木内昇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
みんみん激ハマり中の木内昇さんを初読
いやー、しかしあれよ
4月頭は仕事が忙しくてね
もうクタクタだったのよ
そんな中、本を読んでも中々進まず
日に50ページくらい読んでは、もう無理〜とバタンしてたんだがね
脳が誤解するわけ
だいたい読むのに時間がかかる時ってさ、正直あんまり面白くないと思ってるときなのよ
いや違うのこれは疲れてるだけなのって思っても、脳が勝手に「これは面白くないからだ!」と認識しちゃうのよ
なので休養充分で読んだら、ほらやっぱり面白い
時代は幕末の外交を舞台にしたお話なんですが、先日読んだ今野敏さんの『海風』と全く同じ舞台で、敏さんと比べるとさすがに達者だな〜と感じ入る
巻末見たら、ものすごい難しい資料とか読み込んでるし
まぁ、敏さんは敏さんで別の魅力があるんだけどね
主人公田辺太一(もちろん実在の人よ)の半生を通して、自分の中に芯を持つことの大切さを説いています
国としての芯が不安定だった時に、自らの芯を貫いた人で、やっぱりそういう人は名を残すよね
そして木内昇さん、ちょっと調べたら直木賞も獲ってるのね
なかなか堀り甲斐ありそうやな
色々読んでみよう
みんみんが読んでないやつ中心にw -
Posted by ブクログ
最近宮田珠己さんの本で、江戸後期に鈴木牧之なる人が書いた『秋山記行』という民俗誌的な本があるということを知った。娯楽として“面白そう”とまでは思わなかったため、読みたい本リストには入れずメモもしていなかったものの、なんとなく気になって覚えていたら、木内昇さんの新刊の主人公になっているではないか。運命!
しかも、よくよく見ると今の大河ドラマ「べらぼう」に近い時代設定。初代蔦重は亡くなってしまっているが耕書堂は二代目が継いでおり、西村屋だの鱗形屋だの、ドラマで現在進行中のストーリーに登場する本屋さんの屋号も出てきて、常なら頭に入りづらそうな名前や人間関係もスッと馴染み、読むならまさに今!という感じ。
歴史の教科書で見たなという程度にしか知らなかった山東京伝や曲亭馬琴といった戯作者たちも生き生きと描かれ、江戸町人になって彼らの本をあれこれ読んでみたいなあと思った。同じく木内昇さんの『浮世女房世話日記』は、まさに読者の立場で京伝や馬琴の本の感想など書いてあった記憶がある。そちら読み直しても面白そう。彼らの戯作者としての独白は、木内さん自身の作家としての思いに通じるところもあるのかも、との想像も働く。
木内さん作品群における「傑作」感はあまり感じなかったが、今の私にぴったりな題材で大変楽しめた。 -
Posted by ブクログ
越後塩沢で縮の仲買と質屋を営む豪商を継いだ鈴木牧之。
地元の豪雪の中の暮らしを江戸に伝えようと随筆を書き溜め、晩年に版行(板行)した「北越雪譜」の出版にまつわる紆余曲折と、それに関わった江戸の戯作者たちの人間関係を描く。
牧之の依頼を受け、出版の仲介にとどまらず、企画、編集、校正(校合)を行おうとしたのは、当代きっての戯作者である山東京伝や曲亭馬琴たち。
それぞれ乗り気ではあるものの、版元の抵抗に合ったり自らの執筆があったりで話が進まず、十年単位の月日が経つなか京伝や絵師の岡田王山などは道半ばでこの世を去る。
最後に引受けたのは京伝の実弟山東京山。
兄と同じ戯作者だが兄ほどの才能はなく、元武士で実直な性格、作風を持つ。
息子の絵師京水と越後を訪れ二月ほど滞在するなど、真摯により良いものを作ろうとする姿勢は京山親子の責任感や真面目な性格の表れだったろう。
巡り合せに恵まれない牧之の板行にかかる境遇には同情を禁じ得ないが、人生の幕が下りる前に京山という人を得、「北越雪譜」の出版にこぎ着け、あまつさえそれが江戸の地で評判となり続編の出版に至ったことは、牧之にとってどれほどの喜びであり誇りであったことか。
京伝に師事した馬琴と、京伝、京山の関係は、それぞれの言い分が異なるため彼らをモデルとする小説でも誰を主人公にするかによって取る立場が違うが、本書は京伝、京山寄りであり、必然的に馬琴は嘘つきの陰謀家として描かれる。 -
Posted by ブクログ
主人公は、北町奉行所定廻同心服部惣十郎。彼の手下は小者の佐吉と岡っ引きの完治。
今ひとつ頼りない佐吉に対し、完治はその慧眼と機転を見込んで惣十郎が岡っ引きに引き抜いたもとは名代の巾着切り。
彼らを使い分けながら、惣十郎が放火殺人犯を追う。
事件の裏に疱瘡治療を巡る不正な行為が見え隠れし、危険な治験を行う医師が浮かび上がる。惣十郎の亡くなった妻・郁の死因も関わり合うのではと、探索に拍車がかかる。
他殺と判る死体の発見も相次ぎ、冤罪も絡み、次第にミステリー性を帯びてくる。
この惣十郎、同役が罪人の数を挙げることに躍起となるのに対し、「犯罪の芽を先に見付けて摘み取ることに重きを置く」という信条の持ち主。
さらにユニークなのが、惣十郎に請われ、遺体の検視も行う医師の口鳥梨春。
「ただ淡々と己の仕事をしているだけ」で、「人から崇められ信を置かれている」人物。
この梨春が己の医療に対する言葉。
「私は、救ってなぞおりません。医者の立場で申し上げることではないかもしれませんが、誰かを救おうと力むと、かえってうまくいかぬのです。ですから、ただ引き受けることにしております」
医療に携わる者の理想の姿勢だろう。
妻が亡くなった服部家では、母親の世話を下女のお雅が面倒を見ている。捕り物となると才気走った推量をする惣十郎も色恋には疎く、このお雅の彼に対する思慕には、とんと気付かぬ。
惣十郎を中心に多彩な人物が繰り広げるこの小説、シリーズ化が望まれる。
彼とお雅が今後どうなるのか、その行く末も見届けたいし。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「夢というのは一度見てしまうと、そこから逃れられぬものなのかもしれぬ」
とはいえ、刊行までに四十年も経とうとは。ここまでくると"夢"よりも執念が勝っているのでは。
"越後の鈴木牧之"この名は今回初めて知った。
山東京伝や滝沢馬琴などこの時代の名だたる作家たちを巻き込んでようやく日の目を見た大作『北越雪譜』。"鈴木牧之記念館"も建っているようで、今も彼の地の人たちに親しまれていると思うと他人事ながら嬉しい。
ここ数日日本列島を騒然とさせている最強寒波も、現代の我々はテレビの映像で見ているから各地の状況も知っているけれど、江戸時代には当然知る術もなく。鈴木牧之が江戸の人たちに越後について知らしめたい気持ちもよく分かる。
山東京伝は、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で古川雄大さんが演じるらしいので、古川さんの美しい顔立ちを想像しながら読んだ。もちろん初代蔦重はちょっと老けた感じの横浜流星さんを当てはめて。こうなると滝沢馬琴や十辺舎一九は誰が演じるのか(そもそも出てくるの?)。鈴木牧之はさすがに出て来ないよね、と大河ドラマの先も楽しみになってきた。