【感想・ネタバレ】雪夢往来のレビュー

あらすじ

江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続け――のちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格時代長篇。

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北越雪譜 を書いた越後の鈴木牧之の物語。
多くの江戸時代の書き手、絵師、版元が出てくる。
今話題の蔦重も。
特別な職業の人々に焦点を当てつつ、時代の暮らしぶりや生き様をありありと見せてくれる。それぞれまじめで質素で正直で。
木内氏の作品は実在の人物を描くことが多いが、今の日本を作ってきた人々への敬意が伝わってこちらの胸を打つ。

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2025年08月03日

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ネタバレ

江戸時代の後期、越後国の生活風俗を描いた「北越雪譜」という本が鈴木牧之(儀三治)という作家によって書かれ刊行されているという史実に基づき、刊行までの紆余曲折を描いた小説。

鈴木牧之という作家や北越雪譜という本は全く知らなかったが、刊行に至るまでの紆余曲折には山東京伝や曲亭馬琴、京伝の弟京山、十返舎一九や二代目の蔦屋など、そうそうたるメンバー(タイムリーなことに大河ドラマの直後あたり)が関わっていて、谷津矢車の「蔦屋」をこないだ読んだことも重なり、意外な縁を感じて読むことができた。

京伝が刊行を約束してから40年…雪国の人は粘り強いと聞くが、それにしてもよく辛抱したものだ。丁寧に根気よく気持ちを込めて研鑽を重ねた文章の魔力ともいうべきか。

それにしても馬琴のクソっぷりは腹立ち臨界点を超えて、呆れ笑いの境地に達する。今もいるよなぁ、こういう人格が破綻した天才。

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2025年08月02日

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本当にこの人の本は毎度毎度、心深く揺さぶられる

一生をかけて励んだものが実を結んだことではなく、一生をかけて夢中になれるものがあったこと

雪国の深みに思いを馳せる

地に足をつけながらも、一生をかけて夢に向き合ってきたこと

各々が各々なりの道に実直に向き合う姿
どんな人物であれ、木内昇さんの話に出てくる人たちはとても大切な同胞のように感じられる

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2025年06月05日

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昔、どういうきっかけで手に取ったのか「北越雪譜」を読んだことがあって、原野に燃える火の話は覚えていました。新潟は石油(臭水)が出るので、夏に原油が自然発火するのでしょう。猫又がなぜ出るかはわかりませんが⋯w

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2025年04月20日

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主人公鈴木牧之と、彼と関わっていく周りの人々の思いを丹念に辿り、胸を打たれた。苦労して悩んでいても、一つのことに夢中になれるのは幸せだと思う。

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2025年03月29日

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木内昇さんの作品にはハズレがない。
ある本読み人にいただいたお言葉です。
むろん、今回もおっしゃる通りでした。
巻末の参考文献のきらびやかなこと、
とても足元に及びもつきませんが、
断片的に、そのお名前だけは存じ上げている
方達が、木内さんの深い洞察としなやかな想像力によって、その時代に現れ出でる。
しかも、その主要なお一人が鈴木牧之さん、
もうそれだけでも嬉しいことなのに、
その牧之さんが暮らした時代の了見が見事に描き出される、
そんな極上の一冊でありました。

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2025年03月23日

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刊行を夢みて執筆を続ける鈴木牧之。夢叶うまで40年。我慢強く、諦めない彼の執念に感心するも、やきもきが続く。江戸で活躍中の山東京伝や十辺舎一九らとの交流は微笑ましいが、粘着質な滝沢馬琴の偏屈極まりない人格に辟易。越後の『雪話』が一冊の本になるまでの過程を丁寧に描く著者の妙味に感服。

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2025年01月29日

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江戸時代、越後の鈴木牧之が地元の雪や生活の様子を書いて書物になるまでの長い長いお話。
巻末の装画の記載を目にして鳥肌がたった。ずっと気がつかなかった。牧之さん、本当によかったね。

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2025年01月25日

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おもしろかった。
一気読みでした。
木内昇さんの新刊なので
迷いなく手にした一冊。

刊行するまで40年を要した
『北越雪譜』
ー江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたいー
鈴木牧之はその思いを胸に諦めず書き続けた。

『北越雪譜』
勉強不足でどのような物か知らなかった。
それにしても、しつこく書き続
刊行に漕ぎつけた鈴木牧之には頭が下がる。

天才肌の戯作者・山東京伝。
反対に努力型の曲亭馬琴。
その対比もおもしろく、当時の出版業界の様子を知ることもできる。
木内さんのおかげでまた世界が広がった。

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2025年01月26日

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物語は蔦屋重三郎の死後、山東京伝や曲亭馬琴などの戯作者が活躍している江戸後期時期。京伝は押しも押されぬ人気作家であり、馬琴は『南総里見八犬伝』の執筆を始めようかという時期。

当時の新潟といえば、江戸からしてみれば未知の国。豪雪地帯での暮らしなど想像もつかない。さらに鈴木牧之が物語ではない、現(うつつ)であると語っている奇譚。送られてくる物語に惹かれた京伝は、出版を試みるが、実績のない書き手であるので、伝手のある出版社は何色を示すばかり。京伝の死後は、馬琴が引き受けたかに見えたが・・・。

内容についてはここで書けないが、いやもう、読んでいて儀三治(鈴木牧之)の胸の内を図ると、如何ともし難い心にさせられる。彼はきちんと商売をしながら、心の赴くままに雪国のことを書き溜め、絵にしていった。その真摯な心とどこまでも生真面目な人柄は、文章の固さにも現れ、文学的要素に乏しかったかもしれないが、その生真面目さが、山東京伝や馬琴の心を動かしたのだと思う。しかしその後、こうも長引くとは。

山東京伝や曲亭馬琴、そして鈴木牧之が交互に語られ、時が進んでいく。牧之の思惑がなかなか江戸に伝わらない様子や、江戸からの文の内容に疑心暗鬼に陥ったり、出版に至るまでの長すぎる道程。『北越雪譜』となるべき原稿の行方についても衝撃的な展開が訪れる。
どの人物の心も細やかに描かれ、山東京伝や曲亭馬琴、そして山東京伝の弟である京山は、こういう人だったに違いないと思わせる、木内昇の筆が冴え渡る。
満足できる一冊だった。

馬琴については過去に下記の2冊を読んだが、木内昇の馬琴が一番辛辣であった。

『曲亭の家』 西条奈加
『秘密の花園』 朝井まかて

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2025年01月12日

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越後の庄屋が江戸に渡り、江戸の人々が江戸と上方以外のことを何にも知らないことに驚き、憤慨し、日々の生活を書きつけたものを刊行したいと奮闘する物語。江戸では戯作者として名高い山東京伝と曲亭馬琴の確執、加えて、絵師、版元なども登場する。人生の紆余曲折が描かれているのだが、一生懸命生きて、何かを残し、そして死んでいくのだなあということが今更ながらに思われる。良き伴侶を得たり、相性が合わなかったり、子どもを失ったり、病気になったり。それでも、一生懸命取り組むものがあることが幸せなんでしょう。

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2025年10月11日

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ネタバレ

木内さんの本ーっと思って手にとる
北国に住む商人が江戸の人たちのあまりの北国の知識のなさに地元の風俗、説話などをまとめた本を作ることを夢見る話
山東京伝、十辺舎一九、滝沢馬琴、など聞いたことのある戯作者が出てくる
え?え?というほどに話が進まない
進んだと思ったら頓挫
江戸と越後の距離が今感じるよりもっと遠いのだろう
どうなってますか、と手紙を出すと、その人はもう死にましたという答えが剣もほろろに帰ってくる
かわいそすぎるーーーー
なんとびっくりそれで40ねん
おいおい、である。
大変である。
そして馬琴がめっちゃやなやつなのである。
ちょい前に八犬伝の映画で役所さんの馬琴を観てたので
そのギャップを自分の中で埋めるのがちょっと大変だった
越後の物書きと江戸の物書きとの心温まる交流になって
いくかと思いきや、何度も何度も話が頓挫するので
なんとゆーか、立場が違うもの達がわかりあうって難しいんだろうなーっと
物書きたちのいろんな悩みとか葛藤とかそーゆーのてんこ盛り
京伝の弟を想う気持ちが百合には一切通じてないのが悲しい
まあ、同じ人を大事に思ったとして、あくまでそれは自分にとっての相手だからなーー
子を生めなかった女の鬱屈が悪い方に向かっちゃったなーー
まあ、わからんでもないけど、親戚の子を可愛がる方に行けば自分を幸せにできたのになあーー
結局自分を不幸にするのは自分かもね
私はできれば無理やりにでも自分を幸せにしたいけどなーー
最後の最後、ようやく京山さんと書き者同士の心の交流が
できて牧之さん、良かったね
これはフィクションだけど鈴木牧之さんは記念館もあるほどの方で北越雪譜と言うのも本当に出版されたもののようなのでそこをもとに作られた物語なのだろう

そこからこんないろんな人を描き出してくる木内さんは
やっぱすごいよなーーー

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2025年08月03日

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山東京伝の伸びやかで自由な才能、曲亭馬琴の戯作への執念と業、鈴木牧之の江戸、著作への羨望などが詰まってお腹いっぱいの物語。いつまで経っても本にならない焦燥感、よくぞ京山本にしてくれたと思う。間に合って本当に良かったです。
方言や言い回しなど人物に合わせて巧みだ。心理描写物語まるでそうだったかのよう。いつもながら木内氏の作品は面白い。

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2025年04月13日

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刊行まで40年!いや〜長かった(゚A゚;)途中、コイツ嫌なヤツヽ(`Д´#)ノ ムキー!!と思うところが沢山あったけれど、生活費はきちんと稼いで、書き続ける鈴木牧之は凄い!羨ましい!今ならネット上でサラッと発表できるのにね(´Д`)「北越雪譜」近いうちに手に入れなきゃ(๑•̀ㅂ•́)و✧

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2025年04月10日

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ここでの曲亭馬琴といったら呆れるの通り越して笑っちゃう。『南総里見八犬伝』で仁義礼智忠信孝悌を唱えながら、馬琴自身にはすべてが欠けてるぞ。ああそうか、智はあるのか。あれだけの戯作を編み続けたのだから。あと、自らの創作に関しては、才のみならず信、譲れぬ信念もあったんでしょう。妥協のない校合に板元はうんざりだったようだけど。いずれにせよ、他者を敬い思いやる心根が著しく欠落している。牧之さんは最後報われて本当によかった。その忍耐を称えつつ、お人好しもここまでかと思った。でも、上板に至るのはこれほど大変なのだね。

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2025年04月01日

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四十年!!
鈴木牧之の「北越雪譜」が世に出るまでの年数である。なんと長きに渡って翻弄され続けたことか。
それでも彼は粘り強く,諦めることなく、生きてこの本の成功を味合うことが出来た。

当時の江戸出版界の様子も描かれる。     山東京伝、十返舎一九、滝沢馬琴と言ったあの当時のスター達も共演。牧之との根の深い絡みも。お互いの意地、張り合い,足の引っ張り合い。なかなか同業者同士はいつの時代も大変だ。

「北越雪譜」の題名だけちらっと聞いたことがあったので手に取ってみたが この様な展開が待っていたとは。でも牧之は頑張った!

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2025年03月14日

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 最近宮田珠己さんの本で、江戸後期に鈴木牧之なる人が書いた『秋山記行』という民俗誌的な本があるということを知った。娯楽として“面白そう”とまでは思わなかったため、読みたい本リストには入れずメモもしていなかったものの、なんとなく気になって覚えていたら、木内昇さんの新刊の主人公になっているではないか。運命!
 しかも、よくよく見ると今の大河ドラマ「べらぼう」に近い時代設定。初代蔦重は亡くなってしまっているが耕書堂は二代目が継いでおり、西村屋だの鱗形屋だの、ドラマで現在進行中のストーリーに登場する本屋さんの屋号も出てきて、常なら頭に入りづらそうな名前や人間関係もスッと馴染み、読むならまさに今!という感じ。
 歴史の教科書で見たなという程度にしか知らなかった山東京伝や曲亭馬琴といった戯作者たちも生き生きと描かれ、江戸町人になって彼らの本をあれこれ読んでみたいなあと思った。同じく木内昇さんの『浮世女房世話日記』は、まさに読者の立場で京伝や馬琴の本の感想など書いてあった記憶がある。そちら読み直しても面白そう。彼らの戯作者としての独白は、木内さん自身の作家としての思いに通じるところもあるのかも、との想像も働く。
 木内さん作品群における「傑作」感はあまり感じなかったが、今の私にぴったりな題材で大変楽しめた。

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2025年02月27日

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越後塩沢で縮の仲買と質屋を営む豪商を継いだ鈴木牧之。

地元の豪雪の中の暮らしを江戸に伝えようと随筆を書き溜め、晩年に版行(板行)した「北越雪譜」の出版にまつわる紆余曲折と、それに関わった江戸の戯作者たちの人間関係を描く。

牧之の依頼を受け、出版の仲介にとどまらず、企画、編集、校正(校合)を行おうとしたのは、当代きっての戯作者である山東京伝や曲亭馬琴たち。
それぞれ乗り気ではあるものの、版元の抵抗に合ったり自らの執筆があったりで話が進まず、十年単位の月日が経つなか京伝や絵師の岡田王山などは道半ばでこの世を去る。

最後に引受けたのは京伝の実弟山東京山。
兄と同じ戯作者だが兄ほどの才能はなく、元武士で実直な性格、作風を持つ。
息子の絵師京水と越後を訪れ二月ほど滞在するなど、真摯により良いものを作ろうとする姿勢は京山親子の責任感や真面目な性格の表れだったろう。

巡り合せに恵まれない牧之の板行にかかる境遇には同情を禁じ得ないが、人生の幕が下りる前に京山という人を得、「北越雪譜」の出版にこぎ着け、あまつさえそれが江戸の地で評判となり続編の出版に至ったことは、牧之にとってどれほどの喜びであり誇りであったことか。

京伝に師事した馬琴と、京伝、京山の関係は、それぞれの言い分が異なるため彼らをモデルとする小説でも誰を主人公にするかによって取る立場が違うが、本書は京伝、京山寄りであり、必然的に馬琴は嘘つきの陰謀家として描かれる。

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2025年02月25日

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ネタバレ

「夢というのは一度見てしまうと、そこから逃れられぬものなのかもしれぬ」
とはいえ、刊行までに四十年も経とうとは。ここまでくると"夢"よりも執念が勝っているのでは。
"越後の鈴木牧之"この名は今回初めて知った。
山東京伝や滝沢馬琴などこの時代の名だたる作家たちを巻き込んでようやく日の目を見た大作『北越雪譜』。"鈴木牧之記念館"も建っているようで、今も彼の地の人たちに親しまれていると思うと他人事ながら嬉しい。

ここ数日日本列島を騒然とさせている最強寒波も、現代の我々はテレビの映像で見ているから各地の状況も知っているけれど、江戸時代には当然知る術もなく。鈴木牧之が江戸の人たちに越後について知らしめたい気持ちもよく分かる。

山東京伝は、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で古川雄大さんが演じるらしいので、古川さんの美しい顔立ちを想像しながら読んだ。もちろん初代蔦重はちょっと老けた感じの横浜流星さんを当てはめて。こうなると滝沢馬琴や十辺舎一九は誰が演じるのか(そもそも出てくるの?)。鈴木牧之はさすがに出て来ないよね、と大河ドラマの先も楽しみになってきた。

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2025年02月08日

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男のロマンの執念たるや!
新潟に越してきて、北越雪譜って?と思ってたらこういう話なんだと興味を持ちました。
ともあれフォーカスが色々あってどんどん読み進みられた。文学史好きにも好まれるだろうなー!

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2025年01月29日

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良いですね。
越後塩沢の商人・鈴木牧之が越後の風俗・奇譚を集めた『北越雪譜』を江戸で出版するまでの40年を描いた作品です。
多くの戯作者、版元が登場します。主人公の鈴木牧之に加え山東京伝とその弟の京山、滝沢馬琴、そして2代目蔦重や文溪堂・丁子屋平兵衛など。特に戯作者についてはその家庭や妻や子も描かれ登場人物の多さにいささか苦戦。また、上手く行きかけては挫折を繰り返す様子を描いた前半はやや冗長な感じもあります。
ようやく出版の夢が叶おうとする前夜。『雪譜』の舞台を我が目に収めるべく越後を訪れた刪定者の山東京山と、中風に倒れ回復途上にある編選者の鈴木牧之の会話。刊行を思い立ってから永い苦難の歳月を経て、年老いた二人が静かに「ものを書く」という事を語り合う姿が妙に印象に残ります。そういえばこの二人に限らず京伝も馬琴も「ものを書く」事について語っています。これがこの小説の主題であり、木内さん自身がこの小説を通して自分にとって「ものを書く」という事は何なのかを見直そうとしているのかもしれません。
それにしても、これまで『秘密の花園』朝井まかてーや『曲亭の家』西條奈加ーでも、主人公でありながら吝嗇や横暴に描かれた滝沢馬琴、今回はまた随分狷介に描かれましたね。まあ史実として仲の悪かった京山側から書かれた物語ですからね。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

曲亭馬琴の破綻者ぶりがすごかった。モラ、毒親、DV、才能はあるが性格が悪すぎてもはやサイコパス。そればかりに気を取られて、肝心の鈴木牧之の地道な生き様が入ってこなかった。笑
ものを生み出す人たちの才能への憧憬、屈折、書くことの純粋な楽しさなどが立ち上ってくる後半はよかったが、
前半の、頓挫からの頓挫は読んでいるこちらがヤキモキしてなかなかページが進まなかった。
馬琴以外の人物が皆地味だったのもあり、才能のある兄としての山東京伝をもう少し見たかった。(すぐに逝ってしまったのは儀三治の無念に呪い殺されたのかと思った。笑)

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2025年10月14日

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40年かけて世に出た鈴木牧之の「北越雪譜」

江戸の人々に雪国・越後の風物や綺談を教えたい
ただそれだけを思い、山東京伝・京山兄弟、馬琴、蔦重などと40年に亘り関わりながらも「北越雪譜」が誕生するまでの話

江戸と越後の距離と、牧之自身の家業がなければ、40年も続けて来られなかったかもしれない
とはいえ40年、ここまで続けられたことが凄い

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2025年05月19日

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去年の大河を見始め、ズブズブとのめり込んだ。
非現実なほどの人物考証が面白く、次jから次へとネットに流される情報を追い続け、些か反省・・NHKの手玉に乗った感ありありで。

元々好きな戯作本の世界、だからこそ、大河はとは全く距離を「大好きな木内さん」の情感の川を泳いだ。

10年ほど前 巻機から苗場、八海山、北信五岳、越後三山と歩いて越後の魅力にぞっこんとなった記憶もある。

天保の飢饉に向かうこの時期、蔦重は既に二代目。
塩澤紬仲買人の儀三次はふるさと越後を知ってほしいとの思いが募り書き始めた雪話で話が始まる。
江戸期の巨星、山東京伝、十返舎一九、そして馬琴という波に翻弄され続けた四〇年は「苦労」の一言ではとても語り切れぬ人生の苦難航路となった。

人間性に問題ありとはいえ、馬琴には散々兄弟揃って罵倒された京伝、京山兄弟、その子まで・・ひたすら苦汁を呑み、忍の一字。

杉本苑子作で「南総里見八犬伝」を執筆する経緯でも見た古老の怨念とも執念ともいえる姿が頭に残っていて、他だもんじゃないという思いは強かったが、更にそれは高まった感ありあり。

でも81歳まで生きたんだぁ!

儀三次=牧之
をあちこちで使い分けている事や山東京伝の妻、子供、弟京山の妻、子供がややこしく、作品の中頃まで今一つも得なかったのは事実。しかし、愚直とあざけられても、なおの事67歳になった京山の執念に、読み法も気持ちが高ぶって行き、そこから滅茶丁寧に読み進めることができた。

現代でも苦節40年はきつい。
作中人物、牧之は晩年、脳卒中で人事不省になるし、京山も耳が聞こえない、手が痺れるなど・・生きていくだけでも栄耀の乏しい時代では厳しかったであろう(馬琴は凄いね)

未読だが作品は「あの緑に雪山がそびえる」越後の情景が丁寧に、美しく語られているであろうことは推すに難くない!

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

『北越雪譜』が刊行されるまでの四十年とそれを通して描かれる江戸の出版業界(特に山東京伝、京山と曲亭馬琴の確執)が面白かった。現代と比べて圧倒的に地方の情報が少なく、また伝わりづらいなか、知って欲しいという一心で綺談を集め、絵まで描いた鈴木牧之の執念と呼んで差し支えない郷里愛は読んでいて胸を打つ。と同時にだからこそ、遠く江戸や大阪で刊行の話が一方的に頓挫したり版元を盥回しにされた事実に悔しい思いがふつふつと湧きもする。馬琴のキャラクターが峻烈で誰よりも目立っていて印象的だった。

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2025年03月06日

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