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Posted by ブクログ
2022年に急逝した津原泰水最後の長編。
「現代の青春小説を明治の文体で」というコンセプトで書かれた青春小説。確かに今は使われない仮名遣いや漢字が多く難渋。さらに主人公が新居浜出身ということで方言が多用されているのは、私には馴染みがあるから問題なく読めたけれど、そちらにも苦労する読者は多いだろうと思う。
夢を追って田舎から東京へ出てきた主人公・修文の日常を、入居した部屋に現れるという噂の幽霊のエピソードを絡めながら描く物語は、いつ何が起こるんだろうという期待を裏切りいつのまにか終わる。
でも青春一時期ってこんなものよねと、歳を重ねた今だからそう思うし、何も起きないその日々が、今となっては人生いち輝いていて、妙に懐かしく切ないものだということが胸に迫ってくる。
そしてこの内容を今の軽い文体で書かれたら、それこそ面白くなかったかもと思うと、この文体あってこその詩情が心地よかったという感想。
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