木内昇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレいつもながら登場人物の設定や時代背景がちゃんと描かれていて安心して読めた。この登場人物、この話の流れで絶対悪い結末にならないという安心感もあった。長いししんどいシーンもあるけど、気持ちが疲れた時にやさしく寄り添うような読後感。
戦後が舞台だが、悌子と周りの人達が、自分らしく生きるために女性も働くことを是とし、「分担」という大仰な言葉なしに自然に家事育児を手分けしているのも良かった。
悌子や権蔵は序盤の際立った個性が、清太を引き取ってからだんだんなくなって、権蔵に至っては頼りないキャラだったのにいつのまにか声なき声を代弁するポジションに収まって(体力ないのにそんなに仕事できる??)ちょっと綺麗 -
Posted by ブクログ
ネタバレHKさんのおすすめ。
下手人をあげることよりも、手柄を立てる事よりも、
自分がひっかかった何かを追い続ける同心惣十郎。
薬問屋での火事で死んだ二人のうち、
番頭は火事の前に殺されており、主人は別人の疑いがあり、
挙動のおかしい手代に目をつける。
怖がりで人を疑うことを知らない小者と、
元巾着切りで人を見る目のある岡っ引きの二人を使って、
ひとつづつ謎を解いていく。
惣十郎の妻が病死したことは、
あくまでも主人公のサイドストーリーであり、
本筋の薬問屋の殺しや種痘に関わってくるとは思っていなかったので、
もっと面白いと思ってもよいはずなのだがどうもすっきりしない。
それは登場人物の輪郭線 -
Posted by ブクログ
▼木内昇さんが「捕物帳」を書いたらしい、ということで店頭で衝動買い。木内さんらしい捕物帳。地味と言えば地味。でも大いに楽しみました。
▼相当に江戸時代の警察組織については木内さんなりに調べはったんだろうなあ、という内容で、原則的には、お仕事リアリズムに基づいて書かれています。主人公の惣十郎さんは、内勤の書類仕事も多いし、いつでもなんでも浪人に変装して単身現場に乗り込むような長谷川平蔵現象は起こさないし、そもそも毎度毎度白刃を振り回して生死の境をくぐるような生活ではありません。捜査実際のほとんどは、部下のいわゆる「目明し」、十手持ちがきちんと上意下達で行います。(「密偵」ではありません)
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Posted by ブクログ
みんみん激ハマり中の木内昇さんを初読
いやー、しかしあれよ
4月頭は仕事が忙しくてね
もうクタクタだったのよ
そんな中、本を読んでも中々進まず
日に50ページくらい読んでは、もう無理〜とバタンしてたんだがね
脳が誤解するわけ
だいたい読むのに時間がかかる時ってさ、正直あんまり面白くないと思ってるときなのよ
いや違うのこれは疲れてるだけなのって思っても、脳が勝手に「これは面白くないからだ!」と認識しちゃうのよ
なので休養充分で読んだら、ほらやっぱり面白い
時代は幕末の外交を舞台にしたお話なんですが、先日読んだ今野敏さんの『海風』と全く同じ舞台で、敏さんと比べるとさすがに達者だな〜と感じ入