あらすじ
「川というのは無慈悲なものよ。絶えず流れて一時たりとも同じ姿を見せぬのだから」(詩人・梁川星巌×妻・張紅蘭「紅蘭」)/「わしにもいつか、そねーな日が来よるかのう。日なたを歩ける日が」(長州藩士・吉田稔麿×小川亭の若女将・てい「薄ら陽」)/「死んだって、生きてるんだよ。なにひとつなくならない。あたしが、あの人を慕っていたことも、あの人があたしを何より大事にしてくれていたことも」(新選組・沖田総司×労咳病みの老女・布来「呑龍」)――。新選組の沖田総司や土方歳三、吉田松陰門下生の高杉晋作や吉田稔麿、西郷隆盛らとともに戊辰戦争へと突き進む中村半次郎……。幕末の京を駆け抜けた志士たちも喜び、哀しみ、そして誰かを愛し、愛された。激動の歴史の陰にひっそりと咲く“かけがえのない一瞬”を鮮やかに描き出す全6編を収録した短編集。
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Posted by ブクログ
火影に咲く、灯火そのものではなくて、その影で咲くというニュアンスのタイトルの通り、幕末に登場する偉人の影にいた人達の話し。
最後の中村半次郎の話しなんかは胸が詰まって詰まって。生きたいように生きられれない、不器用さや辛さが痛いくらいに描かれていた。
名作です。
Posted by ブクログ
幕末から明治にかけての激動の時代を生きた男たちと、その周りの女たちの物語
沖田総司、坂本龍馬など教科書でお馴染みの偉人たちのプライベートの様子が目に浮かぶようで、読みやすかったです
Posted by ブクログ
「私を取るの?仕事を取るの?」
幕末の志士の周りにいた女性たちを描いた作品。志士たちも一人の人間だったんだなぁと思う。女を取るか、国事に奔走することを取るか。