よこまち余話

よこまち余話

726円 (税込)

3pt

【各紙誌で話題を呼んだ哀しくも愛しい物語】

その人は、もういないかもしれない。
もういなくても――確かにここにいた。

お針子の齣江や向かいの老婆トメさんが、
いつ、どこから来て棲み始めたのか、
長屋の誰も知らない。
正体不明の男「雨降らし」が門口に立つとき、
そこには必ず不思議が起こる。

少しずつ姿を変える日々の営みの中に、
ふと立ち上る誰かの面影。
時を超え、降り積もる人々の思い。

路地にあやかしの鈴が響き、
彼女はふたたび彼と出会う――。

「いつかの人々」が囁きかけてくる感動長篇。

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よこまち余話 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    摩訶不思議な時間や存在が
    手触り感をもって
    通り過ぎていく小説。

    この世ならぬ世界とこの世を
    結ぶ、能の力も描かれ
    とても魅力的な世界観

    0
    2025年05月05日

    Posted by ブクログ

    江戸から明治くらいの時期、洋装と和装が混じるくらいの時代、とある長屋での物語。
    あっちの世界とこっちの世界と、いろんな時代が入り乱れるなか、想いを残したひとたちと、それに触れる人々。あまりに余白が深い物語で幻想的で切なくて、久々に引きずっている。
    もう1回読もうかな…

    0
    2025年03月22日

    Posted by ブクログ

    儚くて慕わしい日々、いつかの誰かの…。
    ちょうど夏が終わるころに読めたのも、良かった。

    お能の描写がとても魅力的で、初めて興味を持った。

    0
    2023年11月10日

    Posted by ブクログ

    連作短編集。ふと曲がった路地で歪んだ時間軸に知らずに迷い込んでしまったような摩訶不思議な感覚 寂しさ 暖かさ 懐かしさ 読んだ後に色々な余韻を残してくれるしみじみ味わい深い作品でした 何度も読み返すと思います。

    0
    2023年08月05日

    Posted by ブクログ

    深い余韻を残す物語でした。物語の世界に引き込まれしばらくずっと考えてました。この作品から木内昇さんの作品をコツコツ読んでいます。

    0
    2023年06月01日

    Posted by ブクログ

    「違う世界へ出ちまうんじゃないか」と案ずる浩三少年。自らの影と会話できる彼だからこそ経験できた不思議な世界。時代は明治・大正だろうか。江戸言葉が残り、暗闇の中に異世界の入り口がぽっかり開いているような世界観が良かった。齣江やトメ婆さんは……逆神隠しと言えばよいだろうか? 全体的に美しい文体で、中でも

    0
    2023年05月03日

    Posted by ブクログ

    「長年着てる紋紗さ。糊をきかせてもらったからそう見えるだけだろう。もうすぐ季節がいっちまうからね、夏のものをしゃんと着て見送らないと。
    季節が移るときってのは大概、逝っちまう季節はくたびれきっているんだ。だからせめてあたしらがその季節の着物を粋に着て見送ってやらなきゃいけない。くたった単衣なんぞ着て

    0
    2021年09月07日

    Posted by ブクログ

    長屋のある路地で繰り返される、日々の営み、季節のめぐり、育ってゆく若者といった現実の中で、ふと現れるふしぎな出来事。"ふしぎさ"が最初は見間違いかとも思える丸窓や薪能などちょっとしたことだったのに、次第に"あきらかに現実的でない"度合いを増していくのがドキドキ

    0
    2020年05月07日

    Posted by ブクログ

    この前に読んでいた本(『失われたものたちの本』)とは全く違う世界。
    とまどいながら読み始めたが、この余白の多い物語にぐっと引き込まれる。
    語りすぎず、語らなさすぎず。
    想像しながら読む楽しさ。
    最後までおもしろく読んだ。

    読み進めるうちに、全く違うと思っていた『失われたものたちの本』と通ずるものを

    0
    2024年03月09日

    Posted by ブクログ

    味わい深い。
    江戸を少し残したような時代の、うらぶれた長屋が舞台なのかな?
    SFのような、怪談のような、ファンタジーのような。
    淡々と日常の生活が活写されていくなかで、少しの不思議が混じっている感じ。
    まだ闇が大きくて深かった時代の雰囲気が、とても味わい深かった。
    テンポよく読める、先が気になるよう

    0
    2023年08月12日

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