穴あきエフの初恋祭り

穴あきエフの初恋祭り

719円 (税込)

3pt

3.7

近づいたかと思えば遠ざかり、遠ざかると近づきたくなる、意識した瞬間にするりと逃げてしまうもの――。

十年ぶりに再訪したはずの日本(「胡蝶、カリフォルニアに舞う」)、重ねたはずの手紙のやりとり(「文通」)、何千何万年も共存してきたはずの寄生虫(「鼻の虫」)、交換不可能な私とあなた(「ミス転換の不思議な赤」)。

ドイツと日本の間で国と言語の境界を行き来しながら物語を紡ぎ、『献灯使』で全米図書賞(翻訳部門賞)を受賞するなど、ますます国際的な注目が集まる言語派作家・多和田葉子さん。「移動を続けること」が創作の原動力と語る著者が、加速する時代の速度に飲み込まれるように、抗うように生まれた想像力が鮮烈なイメージを残す7つの短篇集。

※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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穴あきエフの初恋祭り のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年12月19日

    書店でタイトルと帯が気になり買ってみました。
    詩的で色っぽくて文字を追いたい欲求を刺激してくれますね
    同著者の本も読んでみたいなー

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    Posted by ブクログ 2022年07月27日

    多和田葉子ってこんな笑える文章もかけるんだ。所々表現が難解で、ちゃんと解釈できてるか不安な箇所があるんだけど、多和田葉子らしい詩的で仄暗い言葉が散りばめられてて最高でした。私は新しめの短編が好みだった!

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月01日

    28冊目

    2009年から2018年に『文學界』に発表された7つの掌編。

    現実にいながら、ふと違う次元に迷い込んでしまうような一瞬、不条理な部分もあって夢をみているかのようです。そこに意図的誤変換からの言葉遊びが加わると私の精神もぐらぐら揺れ動いてしまいます。

    0

    Posted by ブクログ 2022年02月11日

    今の自分には、わかんなかった部分もあったけど、わからないままでいいかと思った。わからないけど良かった。

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    Posted by ブクログ 2022年01月27日

    「胡蝶、カリフォルニアに舞う」のストーリー性に牽引され、「穴あきエフの初恋祭り」でかく乱される。多和田さんの作品には、人称の問題とセットで語り手の問題が埋め込まれていることが多いのだけれど、やはり、この本もそうだった。「おと・どけ・もの」は、多和田さんが詩人でもあることを強く感じさせる一編。韻文と散...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年08月23日

    7編の短編集。特に、「鼻の虫」「ミス転換の不思議な赤」の二作品が面白かった。
    「鼻の虫」は、衛生博物館の「体の中の異物」という展示で見た人間の鼻の中で、何千何万年もの愛、共存してきたという虫を、ふと意識するようになる「わたし」の物語である。「わたし」は、携帯電話を梱包する工場での就職が決まり、海辺の...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年12月31日

    難しいけど、読みづらくはないという不思議な作品。小説というドラマを盛り上げるためにつらいシーンが不用意に出てくることはないので、かまえて読まなくてもいいものの、「物語」として成り立っているかどうかは微妙なので(※貶しているわけではない)、集中してサッと読まないとストーリーを見失ってしまう。
    起承転結...続きを読む

    0

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