木内昇のレビュー一覧

  • かたばみ

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    これは良い話♡それも押し付けがましさがない!
    NHK朝ドラの原作に推したい!…そうでした、朝ドラは原作がないのよね、確か。

    戦争が激しくなる気配の昭和18年〜物語は始まる。
    悌子(ていこ)は槍投げの選手、オリンピックを夢見るがケガで断念する。その悌子と家族の物語。

    戦争中の小学生たちとの関わり。
    自分が教えていたことが覆る戦後。
    悌子を支える家族との絆…それは実の親とは限らない。権蔵、いいね! 

    昭和33年まで清々しく、それは飽きることなく550ページに綴られていた! オススメ!

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    2025年11月27日
  • かたばみ

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    悌子のいつも本当の教育はどうすれば良いのかと悩んでいる真っ直ぐさが好きだなぁ‼️
    度々心に残る場面が出てきて泣いたり笑ったり良い時間を過ごせました

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    2025年11月23日
  • かたばみ

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    鈴木保奈美さん曰く「読む朝ドラ」
    戦中戦後の日本。市井の人々を描く。

    元槍投げ選手でガタイの良い母、悌子。
    ちょっと頼りないけど
    優しい父、権蔵。
    真っ直ぐに育った清太。

    この三人を取り巻く人々が、
    また個性的で優しい。

    親なら誰でも
    悩みながら、正解のない子育てをしていく。育て方に100%の自信なんてないけど、
    子を思う気持ちさえあれば、
    きっと愛情として届くはず。

    我が子にも届いていたら良いな。
    かたばみ、変なタイトルだと思ったけど、
    読後には
    「最高のタイトルじゃん!」って思った。

    登場人物のみんなが
    相手を思い遣り、
    前向きに生きている。
    それを木内昇さんが
    上手く描いてくれ

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    2025年11月22日
  • 奇のくに風土記

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    主人公は、和歌山の本草学者、畔田翠山。
    植物だけでなく、自然の姿そのものに惹かれ、研究する、博物学者といったほうがいいかもしれない。人付き合いが苦手であったと伝わる。そこで、人ではないものと通じる、という設定になっている。中島京子さんの『かたづの』はカモシカと言葉を交わす設定であったが、これも大好物な世界観だった。

    舞台は紀ノ國。赴くのは白山や高野山、師である小原桃洞や、京都の本草家山本亡洋は実在の人物だし、植物採集に赴く地も現実である。
    そこで交わす植物や、自然の象徴でもある天狗との交流が、翠山の研究理念に関わる、重要な部分を担っている。
    百姓娘、お妙との交流も切ない。
    ここに出てくる植物

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    2025年11月17日
  • 奇のくに風土記

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    読み始めて、大好きな「家守奇譚」を思い出しました。ただひたむきに植物に向ける愛情に、不思議な現象もなんだか不自然ではなく、すーっと受け入れられて清浄な気持ちになりました。

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    2025年11月04日
  • 櫛挽道守

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    鈴木結生 小説が生まれるまで講演会行ってきました。引用がキーワードで登場人物を色で分けて筆もその色で書く 中学で本を読み終えたととか大学一年で卒論書き上げて小説を書き始める現在大学院でシェークスピアの研究するとか 楽しかった 恐るべし24歳

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    2025年10月25日
  • 奇のくに風土記

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    ネタバレ

    表紙からしてちょっと不思議風味
    人と交わるのが苦手で、草木と語らう方が好きな十兵衛が
    山で出会ったのは天狗だった。
    畔田翠山という実在の人物を基にした物語
    作中の画は実際彼の描いたもの
    こーゆー丁寧にしっかり見て描けるっていいよなーーっと思う
    亡くなった父が蔓をつたって降りてきて
    語らったりとか、ちょっと梨木さんの掛け軸から現る友人とか思い出した。
    こーゆーするりと現にそうじゃないものが入り込んでくるところめっっちゃ好きー
    結構自己評価低めな割に結局一度も自分を曲げてない感のある十兵衛、いいわー
    折々に、ちょっとずつ草木だけじゃなくていろんなものが見えてきてなんとゆーか心がレベルアップ?してく

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    2025年10月24日
  • 浮世女房洒落日記

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    ネタバレ

    以前、文庫版で読んだけれど、単行本で再版になったのでまた読みたくなって。
    文化・文政、あるいは天保あたりの、ある一年間の主婦の日記である。
    江戸の行事や風物詩が細かに描かれ、江戸庶民の暮らしが偲ばれる。

    日記の書き手は、お葛(かつ)27歳。亭主・辰三(たつぞう)と、神田で小間物屋を営む。十歳の長男・辰吉(たつきち)、七歳の長女・お延(おのぶ)、住み込みの使用人・清(せい)さん(30歳?)との五人暮らし。
    ・よく登場するお恒(つね)さんは、大店の扇子屋のお内儀で、地主。差配は大家に任せている。
    ・大家さんはおおらかで頼りになるいい人だが、お内儀さんのお佳(よし)さんは、憎まれ口と眉間のシワがす

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    2025年10月01日
  • 奇のくに風土記

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    今の自分にとても響く ことばがたくさんあって 嬉しくて ありがたい時間でした。
    物語もとても楽しかった!

    「まことの望みというのは、どういうものか、己の奥底に潜んでなかなか顔を見せてくれんのや。うまいもんが食いたい、喉が渇いたから水を飲みたい、そういった刹那の望みはいくらでも鮮やかに浮かぶんやがな。そこが人の、厄介なところや」

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    2025年09月23日
  • 万波を翔る

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    太平洋戦争が始まった時ペルリによって武力的に開国を迫られた我が国の、これこそ最初にして最大の苛烈極まる返答であり復讐 維新以来我ら祖先の抱いた無念の思いを、一挙にして晴すべきときが来たと喜ぶ者もいた。実に執念深いと思うが、昭和初期の人々からすれば、幕末の出来事などまだ身近だった。

     さて、その不平等条約の数々は、どのようにして結ばれたのか。長らく続けていた鎖国を外圧により開かされ、急遽幕府は外交を司る新たな部局を設けた。しかし何分経験者が少なく、これまた鎖国の影響で、どの国とどの国の仲が悪いのか、など基本的な外国事情がさっぱりわからない。下手をすると貿易をしている薩摩の方が通じているくらいだ

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    2025年09月15日
  • 奇のくに風土記

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    実際の畔田翠山の人生が天狗などの不思議と交わり本草の面白さと共に珠玉の作品となっている.挿画の確かさは言うに及ばず表紙の絵も素晴らしい.
    とても好きです。

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    2025年09月10日
  • かたばみ

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    ネタバレ

    戦前戦後、苦い経験をたくさん重ねて、どんどん家族の絆が強くなっていく。清太の球威を増したボールをへっぴり腰でキャッチする権蔵がいい。たまらなくいい。権蔵と秘密特訓する悌子ももちろんいい。
    権蔵が清太を子ども扱いせずに大人の言葉で話しかける。わからない言葉は辞書でひけと。言葉は自分を支えることがあるからと。どんどん子煩悩になっていく権蔵に感情移入しながら読んでいった。
    悌子の先輩、吉川先生の「少国民である前に、すでにひとりの立派な人間です。」という考え。あの時勢で何人の教師がもっていたんだろう。終戦前は政府の、終戦後はGHQの言いなりになった教頭のような大人が多かったにちがいない。「黙って従って

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    2025年09月05日
  • かたばみ

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    ぜひともNHKの朝ドラにしてほしい。
    キャストは誰がいいかなと考えるのだが、どうにも主人公・山岡悌子のイメージの女優さんを思いつかない。いや、松下由樹さんがピッタリだと思うのだが、少し年齢が合わないか。他にガタイのいい女優さん、いたっけ?
    演技ができれば、オリンピック選手の北口榛花さんがいいかもな。

    第二次世界大戦前後の混乱の中の話。
    後から考えると、主人公・悌子は、意志の強いしっかり者のようでいて、大事な決めごとを決める時には流れに身を任せていることに気づく。この時代においては仕方ないというか、大方の人がそうせざるを得なかったのかもしれない。
    それでも悌子は良い人に囲まれていて、いろいろな

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    2025年08月31日
  • 惣十郎浮世始末

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    面白かったーー!!!

    木内昇さんの作品を読んだのはこれで3作目。今の所、どれも面白い。読後感も良い!
    そして読んだ3作品ともドラマ化してほしい。
    いつもながら、登場人物が魅力的。
    シリーズ化してほしいなぁ。

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    2025年08月21日
  • 球道恋々(新潮文庫)

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    野球の創成期、「野蛮」だの「時間のムダで有害」だのといわれていた時代のお話。主人公は正選手ではなく、現役時代に正選手になれなかったコーチです。

    なにかとモヤモヤ悩んでる主人公、一筋縄ではいかない登場人物たち、家族や職場の人々、派手な展開はないのに読めば読むほどみんな輝いて見えるのです。行間に一人ひとりの人生がにじんでくるかんじ。他の作家ではなかなか味わえない気がします。

    人はどの時代も悩んで成長して挫折して精一杯生きてるんだなとしみじみ思わせてくれる木内作品が大好きです。

    奇しくも「高校野球の弊害」がネットで叫ばれる2025年夏。様々な価値観を飲み込んで、素晴らしいスポーツであり続けてほ

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    2025年08月19日
  • 奇のくに風土記

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    紀伊国(きのくに)の本草学者・畔田翠山(くろだ すいざん)を初めて知った。
    「研究する人」の集中力には、本当に尊敬しかない。

    翠山の幼名は十兵衛。
    人と話すことが苦手で、小さな頃から野山を駆け巡り、草や木を愛でてきた。
    小原桃洞(おはら とうどう)は紀州の藩医。藩の本草局(ほんぞうきょく)に籍を置き、自宅の離れでも塾を開いて本草学を教えている。十兵衛も塾生の一人となり、生涯の師と仰いだ。

    元服の前の年、岩橋(いわせ)の里山にこっそり入って天狗に遭って以来、十兵衛の周りでは不思議なことばかり起きるようになる。
    いや、それはいつでもどこにでも、大昔から普通に存在しているものなのだけれど、十兵衛

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    2025年08月16日
  • かたばみ

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    朝ドラを感じさせる小説だった。そして第二次世界大戦前後を生きる人々の話でもあるため、夏に読むのにぴったりな作品でもあった。クスッと笑え、泣けて、心がじんわりあたたまる。そんなとってもいい作品。色んな人におすすめしたくなった。

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    2025年08月15日
  • かたばみ

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    太平洋戦争の前から、戦後にかけての一つの家族の物語。分厚かったけど、スっと読めて面白かったです。
    登場する人物それぞれが戦争に翻弄されながらも、あまり悲惨さを前面に出さずに、築かれてきた絆の深さと人間としての成長を感じられてホッコリしました。

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    2025年08月07日
  • 奇のくに風土記

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    遠野物語、
    忘れられた日本人、
    北国雪譜、
    牧野富太郎さんの植物図譜、
    世阿弥さんのお能の作品、
    そんなこんなを
    手元に引き寄せて
    一編の物語に昇華すると
    このようになるのでしょうね
    まことに 絶品です。


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    2025年08月07日
  • 雪夢往来

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    北越雪譜 を書いた越後の鈴木牧之の物語。
    多くの江戸時代の書き手、絵師、版元が出てくる。
    今話題の蔦重も。
    特別な職業の人々に焦点を当てつつ、時代の暮らしぶりや生き様をありありと見せてくれる。それぞれまじめで質素で正直で。
    木内氏の作品は実在の人物を描くことが多いが、今の日本を作ってきた人々への敬意が伝わってこちらの胸を打つ。

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    2025年08月03日