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先の見えない戦時にありながら、見世物小屋の一座として糊口をしのぐ、異形の者たちの家族がいた。未来を言い当てるという怪物「くだん」を一座に加えようとする家族を待つ運命とはーー。津原泰水の傑作幻想短編を、近藤ようこが奇跡の漫画化。月刊コミックビーム2013年8月号~2014年3月号に掲載の全8話を収録。カバー、あとがき(近藤氏、津原氏)は書き下ろし。
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不思議な世界
前半は異形の人達が見世物一座として疑似家族を作っている姿を描いています。 後半はifの世界。 パラレルワールドとか苦手なんだけどこれはすんなり読めました。
Posted by ブクログ
どうしたらいいのだろう、何とも不思議な読後感。 異形の者たちが身を寄せ合い家族となり、見世物となって戦時下を生き抜く。 ひと昔前、世間から隠され、弾かれてきた人たちの哀しさ、強さ。 弱い存在に思えるけど、彼らは逞しい。ただ自分への執着が薄く、家族への愛だけを強く持っている。そんな人たちを見ていると...続きを読む苦しくなるのだ。 五色の舟というタイトルも、五色となった理由含め美しい。 しっくりくる言葉が見つからない。こことは違う未来へと導く「くだん」、一度では無理だ。また何度も読もう。
津村泰水・原作、近藤よう子・漫画。 第二次世界大戦終盤の日本。 不思議な一座が旅をする。 或る者は両脚がなく、或る者は侏儒。或る者は半身を失った片割れで、或る者は関節が逆についた脚を持つ。或る者は両手を持たず、聾唖である。 血のつながらない彼らは「家族」として暮らし、見世物興行で糊口をしのぐ。 彼...続きを読むらの住処は粗末な舟。 ありあわせのとりどりの色の布で覆われた五色の舟に、異形の五人が暮らしていた。 「父」であり、かつての名女形である雪之助は、あるとき、「くだん」の化け物が生まれたという噂を聞く。 人と牛のあいのこであるその化け物は、牛だけれども人の顔を持ち、過去のことも未来のことも、本当のことしか言わない。それを一座に加えて一儲けすれば、皆の生活も安定するだろう。そう決心した父に連れられ、一行は「くだん」を買い付けようと、その地、岩国へと向かう。 「くだん」とは本当に未来を知ることができるものなのか? 彼らは「くだん」を手に入れることができるのだろうか? 予知能力を持つ「くだん」を求めているのは彼らだけではなかった。 もう少しのところで彼らは「くだん」を手に入れそこなうが、聾唖の和郎はちらりと「くだん」を見かける。 その日から、彼は不思議な夢を見るようになる。 幻想的、耽美的な一編である。 「くだん」の持つ不思議な力に導かれ、彼らは「皆が幸せになれる世界」に向かう。 「くだん」が予言した「恐るべき爆弾」は落ちたのか。それとも落ちなかったのか。 此方か、彼方か。 どちらが真実の世界なのか。 すべての業苦から解き放たれた夢のような世界。 しかし襤褸の小舟は追憶の中で五色の光を放つ。 郷愁と妖しさ。夢のような虚しさを秘めた幻想譚。
ヘタウマな雰囲気の漫画でした。荒削りな線が逆に妙にリアルで、とても気持ち悪い。それが良かったのかもしれない。 女性の牛みたいな雰囲気の人がもしかしたら主人公なのかもしれない。
文化庁メディア芸術祭で展示されているものを読み、大きな衝撃を受けた。漫画を読んで、最近ここまで深く心を揺さぶられたことはない。残酷でグロテスク、それでいて優しく甘美。描き込みの少ないあっさりとした絵柄と濃厚すぎる内容との落差が、逆にイマジネーションを刺激する。「優しさに満ちた『少女椿』」のような前半...続きを読むだけでも十分に良いのだが、幻想譚としての色彩が強くなる後半はさらに圧巻。読者自身がどこに「心の置きどころ」を見いだせばいいのか分からぬまま取り残されるようなラストは、これまでに読んだり見たりした幻想作品の中でも屈指のものだ。原作は短編小説らしいが、もはや小説だの漫画などというジャンルを超越した一大芸術。本当に恐るべき作品だ。
なぜ異形のものに惹きつけられてしまうのだろう。目を背けつつ凝視してしまう。憐れみながら嫌悪し、好奇の目を向ける己の醜悪さにいたたまれない気持ちになる。 異形の家族の話。彼らは自身の欠損を生活の糧に替え、戦中の貧しさのなか、したたかに逞しく生きています。しかし残酷な未来を知り、くだんに導かれ別世界へ...続きを読むと旅立つことになる。体の欠損が補わられ、皆が幸せになる世界…。 でもこの幸せがもの哀しく感じられるのです。それは何故なのか?グロテスクなのに美しい物語です。
近藤ようこさんの漫画はいつも幻想的で、線も綺麗で昔から大好きだった。久々にこの人の漫画を読んだ。ノスタルジックな風景に引き込まれ異形な人達が1つの家族として生きていく姿。実際に昔は見世物小屋とかあったみたいだし、私の子供の頃もそんな話を聞いた事があり、自分の中のノスタルジアに触れ、何処か読んでいて懐...続きを読むかしさを感じた。くだんの話は、聞いたら死ぬって言われる怪談で聞いた事がある。漫画の中の、くだんは優しい目をしていた。何もかも知り尽くした人の目は諦めの目になるのかも。
せつなくて不思議でグロテスクで懐かしくて、得られた世間的な幸せや日常の平穏の向こう側にある舟に涙した。
平成26年度第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞作品。 近藤ようこが、津原泰水の短編を下敷きにマンガ化した作品。美しく哀しい幻想譚として見事に結晶化されている。鈴木清順監督の映画『ツィゴイネルワイゼン』を思い出してしまったのは、異形の旅芸人が登場する、幻想的な作品であったからだろうか。...続きを読む 異形という存在は、懐かしさを呼び起こし、見る者を神話的な世界へと誘う。戦前から戦後間もない時期までは、たしかに、そんな人たちが芸を見せながら旅をしていた。 見世物小屋の一座で糊口をしのぐ異形の5人家族。怪物「くだん」を一座に加えようとするが、家族はやがて二つの世界に引き裂かれることになる。戦争に負けた世界と戦争に巻き込まれなかった無傷の世界とに・・・。パラレルワールドの展開を前にして、現実と虚構が交錯し、めまいを覚える。「もし、日本が戦争を始めていなかったら」「もし、日本が戦争に負けていなかったら」という想像力が現在を逆照射し、過去の世界からの光によって現在が照らされ、暗い影となって浮かび上がる。戦後70年を経て異形の者たちも消えたこちらの世界(現在)の方が偽りの世界のようにも感じられてくる。 川を漂う五色の襤褸を纏った舟に乗った5人の家族は、世界を漂う日本という運命共同体の暗喩なのかもしれない。死者と生者の交感を描いたこの物語には、今は亡き者たちへの追悼と鎮魂の意味も込められているようにも思える。 あとがきで近藤ようこが次のように書いているのが印象に残る。 くだんに運ばれた和郎と桜が生きているのは、やはり、「産業奨励館が原爆ドームにならなかった世界」であるべきだと思った。 また、原作者の津原泰水氏は、終盤は近藤ようこの創意が加えられていると記している。この原作の収められている短編集『11(eleven)』(2014年SFマガジンのオールタイム・ベストSF国内短編部門1位)も読まなくてはなるまい。 近藤ようこは、折口信夫の『死者の書』をコミカライズして「月刊コミックビーム」に連載を開始するとのこと。これにも目が離せない。
これはいい漫画ですわ……!戦時中の見世物一座の矜恃と生き様。そして件と平行世界。最高のエンタメっすわ……
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