木内昇のレビュー一覧

  • 漂砂のうたう

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    さすが木内さんと思える作品です。明治初期の世の中の急変と、そのなkでどこか江戸の雰囲気を残しながらも変わって行く遊郭の雰囲気がしっかり伝わってきます。ですが、好きかと言われれば左程でもなく。
    『漂砂のうたう』と言うのは妙なタイトルだと思っていたのですが、読んでみれば納得。まさしく時代の激変の中で漂砂の如く漂う主人公達。特に
    主人公の定九郎の諦念(というより逃避かも知れません)が精緻に描かれます。その姿が何とももどかしく。一方で時代に流されずしっかり根ざした妓夫の龍造や花魁の小野菊。むしろこ

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    2016年06月19日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    とても人間的に描かれています。
    読んでいて、端から少しずつ焼かれていくような苦しさ、切なさを覚えるような

    苛立ちや葛藤を覚えながら読みました。
    読み終わって、この人たちは形はどうであれ、生き抜いたのだなあと言う当たり前のようなことが思い浮かんだ。

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    2013年11月18日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    ネタバレ

     主人公は、阿部十郎、篠原泰之進、尾形俊太郎。
     新撰組のいわば負の部分が、彼らをとおして描かれていると思います。
     近藤、土方、沖田、斎藤あたりはこの作品では脇役なんですけど、それぞれの濃さがいい具合に出ています。尾形さんが監察方なだけに、山崎さんの出番がかなり多いです。ピリリとした美味しいところをもっていきます、山崎さん面白い人です。

     土方さんがやっぱりカッコいいです。そして、いいひとなんです。これは尾形目線の土方さんという描かれ方で「いいひと」なんですけど。鬼の副長の「苦労」をね、尾形さんと一緒に垣間見る感じです(笑)。伊東さん離脱の後、伊東さんについた隊士が案外少なかったことを指し

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    2013年07月05日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    歴史ではあまり語られることはない三人を中心とした新選組。
    篠原泰之進が好きなので読み始めたのですが、そのうち阿部十郎のふるまいや感情に共感してしまい、わずかな後ろめたさのようなものを持ちながら読んでいました。
    同じ作者の「幕末の青嵐」と合わせて読むと新選組が立体的に捉えられ、まるで自分がその場にいて見たかのような生々しさが味わえると思います。

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    2013年02月18日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    新撰組の中でも、英雄的な有名どころの面々を眩しく見つめるしかないいわば凡人隊士の視点から、時代の激動を、、、というよりは心の葛藤を描いた作品。面白かった。作者は、優しい人なんだろなあと思う。
    ある程度新撰組について知っていた方がきっと読みやすい。同じ作者の「幕末の青嵐」がおすすめ。

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    2012年12月29日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    解説にもあったけれど、新撰組の中でも「裏」や「脇」を描いた作品。
    更に、誰かひとりの隊士に主役を絞らず何人もが入れ替わり立ち替わりそれぞれの視点から描くから
    その雑多な感じが却って集団らしさを演出していて、とてもいい。

    かと言って描かれている事自体は決して「いい」などと悠長に言えない物悲しさと慌ただしさに塗れているのだけれど、
    幕末ものを読むとき、薩長土より新撰組や会津を選んでしまう。
    時代の上での勝ち負けではない何か琴線に来るものがあるんだろう。

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    2012年07月10日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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     同著者の「新選組 幕末の青嵐」と表裏を成す一冊。
     こちらは裏。

     伊東甲子太郎を中心に据え、阿部十郎、篠原泰之進、三木三郎、尾形俊太郎といった、新選組の中の名の知られぬ隊士たちの視点から、物語が書かれています。
     大志に向けて盲目的なまでに邁進する伊東や上層部に対し、さしたる意志も力も持たない彼らの劣等感や、中心からやや距離を置いて当時のものごとを観た、どこか冷めた感じが今までになく珍しく、とても面白かったです。
     伊東と三木の兄弟関係や阿部と浅野薫の友情、尾形と山崎のやりとりなどが印象に残ります。
     そして、山崎がこってこての大阪弁で常に飄々と冗談飛ばします。すごくわたしの理想の山崎で

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    2012年02月06日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    今まで読んだ新撰組小説の中で一番好きです。
    伊東さんが好きなので興味を持ったというのもあるのですがとても良かった。
    彼を支える篠原さん、阿部さん、そして弟の三木三郎から見た伊東さんの姿がただただ儚くて切ない。
    そして木内さんの書かれる斎藤さんがかっこよくて大好きです!

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    2011年11月19日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    『幕末純情伝』や『壬生義士伝』など様々な新撰組ものの傑作を読んでしまい、もう新撰組もので面白い小説には出会えないんじゃないかと思っていた。見事にその予想を裏切ってくれました。

    “裏表録”というだけあって、阿部十郎、尾形俊太郎、篠原泰之進、伊藤甲子太郎、山崎蒸、三木三郎などメインの人物選びからして絶妙。とくに三木のキャラクターは秀逸。
    伊藤たち御陵衛士を中心に書いているので初心者向けでないかもしれない。新撰組について多少知ってから読む方が楽しめる。

    描かれているのは時代を切り開いた英雄ではなく、時代に翻弄された男たち。
    とくに主人公のひとりである阿部十郎の生き方は「己の行く先に、なんら光を見

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    2011年06月23日
  • 新選組 幕末の青嵐

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    中学生の頃に司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」を読んで以来の新選組好きですが、本書は新選組初心者(?)の方にもおすすめの一冊かと思います。

    各章(?)ごとに主体を変えて、物語が進んでいくのですが、それぞれの視点での思惑や、人に対しての評価が異なるのが面白いです。
    読みやすく、不器用な彼らと、一つの時代を共に駆け抜けたような読後感です。

    本書の中では、個人的に斎藤が良かったです。特に最後の方での土方との場面はグッときました。

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    2020年05月24日
  • 奇のくに風土記

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    実在の本草学者がモデル。
    熊楠の様な人物が他にも居たとは知らなかった。

    本草学、興味あります。
    畔田翠山についても、もっと知りたくなった。

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    2026年02月19日
  • 万波を翔る

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    日本人て、幕末の頃から本質的に変わってないんだなと思った。いまもまだ「攘夷」って言ってる人たちは結構たくさんいるし。
    最近、欧米の歴史系ユーチューバーが日本の歴史を紹介している動画で、「日本には中国の科挙のような制度はなかった」と言っているのを見てハッとしたのだけれど、確かに、今作を読んでいても、幕末の混迷の中にあってさえ、武士階級の中からだろうが外からだろうがかかわりなく優れた人材をすくい取って、適材適所で役に立ってもらおうという考えは薄い。そして、日本ではいまだに、能力よりも血脈や派閥が一番重要なのは変わっていない気がするのだ。
    坂本龍馬や薩長、新選組や幕府上層部、会津藩などが主となる、幕

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    2026年02月10日
  • 奇のくに風土記

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    私は知らなかったのだけれど、主人公は実在の本草学者がモデルになっているようだ。
    大河ドラマ「べらぼう」の少し後の時代(「べらぼう」で高橋英樹さんが演じた紀州藩主の次の代)の紀州が舞台になっていて、梨木果歩さんの「家守綺譚」が思い浮かぶような幻想的な雰囲気があって、とても良かった。
    神道はアニミズム的といわれるけれど、植物の化身が現れたり、自然の物の中にも魂が宿っているような感覚が割とすんなり受け入れられるのは、神道にも馴染んだ日本人ならではなのだろうか。

    以前に、熊野の山を舞台に、深山から深山へ移動し、良い木で炭を作りながら生きている炭焼きの人たちの物語を読んで、タイトルは残念ながらもう忘れ

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    2026年01月29日
  • かたばみ

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    「教師も親も、子どもの手本になろうとする。でもそれは間違いだと思うのです。人は、どこまでいっても未熟で不完全です。ですから、ただ一所懸命生きている正直な姿を、子どもたちに見せるほかないように思うのです。」という教師の言葉があるのですが いまの時代においてもそれでいいのではないかと。

    戦前戦後の人たちの懸命に生きているパワーを感じた小説だった
    朝ドラになりそう

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    2026年01月27日
  • 奇のくに風土記

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     紀州藩士の息子・十兵衛(後の本草学者・畔田翠山)は、幼いころから草花とは自在に語らうことができるのに、人と接するとうまく言葉を交わすことができずに育った。ある日、草花の採取に出かけた山中で天狗と出会ってから、面妖な出来事が身の回りで次々と起こり。

    タイトルでは“奇のくに”となっているが、本当の舞台は“奇のくに”=紀伊国である。フィールドワークを行ったことから、“もうひとりの熊楠”とも言われる。本編では、あまり人付き合いがうまくないというキャラクター設定が行われているが、メンターである小原桃洞や彼のパトロンである紀伊国和歌山藩・第10代藩主徳川治宝には、しっかり実力を認められている。更にフ

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    2026年01月24日
  • 新選組 幕末の青嵐

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    年末年始でちょこちょこ読んだ。
    登場人物が多く、最初はなかなか入りこめなかったが、人物像が立ち上がってきてからはめっちゃ面白かった。幕末の動乱の熱っぽさもだが、組織の中での個人という視点がめっちゃめっちゃ面白く、現代のビジネス書としても読める。
    また、近代以前の日本人の命の軽さにも衝撃。切ったり切られたり、ちょっとしたことですぐ切腹するのってどういう精神構造なんだろう。

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    2026年01月05日
  • 奇のくに風土記

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    『ダ・ヴィンチ』2025年8月号のプラチナ本。
    ということで、木内昇さんの作品を初読み。

    紀州藩士の息子・十兵衛(後の畔田翠山(くろだ すいざん))は、人と接するとうまく言葉が出ず、人よりも草木と語らう日々。師・小原桃洞(おはら とうどう)の下で本草学を学びその才を伸ばしていた。ある日、草花の採取に出かけた山中で天狗(てんぎゃん)と出会ってからというもの、身の周りで妖しいことが起こり始める…

    江戸時代後期の紀伊国(和歌山県と三重県南西部)で活躍した、本草学者・畔田翠山が草木や友、恩師との温かな交わりをとおして成長する半生がファンタジーテイストで描かれている。

    心に残ったフレーズ。
    “みな

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    2026年01月03日
  • 惣十郎浮世始末

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    現代の社会に重なるような問題や、「誰か」を想起させるような登場人物が出てきたり、今年夢中で見ていた大河ドラマ「べらぼう」のすぐ後の時代が背景になっていたりで、とても面白く読めた。
    お話の中の世界が細かくリアルに確立されていて、個性的な登場人物たちも活き活きと魅力的なので、シリーズとして続くと良いなと思う。

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    2025年12月31日
  • 惣十郎浮世始末

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    江戸時代後期の話でした。テレビで同じ時代のドラマ「蔦屋重三郎」を見ていたので倹約令、田沼意次などリンクするものがあり面白かったです。「人は恥をかきながら生きる」のは当たり前ー。とても心に突き刺さりました。木内昇さんの作品をまた読んでみたいと思います。

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    2025年12月27日
  • かたばみ

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    audible⭐︎
    とっても心が温まる家族のお話しでした。
    特に権蔵の言葉の一つ一つに胸を打たれた!
    色んな形の夫婦、家族がある!

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    2025年12月20日