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当代一の影絵師・富右治に大店から持ち込まれた奇妙な依頼とは(「化物 燭」)。越してきた夫婦をめぐって、長屋連中はみな怖気を震うがその正体は?(「隣の小平次」)。名手が江戸の市井を舞台に描く、切なく儚い七つの大江戸奇譚集。
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Posted by ブクログ
この世には、見えないけれど、存在する者がいる。 未練を残した者、恨みや妬みを抱えた者。 江戸時代の長屋暮らしの人々。 それぞれの生活にひっそりと忍び寄る見えない存在。 7編の話しの中で、 「むらさき」に出てくるお庸さんが、供えた福寿草。 心がほっこりと温かくなった。 「幼馴染み」では、 生きて...続きを読むいる人が一番、怖いとしみじみ思った。 夏の大人の怪談として、楽しめる。
江戸を舞台にした奇譚集だが、何だか一話完結の短編で終わらせるのがもったいないような、物語の魅力をぎゅっと濃縮した7篇が収録されている。 例えばラストの「夜番」は、憑き物を見ることができるすっとぼけた感じの主人公の男と、一膳飯屋のお運びをする肝っ玉姐さんのキャラクターが印象的だ。掛け合い漫才のようなや...続きを読むり取りも楽しいし、どこか江戸っ子の人情を感じることができる展開もいい。この二人が様々な事件を解決していく形の連作短編にでもすれば、楽勝で一冊本ができそうなほど面白い設定なのに、惜しげもなく一本の短編でスパッと完結させているところが実に潔いと思った。 個人的には読後の切なさが際立つ「蛼橋」が一番好きだけど、どの作品も高いレベルでハズレは無い。途中までは何となく市井の人々の人情を味わう趣向なのかなと読者に思わせておいて、「幼馴染み」のようなちょっとテイストの異なる一篇をスパイスのように効かせているあたりも上手いなあと。 本作と似たような奇譚集としては戦前を舞台にした『よこまち余話』があるけど、一篇一篇の密度の濃さとバラエティの豊かさから、個人的にはこちらのほうが好みかな。
江戸物短編集 この世のものとあの世のものとどちらのものともわからない者たちのおはなし。 木内さんの作品はいつも情景と人々が生き生きと描きかれていて、その景色、町の色やにおいまで細かに想像させてくれる。 どのお話も心にしみる。
江戸の不思議なお話の短編集。 「幼馴染み」という一編がとにかく怖かった。 脳内では山岸涼子さんの絵で再生。サイコホラー。 不思議で怖い話と、不思議でほのぼのする話、どちらも良いバランスで飽きずに楽しめた。
江戸の怪奇譚。 と、いいながら人が幽霊や化物が出てくるばかりではなく、一番怖かったのが、『幼馴染』だという(;^_^A そして、文体がいいのです。次の作品も楽しみ(*^^*)
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