津原泰水の作品一覧
「津原泰水」の「赤い竪琴」「11 eleven」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「津原泰水」の「赤い竪琴」「11 eleven」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
都市が、夢に侵食されていく――。『バレエ・メカニック』は、そんな予感とともに幕を開ける。
造形家・木根原の娘、理沙は九年前の事故で昏睡状態にある。ある日、東京全体が幻覚に襲われ、現実と夢の境界が崩壊を始めた。巨大な蜘蛛が街を徘徊し、存在し得ない津波が押し寄せ、電子機器は暴走し、モーツァルトの調べが鳴り響く。理沙の主治医であり、異性装の外科医である龍神は、この都市そのものが彼女の脳と化し、壮大な「夢」を見ているのではないかと推測する。本作は、その都市が見る夢の謎をめぐる物語だ。
この作品でまず圧倒されるのは、第一章の筆致だ。シュルレアリスムを小説で描いたらどうなるか、という問いに見事な答えを
Posted by ブクログ
初めて読む時は先が気になって急いで読んでしまうので気づかなかったことが多い。今回はゆっくり読んでいて、読みながら気になったことを調べつつ読み進めた。登場人物たちのハンドルネームは聖司と芹香からきていると思い込んでいたが、スカボロー・フェアの歌詞からであった。この歌を知っているつもりでいたが、ネットで訳詞と解説を読んで『parsley, sage, rosemary and thyme』の意味やこのイギリス民謡の内容に、ああそういうことだったんだと感服した。作者の意図とは全く違うと思うが、偽善やエゴであったにせよ、こういう形の社会貢献をしてみたいと思った。
Posted by ブクログ
面白かったー。
短編集、初めて読む作家さん。
SFだったり、ホラーだったり、戦争ものだったり。
最初の「五色の舟」読んで、あまりの面白さに唸ってしまった。
戦中の日本で、疑似家族を形成し見せ物小屋で生活している異形の人達が、「くだん」に関わることで、運命が動き出すお話。
心がどこにあるのか?というテーマ。解説も面白かったなぁ。
世界線を越えるお話。家族愛のお話。
終わり方がとても好きだった。
幸せな世界線にたどり着いたのに、切ないっていう。
切ない繋がりでいえば、「テルミン嬢」も切ない終わりだった。がっつりSFで。
「土の枕」は風変わり戦争もの。
死の最後の瞬間に、本当の名前に固執する老