たまさか人形堂ものがたり

たまさか人形堂ものがたり

770円 (税込)

3pt

4.4

会社をリストラされ突如無職となった澪(みお)は、祖母が遺した小さな人形店を継ぐことにした。人形マニアの青年・冨永と謎多き職人・師村の助けを得て、いまでは人形修復を主軸にどうにか店を営んでいる──自分がモデルになったという、顔を粉々に砕かれた創作人形の修復を希望する美しい女性。だが、その人形が創られたのは、彼女が生まれた頃と思しい三十年以上前のことだと判明する(「毀す理由」)。ほか、伝統的な雛人形を有する旧家の不審死、チェコの偉大な人形劇団の秘密など、名手が人形を通して人の心の謎を描く珠玉の短編を収める。書き下ろし短編「回想ジャンクション」を収録。/解説=紅玉いづき

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たまさか人形堂ものがたり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年08月24日

    本当に、素敵な物語だった。穏やかで静かな時間が人形堂に流れていた。人形を軸に紡がれる魅力的な物語。人形に深い造詣がある作者によって描かれる人形の描写。兼ねてから人形に興味があったが、本書を読み、より興味を持つようになった。これまでは主に球体関節人形に興味があったが、文楽人形などの日本人形にも興味を持...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年07月12日

    久しぶりに続編が出たのかと喜んだら出版社を変えての再版だった。だが書下ろし短編が加わっていたし久しぶりに津原さん作品の一筋縄ではいかない感じを味わえて良かった。

    主人公はリストラされ再就職までの繋ぎとして祖母が営んでいた小さな〈玉阪人形店〉を引き継いだ澪。
    だが資産家の坊で人形マニアな冨永と、謎の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月21日

    本友の紹介レビューを見て、いつか読みたいと思っていた作品。後回しになっていたけど、作者突然の訃報を新聞で目にし、今読むしかないと追悼読書。

    会社をリストラされ祖母が残した小さな人形店を継ぐことになった澪は、優れた技術を持つが謎の多い職人・師村と人形マニアの青年・冨永の助けを得て修復を中心として店を...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年10月27日

    津原さんの新しい作品が読めなくなるのはつらいな。
    幻想的な作品の一方、こういうヒューマンな作品も手がけている。
    その懐の深さというか、筆の多彩さというか。
    やはり、つらいな。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年06月12日

    連作短編集。元々会社勤めをしていた店主の澪さん、人形マニアで天才肌な青年・富永くん、謎だらけな職人・志村さん。三人の関係性が私には心地よかった。解説者の「淡麗」という表現が本当にぴったりな物語。澪さんは人形の知識こそないが、富永くんや志村さんが納得できるまで自由に作業できる場所を提供しているように見...続きを読む

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