ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
膝を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし」。どうしても誰かに見せたくなり、文芸誌編集長のオットセイに読ませるが……。サーカスで女曲芸師と伝説の芸を成し遂げた娘の「トスカ」、その息子で動物園の人気者となった「クヌート」へと受け継がれる、生の哀しみときらめき。ホッキョクグマ三代の物語をユーモラスに描く、野間文芸賞受賞作。(解説・佐々木敦)
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
あと100ページほど残っている。最後まで読み切らなくてもいいと思うくらい満足している。良いとか悪いとかの程度で測れないほど素晴らしい。 東欧や北極の澄んだ冷たさが書かれていて、知らないのに知った気になる。あたりまえの心の動きが、初めて見たもののように注意深く鮮やかに表現されている。 生きてきて一番、...続きを読む日本語を読めてよかったと感じている。
文芸誌GOATで上白石萌音さんが紹介していたのをきっかけに読みました。 萌音さんが教えてくれたように『先入観無く読みたい!』と思い、ネットで買うにも検索したら表紙が見えちゃうので、家族に頼んで買ってもらい、表紙も帯も取ってもらってから読みました。 この工程が無ければ、すんなり読めてしまったかもしれ...続きを読むません。でも、表紙や背表紙のあらすじを見ずに入り込めたお陰でとても楽しく(頭の中が???になりながら)読むことが出来ました! これは初めての読書方法でした。 上白石萌音さんに感謝の気持ちでいっぱいです^_^ イヤな顔をせずネットでポチってくれたり表紙と帯を隠してから渡してくれたりと協力的な家族にも感謝です♡
ホッキョクグマという存在自体がなんとなく危うく、儚い動物の「アイデンティティ」をテーマにした3代にわたるストーリー(と読みました)。クヌートという実在したホッキョクグマは残念ながら勉強不足で知らなかったけど、なんとも全体的に危うい…でも生きていくってことを改めて考えさせられました。初めて多和田さんの...続きを読む本を読んだけど、どこか海外小説風の雰囲気は、後になって調べたら海外に在住とのことでこれも納得。
人間は想像できたことしか実現できないと何かで見聞きしたけれど、では想像できたことなら実現できるということなのだろうか。この本を読んでいるあいだじゅう、ずっとそんなことを考えていた。じぶんのなかには絶対にあり得なかった、あり得る可能性にもまったく気付かないままの物語はまさに未知で楽しかった。うつくしい...続きを読む冬の描写にときめき、おもいでの鮮やかさにこうべを垂れ、深く深く流れる憧れに空をあおいだ。冬場れが広がっているきょうに読み終えることができてよかった。夏の褒美が冬ならば、冬の褒美が夏なのか。一年が終わりを迎える。
しろくまの話。ちょうどロシアのどこかの街にエサを求めたしろくまがたくさん来たというニュースを見た。他の人にはこんな話書けないよね。
理屈という網の目で濾すことができない物語。なにせホッキョクグマが亡命するのだから。まさに雲をつかむような話なのに、童話ではない。視点もくるくる変わり、だれが語っているのかわからなくなる。夢想するような、例えようのない読書体験だった。 読む都度、全然違う感想をもちそう。 約300頁という多くない頁数...続きを読むの中に、何巻にも渡るような壮大な世界が凝縮されている印象を受けた。 今回、クマの目を通して私が受けとめたのは、言葉の囚人である人間の姿。 体温や皮膚感覚に飢え、言葉によって思考も想像力も限定される、そんな人間への憐れみを感じた。
冒頭、なんだか官能的な話が始まったと思った。しかし、しばらく読み進めて、なにかが違う……これは人間じゃない!?と気が付いた。裏表紙にも「ホッキョクグマ3代の… 」と書かれている。そうか、ホッキョクグマが主人公のお話か。 と、とりあえず把握したのも束の間、そのホッキョクグマが会議に参加(!)したり、文...続きを読む章を書いたり(!)するのである。人間の世界に「普通に」参加している。この言い方には語弊がある気もする。現実のようで、幻想のようで、空想のようで……でも、この物語のなかではまるごと現実として納得させられる。 話としては3話収録されており、あらすじのとおり「ホッキョクグマ3代記」ということでとりあえず問題ない。空想の現実が突き刺さる。少なくとも可愛いホッキョクグマが主人公のホンワカ物語ではない。作者の世界の切り取り方がとても素敵で、他の作品も読みたくなった。
とても面白かった。 まず、タイトルが素敵だ。そして、主人公が北極熊という視点が興味津々だ。さらに、その3世代の物語という構成が見事だ。全編を通して俗世間の物語とは違う、純粋で透明感のある思考と想いとユーモアが感じられて、とても心地好い読書体験だった。 作家であるわたしの「祖母の進化論」、その娘トスカ...続きを読むの「死の接吻」、さらにその子クヌートの「北極を想う日」。3章に渡って描かれる北極熊の物語は、単なる熊の擬人化ではなく、忘れてしまっていた私たちの心象風景なのかもしれない。
難しい小説だなあ大丈夫かなあと自分の理解力にひやひやしながらも読み終わる頃には、お見事だ……の一言に尽きた。 言語と思考が血に溶け込んで身体中に広がっていく過程、他者とわたし、世界とわたし、小さな文庫本が裏返しになりわたしが飲み込まれてしまったような気がした。 ものを書くこと、浮遊感、次元の飛び越...続きを読むえ、言語が指先まで染み渡っていく過程、すべてが鮮やかな描写によって目の前に迫ってきた。 クヌートのその後、死ぬまでは幸せであれと願う。
まるっと作り話,分かっているけど 白熊を見る目が変わってしまったと思う。 冬に再読したいフィクション1位。タイトルもすてき。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
雪の練習生(新潮文庫)
新刊情報をお知らせします。
多和田葉子
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
かかとを失くして 三人関係 文字移植
穴あきエフの初恋祭り
犬婿入り
海に落とした名前
試し読み
エクソフォニー 母語の外へ出る旅
球形時間
雲をつかむ話/ボルドーの義兄
献灯使
「多和田葉子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲雪の練習生(新潮文庫) ページトップヘ