奇のくに風土記

奇のくに風土記

2,200円 (税込)

11pt

若き本草学者の不思議に満ちた生きものとの出会い――心震わせる時代幻想譚。

美(う)っつい奇のくには、どこからか草木の「声」が聴こえてくる。
みずみずしい読後感につつまれた。
―――――中江有里さん(俳優・小説家・歌手)

心震わせる生きもの賛歌。
美(う)っついのう。

紀州藩士の息子・十兵衛(後の本草学者・畔田翠山(くろだすいざん))は、
幼いころから草花とは自在に語らうことができるのに、人と接するとうまく言葉を交わすことができずに育った。
ある日、草花の採取に出かけた山中で天狗(てんぎゃん)と出会ってから、面妖な出来事が身の回りで次々と起こり……。
若き本草学者の、生き物や家族、恩師との温かな交感と成長を描く、感動の時代幻想譚。
〈目次〉
天狗 てんぎゃん
卯木 うつぎ
蜜柑 みかん
雪の舌 ゆきのした
伊佐木 いさき
不知火 しらぬい
藤袴 ふじばかま
仙蓼 せんりょう
譲葉 ゆずりは
山桃 やまもも
白山人参 はくさんにんじん
黒百合 くろゆり
瑞菜 ずいな
稲穂 いなほ
蓮華 れんげ

装画 MAYA MAXX
本文画 畔田翠山

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奇のくに風土記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    主人公は、和歌山の本草学者、畔田翠山。
    植物だけでなく、自然の姿そのものに惹かれ、研究する、博物学者といったほうがいいかもしれない。人付き合いが苦手であったと伝わる。そこで、人ではないものと通じる、という設定になっている。中島京子さんの『かたづの』はカモシカと言葉を交わす設定であったが、これも大好物

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    読み始めて、大好きな「家守奇譚」を思い出しました。ただひたむきに植物に向ける愛情に、不思議な現象もなんだか不自然ではなく、すーっと受け入れられて清浄な気持ちになりました。

    0
    2025年11月04日

    Posted by ブクログ

    今の自分にとても響く ことばがたくさんあって 嬉しくて ありがたい時間でした。
    物語もとても楽しかった!

    「まことの望みというのは、どういうものか、己の奥底に潜んでなかなか顔を見せてくれんのや。うまいもんが食いたい、喉が渇いたから水を飲みたい、そういった刹那の望みはいくらでも鮮やかに浮かぶんやがな

    0
    2025年09月23日

    Posted by ブクログ

    実際の畔田翠山の人生が天狗などの不思議と交わり本草の面白さと共に珠玉の作品となっている.挿画の確かさは言うに及ばず表紙の絵も素晴らしい.
    とても好きです。

    0
    2025年09月10日

    Posted by ブクログ

    紀伊国(きのくに)の本草学者・畔田翠山(くろだ すいざん)を初めて知った。
    「研究する人」の集中力には、本当に尊敬しかない。

    翠山の幼名は十兵衛。
    人と話すことが苦手で、小さな頃から野山を駆け巡り、草や木を愛でてきた。
    小原桃洞(おはら とうどう)は紀州の藩医。藩の本草局(ほんぞうきょく)に籍を置

    0
    2025年08月16日

    Posted by ブクログ

    遠野物語、
    忘れられた日本人、
    北国雪譜、
    牧野富太郎さんの植物図譜、
    世阿弥さんのお能の作品、
    そんなこんなを
    手元に引き寄せて
    一編の物語に昇華すると
    このようになるのでしょうね
    まことに 絶品です。


    0
    2025年08月07日

    Posted by ブクログ

    尽きせぬ想像力、感性が漲っている。人物造形が素晴らしく、一人ひとり(草木や天狗らも)丁寧に活写。奇のくに(紀伊国)の方言もまた純朴で心地良い。十兵衛の成長が感慨深く、彼が描いたとされる挿絵に思わず見入った。

    0
    2025年07月09日

    Posted by ブクログ

    読み進めていくにしたがって敬虔な心持ちになり、自然の神秘につつまれていく感覚を覚え、生きとし生けるものの心が目に見えるようでした。そして、現実と幻想の世界を行き来する小説の構成に引き込まれました。登場する植物の描写もこれまた美しく、木内昇さんの力量に圧倒されました。

    本草学(薬用とする植物などを研

    0
    2025年06月22日

    Posted by ブクログ

    紀伊国を治める徳川治宝公 自然に対する理解が深く使える者達は思う存分探究を深めていく
    人ととの関わりが苦手な十兵衛は一人山に入り天狗に出会い世界が少しずつ広がっていく 師である桃洞はいつでも十兵衛の良き理解者であり続ける
    挿絵は全て十兵衛改 翠山の画だった

    0
    2025年12月02日

    Posted by ブクログ

    泉鏡花文学賞

    泉鏡花文学賞授賞式にて、木内昇さんのスピーチを拝聴。
    生木内昇さんはやはり素敵だった。
    コロナ禍で、いろいろなことがあったにもかかわらず、今まで邪魔で、いっそコンクリートで埋めようかと思っていたほどの庭の雑草が逞しく育っているのを見て、救われたとのこと。それもあって、この作品を書かれ

    0
    2025年11月29日

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