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不思議、と、多文化
犬婿入り、不思議に感じながら読んだ。
子供の視点があるから、
汚いのかエッチなのか
はぐらかされてしまう。
綺麗な先生でこんなことをされてるんだと
美女と野獣みたいにも思える。
そこに可哀そうな女の子がからんで、
それから超人的なことが
修行で身につくとか
触れてあったと思う。
はじめの、町の描写、周りの様子から入って
剝がれかけたようなポスター、
うわさとかから先生にだんだん
フォーカスされたのがおもしろい。
最後も、あれっと思ううちに
狐にでも化かされたように
不思議のうちに終わった。
ペルソナ、は読み忘れてた。
そういえばとばしたんだ。
読んでみたら読みやすい。
最初のあたりからして、どんなことが起こったか
先を気にさせる、道子はこんな初めに出てくるが
だいぶ後でどんな人かわかる、
こんな書き方も面白い。
だいたいにおいて、いろんな人種、言葉があって
よくこんな世界で生きていられるんだと
感心する。人種による顔の違いとかも
なるほど的確で興味深い。
これから読んでいきます。
Posted by ブクログ
遅読の私なのだが実にすいすい読み進めた。
二冊目にして「多和田葉子流」に慣れたのは
思考の形がどこか似ているのかしら?なんて
多和田女史の研ぎ澄まされた言語感覚と
深い洞察力を前にして とても言えない。
1993年芥川賞受賞の「犬婿入り」。
エロチックな有機物のにおいに満ちているが
妙に乾いた空気感。
「異質な存在」も人々の「言葉」次第では
そうでないものになり
何者なのか 何物なのか
わからないまま時は過ぎていく。
「ペルソナ」には「ドイツで生きる私」が
ちょっと痛々しく描かれている。
ある韓国人に対するドイツ人の反応をきっかけに
「東アジア人」の自分がよくわからなくなっていく。
能面をかぶったまま街を歩き
日本人を体現しようとしたものの
誰も日本人だと思ってくれない。
ペルソナ=外的側面のせいで
何者でもなくなってしまうという恐怖。
私は海外に住んだことがないくせに
何度も行っているから知った気になっている
情けない人間だが
異国において自分が誰かよくわからなくなる感じは
なんとなくわかる。
以前 ミュンヘンで
商店街のウィンドウを眺めながら歩いていた時
妙にくすんだ女性の像が突然目に飛び込み
ぎょっとした。
平たく表情のない顔。凹凸の少ない身体つき。
それは鏡に映った私の姿だった。
一瞬 時間が止まるというか 血流が止まるというか
身体が地面から浮いてしまったような
気がしたことを覚えている。
20世紀末 多和田女史は異国にあって
アイデンティティを喪失した共同体は
やがて断片の集まりでしかなくなる
という不安を感じたのではないだろうか。
21世紀に入って20年。
その不安が現実となった世界に私たちは暮らしている。
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