木内昇のレビュー一覧
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本草学者・畔田翠山の幼少期(十兵衛)からの半生に付き添っているかのような読書体験だった。
植物にひたむきで学問に才能があるものの、人と話すことが苦手な十兵衛。ほかの塾生には色々言われ思われながらも、理解のある師・桃洞に助けられつついろんな人に関わりながら少しずつ成長してゆく。
その中で、薬になる植物のことはもちろん、果物やはたまた魚類(書中では水族と呼ぶ)などなど多岐な自然をテーマしていますのでそういうものに興味のある方にもいいかも。
また、天狗が出てきたり、意思を持ったような葛が天まで伸びたり、その蔓から亡き父が降りてきて語り合ったりと、霊的な出来事も起こります。ちらっと梨木香歩の『家 -
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ネタバレ木内さんの本ーっと思って手にとる
北国に住む商人が江戸の人たちのあまりの北国の知識のなさに地元の風俗、説話などをまとめた本を作ることを夢見る話
山東京伝、十辺舎一九、滝沢馬琴、など聞いたことのある戯作者が出てくる
え?え?というほどに話が進まない
進んだと思ったら頓挫
江戸と越後の距離が今感じるよりもっと遠いのだろう
どうなってますか、と手紙を出すと、その人はもう死にましたという答えが剣もほろろに帰ってくる
かわいそすぎるーーーー
なんとびっくりそれで40ねん
おいおい、である。
大変である。
そして馬琴がめっちゃやなやつなのである。
ちょい前に八犬伝の映画で役所さんの馬琴を観てたので
そのギ -
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ネタバレいつもながら登場人物の設定や時代背景がちゃんと描かれていて安心して読めた。この登場人物、この話の流れで絶対悪い結末にならないという安心感もあった。長いししんどいシーンもあるけど、気持ちが疲れた時にやさしく寄り添うような読後感。
戦後が舞台だが、悌子と周りの人達が、自分らしく生きるために女性も働くことを是とし、「分担」という大仰な言葉なしに自然に家事育児を手分けしているのも良かった。
悌子や権蔵は序盤の際立った個性が、清太を引き取ってからだんだんなくなって、権蔵に至っては頼りないキャラだったのにいつのまにか声なき声を代弁するポジションに収まって(体力ないのにそんなに仕事できる??)ちょっと綺麗 -
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ネタバレHKさんのおすすめ。
下手人をあげることよりも、手柄を立てる事よりも、
自分がひっかかった何かを追い続ける同心惣十郎。
薬問屋での火事で死んだ二人のうち、
番頭は火事の前に殺されており、主人は別人の疑いがあり、
挙動のおかしい手代に目をつける。
怖がりで人を疑うことを知らない小者と、
元巾着切りで人を見る目のある岡っ引きの二人を使って、
ひとつづつ謎を解いていく。
惣十郎の妻が病死したことは、
あくまでも主人公のサイドストーリーであり、
本筋の薬問屋の殺しや種痘に関わってくるとは思っていなかったので、
もっと面白いと思ってもよいはずなのだがどうもすっきりしない。
それは登場人物の輪郭線 -
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▼木内昇さんが「捕物帳」を書いたらしい、ということで店頭で衝動買い。木内さんらしい捕物帳。地味と言えば地味。でも大いに楽しみました。
▼相当に江戸時代の警察組織については木内さんなりに調べはったんだろうなあ、という内容で、原則的には、お仕事リアリズムに基づいて書かれています。主人公の惣十郎さんは、内勤の書類仕事も多いし、いつでもなんでも浪人に変装して単身現場に乗り込むような長谷川平蔵現象は起こさないし、そもそも毎度毎度白刃を振り回して生死の境をくぐるような生活ではありません。捜査実際のほとんどは、部下のいわゆる「目明し」、十手持ちがきちんと上意下達で行います。(「密偵」ではありません)
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