犬婿入り

犬婿入り

506円 (税込)

2pt

多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に〈犬男〉の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作と「ペルソナ」の2編を収録。(講談社文庫)

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犬婿入り のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月10日

    学習塾の独身女性の元へ太郎という犬男が現れ、奇妙な共同生活が始まる「犬婿入り」。
    ドイツ留学中の女性が味わう差別や偏見、攻撃によりアイデンティティをを失う「ペルソナ」。
    異質なものに対して、意図的にではなく無意識に排除してしまうこともあるから厄介だ。そもそも異質と同質の境はどこにあるのか?作品から抱...続きを読む

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    購入済み

    不思議、と、多文化

    2023年07月30日

    犬婿入り、不思議に感じながら読んだ。
    子供の視点があるから、
    汚いのかエッチなのか
    はぐらかされてしまう。
    綺麗な先生でこんなことをされてるんだと
    美女と野獣みたいにも思える。
    そこに可哀そうな女の子がからんで、
    それから超人的なことが
    修行で身につくとか
    触れてあったと思う。
    はじめの、町の描写、...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2019年09月24日

    「犬婿入り」(多和田葉子)を読んだ。
    「ペルソナ」「犬婿入り」の二編。
    前回これを読んだのはもう四年くらい前で、日常生活に潜む緊張感とか不条理性とかそういった多和田葉子の世界にすっごく感激した記憶があり今回もやっぱりすっごく感激したけれど、と同時にリラックスして笑える自分がいた。

    0

    Posted by ブクログ 2019年02月24日

    遅読の私なのだが実にすいすい読み進めた。
    二冊目にして「多和田葉子流」に慣れたのは
    思考の形がどこか似ているのかしら?なんて
    多和田女史の研ぎ澄まされた言語感覚と
    深い洞察力を前にして とても言えない。

    1993年芥川賞受賞の「犬婿入り」。
    エロチックな有機物のにおいに満ちているが
    妙に乾いた空気...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年01月28日

    『ペルソナ』と、芥川賞受賞作『犬婿入り』の2編収録。
    どちらの作品とも、言葉の使い方・つむぎ方がとても面白いです。
    言葉でとことん遊んでいて、とても実験的で前衛的。

    『ペルソナ』
    ドイツに留学している道子は弟の和男と同居している。
    道子の偏執的な思考が怖い。
    怖いんだけど、その偏執的な思考を目で追...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月29日

    新感覚の小説だなと感じました。 
    「ペルソナ」は、ドイツに住む日本人の道子が
    人種による偏見に苛まれて、様々な国の人たちに出会い、それぞれの国でも、偏見があると知りながら、東アジアで一括りにされることに嫌悪感を
    抱く弟の和男との共同生活にも、違和感を感じていく、著者自身が、ドイツに住んでいることから...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月30日

    『ペルソナ』も『犬婿入り』も面白かった。
    多和田葉子さん自体、初めてだったけれどとても読みやすくあっという間に読んでしまった。

    あれは何かを意味していてとか、あれはそういうことで等、難しい解釈は分からない。
    ただ私が読んでいて好きだなぁと思ったのは、ペルソナにしても犬婿入りにしても主人公の女性が周...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月08日

     「ペルソナ」と「犬婿入り」の2作品で「犬婿入り」の方が好きだった。
     2作ともギリギリのギリギリで破綻しない奇妙な状況や雰囲気が終始続いて、最後には堰を切ったように破局を迎える。その感じがすごく良かった。特に犬婿入りの方はホラーみたいな不気味さがあるけど奇妙さに親しみの持てる感じが良かった。

    0

    Posted by ブクログ 2023年03月26日

    この作家の特徴でしょうか?
    文章がとても長い。1つの文章にたくさんの情報が入っている。
    「ペルソナ」も芥川賞の「犬婿入り」も間なのか溝なのかを書いてあるんだな?と思いました。
    「ペルソナ」の最後にどちらでもない自分になった道子はその後どんな人生を送ったんだろうか?
    「犬婿入り」は本人たちとその周りの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年10月28日

    表題作のつもりで読み進めていってたら全然違う作品で焦った。

    さて、解説にもあるとおり、二作品を収めたこの『犬婿入り』は「溝」がキーワードになっている。つまり境界線のことだ。

    「ペルソナ」では信頼の置ける弟の和男でさえ、主人公・道子とは合同な意見を持っているわけではない。
    特に序盤は、意識的にさま...続きを読む

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