【感想・ネタバレ】献灯使 のレビュー

ユーザーレビュー

ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年10月11日

ひとつの日本のお話だった。
震災で漏れ出した放射能と、鎖国政策、外国文化への迫害。そして死を奪われた老人には“若い”という言葉が付けられる。若さという言葉が年齢に即さなくなったのは、若者が健康を奪われ、続く微熱や飲んだり食べたりさえ上手く筋肉を使えない、そのうち歩くことさえ出来なくなってしまう。
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Posted by ブクログ 2019年06月17日

いくつかの大きな災害の後、鎖国状態となった日本を描いた表題作と、その前後に起きたと思われる事象を描いた短編4話を加えた作品集。

震災後、復旧したかに見えた日本にさらなる悲劇が襲う。放射性物質の影響で子どもたちは病に倒れ介護生活となり、逆に老人たちは死ぬ能力を奪われ若者たちを支えながら必死に生きてい...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年04月30日

面白かったです。
多和田葉子さんは初めて読みましたが、不思議な世界でした。
お話が進むにつれ、大震災、鎖国、政府の民営化、元気なお年寄りと弱い子どもなどと大きく変容した日本のことがわかってくるのですが、描写にリアリティーがありました。
滅びつつある世界、それから人類が滅んでしまった世界…寓話のように...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年03月22日

死なない老人とひ弱な子供たちで構成される世界。どうやら、何か災害などでそのような状況に陥ったらしい。最初の方は、頭の中を?マークでいっぱいにしながら読み進めた。なぜ作中の世界になってしまったのかは、読み進めるにつれて明らかになっていく。

この作品では、科学技術など文明批判をしているように私は捉えた...続きを読む

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月17日

大災厄後、鎖国した日本が舞台。老人は健康だが死ぬことができず、若者の世話をする。子どもたちは体が蝕まれ、長く生きることができない。
ディストピア小説と括るにはあまりにも「あり得る近未来」に感じられて、ページを繰る指先が冷たくなる。何が起こったのか明確には書かれていなくても、東北大震災を経験した我々に...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年03月05日

東日本大震災が起きる直前の、2010年の夏は、とても暑かった。2009年の夏も暑かったけど、2010年の夏の暑さは異常だった。本当に毎日、夜遅くまで、休みなく暑かった。コンビニで棚卸をしていると、真っ黒に日焼けをしてぐっしょりになった作業服のおじさんが、「ガリガリくん、無い?」と言って空になったアイ...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年02月16日

多和田葉子さんが翻訳部門で全米図書賞を受賞
とネットで見た。多和田女史は
私と同い年で国立市の小中学校、都立立川高校から
早稲田大学文学部卒。
「多摩育ち・都立72群・私立文系」
というところが私とかなり似た経歴で
さらに憧れのドイツの大学、大学院を卒業している。
これは読まないわけにはいかない!と...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年01月21日

3・11以降の日本を極端に描いたディストピア小説。短編集であるが、表題の『献灯使』が半分以上を占めている。
『献灯使』で描かれる世界は、老人は死なず、子供はしっかりと成長できない謎の状況に汚染された日本。鎖国された日本。世界から取り残された日本。しかし、そのような状況でもそれを受け入れて日々を生きる...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年10月28日

新聞の随筆で文章に魅せられていました作家、この度全米図書賞翻訳文学部門受賞。読みました。

外来語も自動車もインターネットも携帯電話も無くなり、鎖国状態の未来日本。老人は百歳を超えてなお元気、孫子はひ弱で生きる力が薄い。だから曾祖父がひ孫を育てることに。

なぜそうなったかは、ぼかされている、そこ...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年07月15日

災害で汚染されて鎖国している未来の日本という設定の短編。
「献灯使」では、頑健な身体をもつ曽祖父が、身体機能が退化しているような曽孫世代を不憫に思う気持ちに共感できる一方で、曽孫たちは最初からそういう風に生きていて、曽祖父世代のような身体や安全な自然環境を途中で失ったわけじゃないのだから、別に不幸で...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年06月04日

単語レベルで無駄な表現が1つだってない。なんというかさすがの言葉の密度。パワーがすごい。そして日本語特有の湿度が作品全体に充満している。
いわゆるディストピア文学ってやつで、そう遠くない未来のこうなるかもしれない日本と日本人が描かれているんだけど、私のチンケな想像力では到底思いつかないような設定と奇...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年04月16日

本当に言語感覚に優れた、というか自覚的、懐疑的でいて愛が深い。言語を深く愛するという行為として小説があるという印象。名付け方、鎖国政策を取った日本社会の特異的すぎる変化、生きる機能が失われていく若者といつまでも元気なまま死ねない老人。あるいは起こり得る未来。

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Posted by ブクログ 2019年03月24日

日本を舞台にしたディストピア小説を読んだのは初めてで、少しファンタジーすぎるかなと思ったものの、海外の作品に真実味を感じてしまうのは、それは私自身の異文化への偏見があるからかもしれないと気付かされた。
天災も原発も私たち自身に確かにあるもので、同じ過ちは繰り返さないと思っても世界情勢や昨今機運が高い...続きを読む

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月16日

 3.11の後にもう一回大厄災が起き、放射能の影響でまともに人も住めず人々の体にも多大な影響が出て、鎖国状態となった日本の話。
 帯には「ディストピア小説の傑作」とあり、なるほどディストピア感はある。ディストピアに触れていつも思うのは、まぁこれはこれでひとつの主義に立った世界観なんだし、別にそこまで...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年03月08日

3.11後、震災そのものよりも原発事故によって、この日本はどうなってしまうのかという不安に苛まれた。本書で描かれる日本は、その時の不安の延長線上にあるように思える。閉ざされた中で曖昧な情報だけが飛び交うが、明確な敵も支配者も見当たらない。しかし、現実はどんどんと悪くなっていく。そんな現実が所与のもの...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年01月31日

「震災後文学」(←こんなジャンルが出来たのね)ということらしい.原発事故のおかげで老化が止まり死ねなくなる老人と,すでに人とは呼べないような,ひ弱でか細い子供たち.読んでいて息が苦しくなってきた.
短編集だが,表題作が2/3程度を占め,あとは表題作の前日談と後日談4編を掲載.

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Posted by ブクログ 2019年01月29日

久々に文学らしいものを読んだ。言葉遊びもまあまあ楽しい知的な本。
震災文学。日本の未来はうすぐもりの世界。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月23日

最近よく耳にするディストピア小説。未来の話だけれども、現在からつながる未来の話。怖い怖い。早く逃げないと。言葉遊びがたくさん使われ、軽やかに伝えられる献灯使。
百歳以上の老人が健康で、死ぬことができず、子どもは歩くこともままならないほど病弱な世界。悲嘆をしらない子ども。
他、表題作の前日譚ともおもわ...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年01月09日

皮肉とか象徴とか隠喩とか、あるいはストレートな批判とかいろいろあるのでしょうけれど、まず文章のユニークさと心地よさとハッとするような表現が読んでて気持ちよくて、もうなんだかずっと読んでいてもいいくらい。

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Posted by ブクログ 2019年01月01日

原発以降の日本のディストピア小説はどうしてもお説教じみたものを勝手に感じてしまいがちだけど、これは淡々と静かに狂っている文章が心地よくてぞっとした。
鎖国。

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