木内昇のレビュー一覧
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ネタバレ現在、大河ドラマ『新選組!』にハマっている私が、組!が好きなら是非この本も、とSNSのフォロワーさんからおすすめされて読んだ小説。
タイトルにある「青嵐」とは、「初夏の青葉を揺すって吹き渡るやや強い風」のことだそう(コトバンク参照)
なるほど、登場人物それぞれ青さがある……!
永倉新八は自分は普通の人間、周りの人達のようになにかに秀でているわけではないと思い込み、序盤の土方歳三は定職に就けず家族から白い目で見られていて……
アイデンティティの揺れや自己評価の低さに共感できる部分があると思った。
そして、自己評価と他者から見た様子のギャップが面白いな……と感じた
(例えば、沖田・斎藤は永倉新 -
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文学作品の中から
ある一単語を抜き出し、
それを軸に文学作品と木内さんとのかかわりを語る。
いわゆる“文豪”といわれる方々の作品は
なかなか読み方がわからなかったり、
現代人には難しい本も多いので、
そこに一定の角度をつけてくれるのはありがたい。
この本はそこでとどまらず。
最後に収録されているのは竹内浩三「筑波日記」
大正10年に生を受けた彼の
簡単な生い立ちと作品について語られた後、
軍隊入隊後の筑波での訓練に明け暮れた日々を綴った
日記が紹介される。
作らない 飾らない 騙らない
いろいろと修飾できなくもないけれど、
どれも相応しいとは思えない。
いま、そこにある、戦争というもの -
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ネタバレ「生きとるものは、そう容易く括れんのよ」
実在の本草学者、畔田翠山(幼名十兵衛)を主人公にした、少し幻想譚も混じった歴史小説。
主人公は人との交わりが下手、自分の感情を表情や言葉にするのが苦手で、嫌いな言葉だが今ならコミュ障と揶揄されるタイプの人物。だが、その観察力や洞察力や粘り強さなど、本草を学ぶ素質に溢れており、師匠の桃洞先生はしっかりとそれを認めていて、導いていく様子はとても良い。
桃洞先生の孫、良直がまたいい味出してるんよねぇ、要らんことばっかり言うし、しゃべり方はケンカ腰が常で否定から会話を始め寄るし、どっちか言うたら彼の方がコミュ障っ気があると思うんだが…。それでも、コメディリ -
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私の初めて読んだ時代小説!
歴史小説であるが故に、登場人物たちの最後の結末はすでに決まっているものだったから覚悟しつつ読み進めていってたが、しんどいものはしんどい。一人一人の内面に焦点を向けて書かれているせいで、知らず知らずのうちにそれぞれに感情移入していくものだから、一人倒れ、二人倒れ……としていくのがまぁ本当に辛いししんみりと悲しい。が、それこそが魅力的であり、好きになるんだろうなぁと。判官贔屓といいたまえよ。
悲劇性を書きたいのではなく、どこにでもいる、それこそ現代にいる様な悩みを抱えた若い人たちが、時代の勝者にはなれずとも、目指したものに進んでいく様がかきたかったのかなぁと勝手に思った -
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「あの本、読みました?」という番組の中で、鈴木保奈美さんが「朝ドラみたい!」と仰っていたが、言い得て妙。まさにそんな感じの小説だった。
元やり投げの選手で「男女」とも言われるほど体格のよい悌子。一方、身体が弱く細く、そのため戦争に行くこともなく、後ろ指を指されながらブラブラしている権蔵。
この二人を中心に物語は交互に進んでいく。
舞台は東京、武蔵野。時代は昭和初期から戦後まで。時にクスリと笑えて、時に涙ぐみ、読み終わった時には「ああ~この続きが知りたい・・」と思ってしまった。556ページの大作だが、あっという間に読み終えた。気づけば半徹夜。
分かりやすいヒール役は教頭先生とモブの子供た -
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鈴木保奈美さん曰く「読む朝ドラ」
戦中戦後の日本。市井の人々を描く。
元槍投げ選手でガタイの良い母、悌子。
ちょっと頼りないけど
優しい父、権蔵。
真っ直ぐに育った清太。
この三人を取り巻く人々が、
また個性的で優しい。
親なら誰でも
悩みながら、正解のない子育てをしていく。育て方に100%の自信なんてないけど、
子を思う気持ちさえあれば、
きっと愛情として届くはず。
我が子にも届いていたら良いな。
かたばみ、変なタイトルだと思ったけど、
読後には
「最高のタイトルじゃん!」って思った。
登場人物のみんなが
相手を思い遣り、
前向きに生きている。
それを木内昇さんが
上手く描いてくれ -
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主人公は、和歌山の本草学者、畔田翠山。
植物だけでなく、自然の姿そのものに惹かれ、研究する、博物学者といったほうがいいかもしれない。人付き合いが苦手であったと伝わる。そこで、人ではないものと通じる、という設定になっている。中島京子さんの『かたづの』はカモシカと言葉を交わす設定であったが、これも大好物な世界観だった。
舞台は紀ノ國。赴くのは白山や高野山、師である小原桃洞や、京都の本草家山本亡洋は実在の人物だし、植物採集に赴く地も現実である。
そこで交わす植物や、自然の象徴でもある天狗との交流が、翠山の研究理念に関わる、重要な部分を担っている。
百姓娘、お妙との交流も切ない。
ここに出てくる植物 -
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ネタバレ表紙からしてちょっと不思議風味
人と交わるのが苦手で、草木と語らう方が好きな十兵衛が
山で出会ったのは天狗だった。
畔田翠山という実在の人物を基にした物語
作中の画は実際彼の描いたもの
こーゆー丁寧にしっかり見て描けるっていいよなーーっと思う
亡くなった父が蔓をつたって降りてきて
語らったりとか、ちょっと梨木さんの掛け軸から現る友人とか思い出した。
こーゆーするりと現にそうじゃないものが入り込んでくるところめっっちゃ好きー
結構自己評価低めな割に結局一度も自分を曲げてない感のある十兵衛、いいわー
折々に、ちょっとずつ草木だけじゃなくていろんなものが見えてきてなんとゆーか心がレベルアップ?してく -
Posted by ブクログ
ネタバレ以前、文庫版で読んだけれど、単行本で再版になったのでまた読みたくなって。
文化・文政、あるいは天保あたりの、ある一年間の主婦の日記である。
江戸の行事や風物詩が細かに描かれ、江戸庶民の暮らしが偲ばれる。
日記の書き手は、お葛(かつ)27歳。亭主・辰三(たつぞう)と、神田で小間物屋を営む。十歳の長男・辰吉(たつきち)、七歳の長女・お延(おのぶ)、住み込みの使用人・清(せい)さん(30歳?)との五人暮らし。
・よく登場するお恒(つね)さんは、大店の扇子屋のお内儀で、地主。差配は大家に任せている。
・大家さんはおおらかで頼りになるいい人だが、お内儀さんのお佳(よし)さんは、憎まれ口と眉間のシワがす -
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太平洋戦争が始まった時ペルリによって武力的に開国を迫られた我が国の、これこそ最初にして最大の苛烈極まる返答であり復讐 維新以来我ら祖先の抱いた無念の思いを、一挙にして晴すべきときが来たと喜ぶ者もいた。実に執念深いと思うが、昭和初期の人々からすれば、幕末の出来事などまだ身近だった。
さて、その不平等条約の数々は、どのようにして結ばれたのか。長らく続けていた鎖国を外圧により開かされ、急遽幕府は外交を司る新たな部局を設けた。しかし何分経験者が少なく、これまた鎖国の影響で、どの国とどの国の仲が悪いのか、など基本的な外国事情がさっぱりわからない。下手をすると貿易をしている薩摩の方が通じているくらいだ