多和田葉子の作品一覧
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Posted by ブクログ
どこで情報を得たかもう覚えてないけど、確か読み終わったらタイトルの「雪の練習生」がなるほどー!となるとかだったような…
今後はちゃんときっかけもメモしとかなきゃな…
あらすじとか裏表紙の情報も調べずに読み始めたら、どうやら喋れたり文字を書ける動物がニンゲンと共存してる世界で、シロクマ?が主人公。というか、最初の頃だとおそらく動物だろう、くらいしかわからないので推理小説感すらある。
このクマが日記を書き始めており、その文章とクマの行動が交互に出てくる。表紙のシロクマはイメージ映像ではなく、ほんとに内容を表しているものだった。舞台はロシアらしい。この日記について知り合いのオットセイに相談した所、勝手に出版されたり翻訳権を売られたりと好き放題され、挙句の果てにロシア政府に目をつけられて危なかった(本人、いや本クマは全く理解してないが)ので、周りの人が亡命させてくれる。
その先でも文章を書いたり、本を読んだり、友達ができたりと、クマとして人間社会で暮らしている。亡命先はドイツで、冬でもシロクマにとっては暑すぎてやってらんないなど、著者がクマ目線得意過ぎるのがすごい。もはや多和田氏シロクマ説。
出てくる動物たちは、基本的に考え方や喋り方も完全にニンゲンなんだが、急にニンゲンとしての常識を持っていない描写がちょいちょい出てくるのが結構シュールで面白いのと、そういう視点もあるのか、というアイオープナーな面白さもある。
p44
なんだか腹が立ったので、家に帰る途中に国営市場で菜の花の蜂蜜を一瓶買って、手ですくって一気に全部なめてしまった。
p71
どうやら人権とは、図体が大きい者の持つ権利らしい。
など、急にクマ感出るのがおもろい。
全体的に、言葉は喋れるけど結局認識はクマという主人公の考えが新鮮。
サイズ的には普通のシロクマなんだろうか。
赤ん坊のときは力加減が分からなくてニンゲンに怪我をさせてしまったとかの描写があって、通常サイズのシロクマのはずなんだが、それにしては普通に交通機関に乗ったり、デパートに行ったりするし、あげくのはてには若者に喧嘩を売られたりする。シロクマに喧嘩売る人間がいるのか?どんだけ無謀なんだ。
西ドイツから更にカナダに亡命したあと、唐突に終わったが、次のエピソードはどうやら続きもののようで、妄想だったはずのトスカという娘が実際に生まれてだいぶ経ったあとの東ドイツでの世界らしい。
結局「わたし」はあのあとカナダから今度は東ドイツに再亡命して、そこで自伝を出せたらしい。
第二章では、動物が言葉を喋らなくなっている?
喋っているシーンは主人公である調教師的な人の夢の話っぽい。なんか一話と比べて時系列というか、構成がややこしくなっている。実は一章から繋がってないのかもしれない。
ここで帯に「ホッキョクグマ3代の物語」って書いてあるのを見てしまった!クソー!ネタバレがー!だから帯も裏表紙も見たくないんだ!
どうやら、主人公だと思っていたニンゲンの調教師ウルズラの伝記をトスカが書いているという体だったらしい。
トスカもちゃんと子供を産んで、終わった。時系列や主人公の変更がしょっちゅうあり、途中はなんだかよく分からなかったが、最後が良かったのでOKです!
やはり次の話は、トスカの息子、クヌートだった。周りの景色を見て、道具が鉄製だと分かったり、もはや転生しているかのような世界への理解度を持つクマ。クマは近視らしく、遠くのものが良く見えないから人の顔とか遠くの景色が見えないらしい。が、嗅覚や聴覚は凄まじいのでそれで周囲の認識をしていく。
結局ここは動物園で、クヌートはそこの救世主としてお客を呼びまくったりと、親や祖母よりもだいぶ動物として活躍してた。そのうち育ての親がいなくなったり色々起きるが、でも全然モノを書いたりニンゲンと会話したりはしない。
うーん、クヌート編も不思議だった。まあ、全編不思議だったけど。トスカ編は構成がだいぶ変わってだいぶ混乱させられたところ、クヌート編では「わたし」編と同じような流れでわかりやすくはあった。が、赤ん坊の頃からの話だからか、ニンゲンと会話はできない。
でもニンゲンはまるで話が通じているかのように話しかけてくるし、良くわからないなぁ。
というか、クヌート編だけ、主人公が書いた伝記ではなかったのかもしれない。
と思ったら途中から急に成長して、喋れるようになり、普通に車に乗ってパーティに参加したりホモ・サピエンスと喋ったりと、祖母と同じようなことをしていた。
でも動物園に戻ると普通のクマの生活に戻り、観客としゃべるわけでもない。そしてスッと終わった。
うーん、不思議。全然予想してたものと違った。
3つの短編、繋がっているのは確かだが、どっちかというと最初から連続したものとして書かれたいうよりは、結果的に繋がった感じを受けた。どこを一つだけ読んでも成り立つし。
動物同士は会話はできるし、ニンゲンと会話できる動物や、ニンゲンと同じような生活を送れる動物もいる。が、そうしない動物もいるっぽかったり、そのあたりの詳細がよくわからない。
設定に粗がある、と言えばそう言えるが、読んでいる間は正直特に気にならない。ほとんどシロクマの主人公たちがメインで、彼ら彼女らが何を考え、何をするかがメインに描かれているからかもしれない。
そういえば、結局タイトルでなるほど!とはならなかったし、そもそもところどころに雪の話は出てきたけど「雪の練習生」が何を差しているのかはよくわからなかったな。