長編を感じさせないほどにのめり込み夢中になってしまった。
読み終わったあとは、この家族と同じように青空を見上げて微笑みたい…一緒にそんな気持ちに浸りたいと感じた。
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京した山岡悌子は国民学校の代用教員として働き始め、幼馴染の早稲田大学野球部の神代清一と結婚するつもりで
...続きを読むいたが、彼には決まった人がいて戦地に行く前に結婚したことを聞く。
恋に破れたが下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。
下宿先の家族と親しくしているうちに富枝とも仲良くなり、その息子の権蔵と根っこの部分が似ているところや自分をごまかさないところが相性いいんじゃないかと…。
結婚する気もなかったが、結婚は物語だと言われて。
そのうち清一が亡くなったことを知り、清一の息子を養子にと…。
どんなかたちであれ、家族というのは血の繋がりだけではないことを感じた。
この夫婦の愛情が半端でないことにただただ凄いとしか言えない。
胸に響く感動長編だった。