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名手による快作が復刊! 今こそ読みたい【泣いて笑ってお江戸体感小説】 神田で小間物屋を営むお葛(かつ)は、 お気楽亭主とわんぱく盛りの子らと、季節に添った長屋暮らし。 珍妙な若返り薬を売り出したり、 ひとの恋路に首を突っ込んだりのある日、 頼みの綱の奉公人・清さんに移籍話が持ち上がり……!? \乗り越えるんじゃない、やり過ごすんだよ/
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Posted by ブクログ
面白かった!「かたばみ」の作者。 江戸の話で注釈がいっぱいで読みにくいのではと警戒したが、段々慣れて、長屋暮らしを楽しく読んだ。日記なので、落ち着かない気分でも、細切れに読めることも良かった。さえちゃん達は、どうなるかなぁ。
大正初年に建てられた古い洋館の屋根裏から出てきた文化文政〜天保年間に小間物屋の女将がつけていた日記の現代語訳という設定の本書。 本当にそうではないかと思うくらい、当時の人々の暮らしぶりが生き生きと再現されている。 長屋暮らしの費用や、大晦日の掛取りが元旦早朝まで掛かったことなど、初めて知ることも多...続きを読むい。 NHK BSあたりでドラマ化されたら面白いのではなかろうか。
この作家を全く知らなかったのだが、以前勤めていた会社の上司に木内昇は面白いと言われたことを思い出して、今回初めて手に取ってみた。 江戸時代の町人の暮らしぶりが小間物屋のお葛の日記として、生き生きと描かれていて、楽しく読めた。 機会があったら別の木内昇作品を読んでみようと思う。
以前、文庫版で読んだけれど、単行本で再版になったのでまた読みたくなって。 文化・文政、あるいは天保あたりの、ある一年間の主婦の日記である。 江戸の行事や風物詩が細かに描かれ、江戸庶民の暮らしが偲ばれる。 日記の書き手は、お葛(かつ)27歳。亭主・辰三(たつぞう)と、神田で小間物屋を営む。十歳の長男...続きを読む・辰吉(たつきち)、七歳の長女・お延(おのぶ)、住み込みの使用人・清(せい)さん(30歳?)との五人暮らし。 ・よく登場するお恒(つね)さんは、大店の扇子屋のお内儀で、地主。差配は大家に任せている。 ・大家さんはおおらかで頼りになるいい人だが、お内儀さんのお佳(よし)さんは、憎まれ口と眉間のシワがすごい。 ・隣には、富弥太(とみやた)、お甲(こう)夫婦。一人娘のさえちゃんとはよく一緒に出かける(16歳) ・お兼さんは夫婦で髪結。 ・独り者の六さん。ほとんど働かない。究極の持たない暮らし。よく生きてるなあ。気がつくとお葛の家に箸を持って上がり込み、一緒に飯をかっ込んでいる。おかげで晩飯のご飯が足りなくなる。 ・独り者の源吉さん。六さんよりは働く。 ・新しく越してきた重吉(じゅうきち)さん。真面目な植木屋。お夕さんと祝言を上げたばかり。ラブラブ夫婦。 ・鳶(とび)で火消しの半蔵(はんぞう)さんは粋でいなせ。お内儀さんは地味で暗い女だったが、男の子を産んで変わった。 お葛は、お気楽な亭主としょっちゅう口喧嘩をしたり、息子の成績に悩んだり、若い火消したちのイケメンぶりにポーッとしたりの、現代と変わらない主婦。先輩主婦のお恒さんやお甲さんからは、女の生き方を学ぶことしきり。 一例として、お恒さんの「旦那をうまく操る法」。男は単純だから、なるべく単純な言葉で褒めてやる。一緒の土俵で張り合っちゃだめ。見えない糸で操るのだそう。自分はまだまだ修行が足りないと感心する一方で、お恒さん、こわ〜い、と思うお葛であった。 実は、亭主のダメなところいいところひっくるめて、惚れているのだ。 例えば、毎朝の飯炊きだけは亭主の仕事だが、火加減がすこぶる上手いと褒める。 口先が調子良く、喧嘩っ早いが、嫌なことはすぐ忘れるさっぱりした性格。羨ましいとさえ思う。 お葛は家族が何より大事。 温かくて楽しい日記だった。 ひとつ、すごくびっくりなことが書いてあった。 「お医者は誰でもなれる仕事だから、学問が苦手な辰吉にはいいかもしれない。」 現代ではものすごく頭が良くないとなれない職業の一つなのに・・・江戸時代ってそうだったの?
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