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Posted by ブクログ
『バレエ・メカニック』から読みはじめた私としては、津原泰水ってこんな作品も書けるんだーと、ちょっと意外。
まったく毛色が違うけど、すごく好きな作品。
祖母の遺品として出てきた夭折の詩人の日記を孫・耿介に渡しに行く暁子。楽器職人である耿介はお礼に赤い竪琴を渡す。それを自宅に持ち帰る暁子。
翌日、暁子は耿介に恋をしていると気づく。
ここで、暁子と一緒に耿介に恋できるかどうかで、この作品の評価が分かれそうなんだけど、私は耿介の登場から完全に目にハートマークがついてました。
でも、よく読むと、耿介の容姿につてはまったく触れられてないのよ。
なのに、「この人好き」って思えるってどういうこと?
私はそれを、津原泰水の文章力の凄さだと思ってます。
暁子は夭折の作家となにか関係があったのではと思われる祖母との関係を、自分たちの関係になぞらえます。
こういう思い込みも、なんか共感できる。
私もそういう妄想タイプだ。
好きだと思いながら、積極的になれない、線引をしてしまう暁子と、それに呼応したかのように淡白な耿介の他人行儀な関係にイライラしつつもドキドキしてしまう、そんな恋愛小説です。
Posted by ブクログ
気がついたら恋に落ちていた。
相手のことなんてほとんど知らないのに。
直球の恋愛物語。
創元推理文庫から出ている作品だけど、ミステリとしてではなく、恋愛小説として読んだ。
だって、恋愛って多かれ少なかれミステリでしょ。
100%オープンに分かり合っての恋愛って、そもそもあるのかしら?
相手の気持ちがわからない。
自分の気持ちがわからない。
どうしたいのか、どうされたいのか。
何事も生真面目に思いつめるタイプの暁子が、どうしようもなく耿介に惹かれ近づいて行きながらも、なかなか一歩が踏み出せないもどかしさがよい。
一冊まるまるがもどかしいほどの恋うる心。そこがよい。
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