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Posted by ブクログ 2024年02月10日
学習塾の独身女性の元へ太郎という犬男が現れ、奇妙な共同生活が始まる「犬婿入り」。
ドイツ留学中の女性が味わう差別や偏見、攻撃によりアイデンティティをを失う「ペルソナ」。
異質なものに対して、意図的にではなく無意識に排除してしまうこともあるから厄介だ。そもそも異質と同質の境はどこにあるのか?作品から抱...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月24日
遅読の私なのだが実にすいすい読み進めた。
二冊目にして「多和田葉子流」に慣れたのは
思考の形がどこか似ているのかしら?なんて
多和田女史の研ぎ澄まされた言語感覚と
深い洞察力を前にして とても言えない。
1993年芥川賞受賞の「犬婿入り」。
エロチックな有機物のにおいに満ちているが
妙に乾いた空気...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月28日
『ペルソナ』と、芥川賞受賞作『犬婿入り』の2編収録。
どちらの作品とも、言葉の使い方・つむぎ方がとても面白いです。
言葉でとことん遊んでいて、とても実験的で前衛的。
『ペルソナ』
ドイツに留学している道子は弟の和男と同居している。
道子の偏執的な思考が怖い。
怖いんだけど、その偏執的な思考を目で追...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月29日
新感覚の小説だなと感じました。
「ペルソナ」は、ドイツに住む日本人の道子が
人種による偏見に苛まれて、様々な国の人たちに出会い、それぞれの国でも、偏見があると知りながら、東アジアで一括りにされることに嫌悪感を
抱く弟の和男との共同生活にも、違和感を感じていく、著者自身が、ドイツに住んでいることから...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月30日
『ペルソナ』も『犬婿入り』も面白かった。
多和田葉子さん自体、初めてだったけれどとても読みやすくあっという間に読んでしまった。
あれは何かを意味していてとか、あれはそういうことで等、難しい解釈は分からない。
ただ私が読んでいて好きだなぁと思ったのは、ペルソナにしても犬婿入りにしても主人公の女性が周...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月26日
この作家の特徴でしょうか?
文章がとても長い。1つの文章にたくさんの情報が入っている。
「ペルソナ」も芥川賞の「犬婿入り」も間なのか溝なのかを書いてあるんだな?と思いました。
「ペルソナ」の最後にどちらでもない自分になった道子はその後どんな人生を送ったんだろうか?
「犬婿入り」は本人たちとその周りの...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月28日
表題作のつもりで読み進めていってたら全然違う作品で焦った。
さて、解説にもあるとおり、二作品を収めたこの『犬婿入り』は「溝」がキーワードになっている。つまり境界線のことだ。
「ペルソナ」では信頼の置ける弟の和男でさえ、主人公・道子とは合同な意見を持っているわけではない。
特に序盤は、意識的にさま...続きを読む
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