読書に入った
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ある通夜から紡ぎ出す、死んでいない者たちが、故人を送る時に、何を感じるのか。死んでいない者たちの様々なストーリーが紡がれていく。
芥川賞を受賞した著者の代表作です。
登場人物が多いので、頭の中で整理するのが難しかったです。解説で、津村記久子さんが、「こんな大きな小説は読んだことがない。」と、言われていたので、ストーリーの壮大さと、親族間の人間関係にも注目してほしいです。誰にでも訪れる死、死を迎えた人と、迎える人たちの厳かな濃密な1日を、感じてほしいです。
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一人の老人が亡くなりその葬儀に集まった親族達の様子を、それぞれの視点で何気ない一言や頭の中で考えていることが次々と描写されていく短編小説。
登場人物達自身も、葬式の場で久しぶりに会う面々でお互いに「誰の家族か、何て名前だったか」という状態のため、次々と視点の主が変わるので「今、誰が話の主なのか」が時折混乱してくる。しかしそこで描写される情景は、何気ない過去の記憶(なのになぜか良く覚えている)に飛んだり、発した言葉の一瞬のうちによぎった思いだったりが巧く表現されていて、「こんな感覚、たまにあるよなあ」と思わされる。
特に大きな事件が起こるわけでもない。全体的にゆったりと時が流れて行く話だが、そんな「たまにある感覚」を妙に楽しめる小説だった。
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20220814
お盆の帰省の時期に読んだのがちょうどよかった。
テレサ・テン 時の流れに身をまかせ
親戚にはいろんな人がいるし、家族と同じで選べない。
ただ、距離を置こうと思えば置ける。
小さい頃からお互いを知ってるし、少しだけど変化するときの前兆もわかるはず。
相関図見ながら読んだ方がいい。
おじいちゃんと最後暮らした美之、兄弟知花との関係もいいし、いろいろ考えさせられる。
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この作家の本を読むのは4冊目。若い世代の男性作家をあまり読まないのだが、『長い一日』がとても良かったし、これからどんな小説が読めるのか、楽しみだ。
亡くなった高齢の男性の一族が通夜に集まる、一夜の群像劇っぽい話。
でも描かれるのは、子供から孫にいたる多数の人々の内面と記憶、それが一夜の行動の中で代わる代わる書かれるだけなので、これを群像劇と読んで良いのか、分からない。
世間的には引きこもりと思われる孫と祖父(この話の中心である死者)の関わりが関係性としては一番重厚そうで意味があるように思うのだが、それは具体的には記されない。それぞれの想像を駆してまで書かれる部分と、まったく書かれない部分の区別が面白い。
失踪していて実際の場面には出て来ない人物の内面の吐露もあったりして、独特の表現は『長い一日』とも親和性を感じた。
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通夜に集まった親類たちの一晩をそこに参加する一人一人の視点で、交錯する想いを描いている。たった一晩だが、人々の想いを重ね合わせてゆくと、徐々に重厚になってゆく。なかなか楽しめる一冊。
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死んで、居ない者 と 死んでいない=生者 のダブルミーニングのタイトルがぴったりだなぁと思った。
大往生し子や孫が多かったある老人の通夜の後。身内だけが居残っていて、特に悲しみも感傷もなく飲んだり会話したりしている。
その光景は自分の記憶のようにはっきりと目に浮かぶ。
何も起きないがところどころにわずかなささくれがある。
終始まったくシチュエーションは変わらず時間もほとんど進まない。
なんというか、不思議な読後感だった。
同時収録の「夜曲」もとあるスナックのとある時間帯で終始し、ところどころにわずかなささくれがある。この作家のスタイルなのだろう。
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絶妙である。
お祖父さんが死んで、その葬式の一夜の話なのだが、その子、孫、ひ孫の様子や側面を少しずつ描いていき、一族の全体像が見えてくる。
みんな本当は全然別の考えを持つ他人なのに、家族という雑な枠組みで集まってくる異様さ。
葬式という厳粛な場だけど、非日常の祝祭感もある。
爽やかさもある。
こういう面白さがほんわか感じられるのが良い。
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芥川賞受賞作文庫化ってことで購入。故人を偲ぶ通夜や葬式の場で、遺されたもの=死んでいないものたちの様々な思いが、時間的・空間的自由に書き綴られる。で、個人的には読みながら頭に浮かんでいたのは、いつか読んだ古井作『仮往生~』。識者からすると、褒め過ぎっていうことになるのかも知らんけど、私はむしろ本作の方を好もしく思いながら読んだ。それでも、大好きまではいかないけど。
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人称を消すことで、小説が成り立つのか?乱暴に言えば、そういう実験が成功している。
一番単純な例は、いわゆる会話文、回想文の主体が明示されないことによって、小説世界は読者の「ぼく」の頭の中に、他人事でない様相でひろがっていく。その感じがとてもいい。「意識」や「記憶」、生きていることの時間感覚の浮かび上がらせ方は、今までになかった新しさ、いや、大げさに言えば「失われた時」を求める小説本来の方向を真摯に描こうとする作家の意志が感じられて感心した。
作品の後半にクローズアップされている美之と知佳の兄妹のエピソードの描写の「まっとうさ」の中に、作家の世界観の「まっとうさ」があり、鶴見俊輔のいう「お守り的ことば」の使用になれた世界に対する痛烈な批判でもあることに、胸がすく思いがした。拍手。
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残された者たちの過去と現在が、取り止めのない会話と脳内思考で流れていく。いろんな人の脳内を覗き見て、高みの見物。カオスだけどありそうでなかった文体。
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ある老人の葬式に集まった有象無象の親戚達。
何が起こる訳ではないけど、顔も良く覚えていない親戚とのなんとも言えないあの独特な空気感。
視点がコロコロ変わっていく手法も、群像劇らしくて良かった。
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祖父のお葬式に集まった、知っているはずだけど知らない人のような親戚たち。
登場人物がやたら多く、理解しきれないまま、各々が、別々の会話をしているワチャワチャ感が押し寄せてくる。
本当にお葬式に行ったかのようで、子どもの頃の記憶の引き出しが勝手に次々に開けられる感じ。読後は人疲れと、なぜか郷愁。
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友人のすすめで滝口氏を知る。
先日手始めに、と読んでみたアイオワ日記がとても良かったので、こちらも読んでみる。
お葬式に集まる、親族たちの世界。
日常と非日常の堺、家族と他人の堺、そういうものを描いた作品で、普段なんとなくみんなが感じることをうまく言葉にしてあるなと思った。
正直なところ、読後感は、うーん、まあ、悪くはなかったが、アイオワ日記のほうが単純に面白かった。
視点がよく動くので、なんのこっちゃと人間関係を把握するので必死だった。ストーリーはあまり無くて、そういう人間関係があり、そのなかで主役不在(故人だから仕方がない)の儀式を行う、厳かなおかしみを描いている。
もちろんこれは、故人に縁者が多く、かつ天寿をまっとうした死に方ゆえの円満お葬式の空気である。
親戚がけっこうたくさんいるなかで、だんだんと年齢と立場が逆点したりして、把握が複雑になる。
その中に2人ほど、集団から外れたメンバーがいたり、葬式でもなけりゃ会わないのが親戚だったり。
親族の絆より、姻族の「縁あってここにいるけど冷静に考えるとなんか不思議だよね感」が連帯しやすかったりする。
ああ、そういう、ね、わかるわかる、となった。
アイオワ日記に書かれたエピソードで、あなたはどうして本を書くの、と聞かれて、滝口氏が、もう存在しないものや時間を残すため、というような答えがあって、まさにこの話だなと思えた。
どうでもいいけど、女子高生の制服のスカートのポケットに、缶ビールなんか入るだろうか?入ったとしてもモソモソしてとても活動できないと思う。それも何度もスカートから出してくるので、そのたびに、えー?と思った。さすがに何本も入れているとは思わないけど。一本出してから、新たに一本入れてると思うけど。一本すら普通は入らないよ。それとも、私の思う制服とは全然別のものなのかな。
…そんなことばかり頭に残ってしまった。
これ、芥川賞だったのか、ちょっと驚き。
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文芸春秋
滝口悠生 「死んでいない者」
芥川賞受賞作を読んでみた
葬祭の場で起きる 故人と親戚の追憶の物語。死から生を問うているようにも読めるし、親戚の滑稽さとしても読める
主人公は誰なのか、話し手は誰なのか 不明のまま、親戚(死んでいない者)が 次から次と出てきて 故人との記憶をたどる展開。私には読みにくいが、玄人好みなのかもしれない
最初の文章〜斎場からお通夜に至る悲しみの感情の変化の描写は見事だと思う。親戚たちについて「血のつながっていない配偶者たちもなぜかどこか似ている」というのも面白い
自分の死について、それがなんなのかさっぱりわからないまま、刻々それに近づいている、あるいは近づかれている〜生きるとは結局その渦中にある連続
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死んでいない者
本文の中でも言われていたが親戚内でのとりとめのない会話がだらっと続いていく内容である
お世辞にも面白いとは言えない話だと思ったが、その場面、背景や心情には抵抗なく入り込めた
登場人物が非常に多く、それぞれ何をするでもなく現れては文章に流されていくのだが、読後に思い返してみると何となくその情景が浮かんでくるから不思議だ
しかし文章力があるのかと問われれば否、だろうか
鉤括弧を使わない会話なども含めて易しい文章のせいかすぐ読み終えてしまったためか、明瞭に記憶に残ることはないが、ふとした時にああ誰でもこんなふうに考えたりするんだろうなあなどと考えるのかも知れない
夜曲
短く読者の解釈の自由度が高いせいだろうか、こちらのほうが個人的に好みである
短さ故、一箇所の描写のみなのが良い
廃れた町に暮らす若いとも老いているとも言えぬ者たちの、これまたとりとめのない会話だが、他愛のない文章が眠りにつく前には丁度よい
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表題作は芥川賞受賞作品
それともう1短編収録
表題作は、死んだ男の通夜に集まった親族たちの
一夜のお話
男の子供たちそのまた子供たちと登場人物は多く
とても把握しきれませんでした
なんてことないお話と思っていますがでもそこに
何かを感じることができるのかもしれない
短編はママさんがやってる飲み屋のお話
ママの過去がちょっと語られるがもっと
深堀してほしかったかも
Posted by ブクログ
語りが移り変わっていくので、色々な人の視点で話が進んでいった
登場人物が多すぎて家系図がないと分からなくなってしまつ
2021/3/21 ★3.0