木内昇のレビュー一覧

  • 奇のくに風土記

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    実際の畔田翠山の人生が天狗などの不思議と交わり本草の面白さと共に珠玉の作品となっている.挿画の確かさは言うに及ばず表紙の絵も素晴らしい.
    とても好きです。

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    2025年09月10日
  • かたばみ

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    ネタバレ

    戦前戦後、苦い経験をたくさん重ねて、どんどん家族の絆が強くなっていく。清太の球威を増したボールをへっぴり腰でキャッチする権蔵がいい。たまらなくいい。権蔵と秘密特訓する悌子ももちろんいい。
    権蔵が清太を子ども扱いせずに大人の言葉で話しかける。わからない言葉は辞書でひけと。言葉は自分を支えることがあるからと。どんどん子煩悩になっていく権蔵に感情移入しながら読んでいった。
    悌子の先輩、吉川先生の「少国民である前に、すでにひとりの立派な人間です。」という考え。あの時勢で何人の教師がもっていたんだろう。終戦前は政府の、終戦後はGHQの言いなりになった教頭のような大人が多かったにちがいない。「黙って従って

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    2025年09月05日
  • かたばみ

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    ぜひともNHKの朝ドラにしてほしい。
    キャストは誰がいいかなと考えるのだが、どうにも主人公・山岡悌子のイメージの女優さんを思いつかない。いや、松下由樹さんがピッタリだと思うのだが、少し年齢が合わないか。他にガタイのいい女優さん、いたっけ?
    演技ができれば、オリンピック選手の北口榛花さんがいいかもな。

    第二次世界大戦前後の混乱の中の話。
    後から考えると、主人公・悌子は、意志の強いしっかり者のようでいて、大事な決めごとを決める時には流れに身を任せていることに気づく。この時代においては仕方ないというか、大方の人がそうせざるを得なかったのかもしれない。
    それでも悌子は良い人に囲まれていて、いろいろな

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    2025年08月31日
  • 惣十郎浮世始末

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    面白かったーー!!!

    木内昇さんの作品を読んだのはこれで3作目。今の所、どれも面白い。読後感も良い!
    そして読んだ3作品ともドラマ化してほしい。
    いつもながら、登場人物が魅力的。
    シリーズ化してほしいなぁ。

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    2025年08月21日
  • 球道恋々(新潮文庫)

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    野球の創成期、「野蛮」だの「時間のムダで有害」だのといわれていた時代のお話。主人公は正選手ではなく、現役時代に正選手になれなかったコーチです。

    なにかとモヤモヤ悩んでる主人公、一筋縄ではいかない登場人物たち、家族や職場の人々、派手な展開はないのに読めば読むほどみんな輝いて見えるのです。行間に一人ひとりの人生がにじんでくるかんじ。他の作家ではなかなか味わえない気がします。

    人はどの時代も悩んで成長して挫折して精一杯生きてるんだなとしみじみ思わせてくれる木内作品が大好きです。

    奇しくも「高校野球の弊害」がネットで叫ばれる2025年夏。様々な価値観を飲み込んで、素晴らしいスポーツであり続けてほ

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    2025年08月19日
  • 奇のくに風土記

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    紀伊国(きのくに)の本草学者・畔田翠山(くろだ すいざん)を初めて知った。
    「研究する人」の集中力には、本当に尊敬しかない。

    翠山の幼名は十兵衛。
    人と話すことが苦手で、小さな頃から野山を駆け巡り、草や木を愛でてきた。
    小原桃洞(おはら とうどう)は紀州の藩医。藩の本草局(ほんぞうきょく)に籍を置き、自宅の離れでも塾を開いて本草学を教えている。十兵衛も塾生の一人となり、生涯の師と仰いだ。

    元服の前の年、岩橋(いわせ)の里山にこっそり入って天狗に遭って以来、十兵衛の周りでは不思議なことばかり起きるようになる。
    いや、それはいつでもどこにでも、大昔から普通に存在しているものなのだけれど、十兵衛

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    2025年08月16日
  • かたばみ

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    朝ドラを感じさせる小説だった。そして第二次世界大戦前後を生きる人々の話でもあるため、夏に読むのにぴったりな作品でもあった。クスッと笑え、泣けて、心がじんわりあたたまる。そんなとってもいい作品。色んな人におすすめしたくなった。

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    2025年08月15日
  • かたばみ

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    太平洋戦争の前から、戦後にかけての一つの家族の物語。分厚かったけど、スっと読めて面白かったです。
    登場する人物それぞれが戦争に翻弄されながらも、あまり悲惨さを前面に出さずに、築かれてきた絆の深さと人間としての成長を感じられてホッコリしました。

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    2025年08月07日
  • 奇のくに風土記

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    遠野物語、
    忘れられた日本人、
    北国雪譜、
    牧野富太郎さんの植物図譜、
    世阿弥さんのお能の作品、
    そんなこんなを
    手元に引き寄せて
    一編の物語に昇華すると
    このようになるのでしょうね
    まことに 絶品です。


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    2025年08月07日
  • 雪夢往来

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    北越雪譜 を書いた越後の鈴木牧之の物語。
    多くの江戸時代の書き手、絵師、版元が出てくる。
    今話題の蔦重も。
    特別な職業の人々に焦点を当てつつ、時代の暮らしぶりや生き様をありありと見せてくれる。それぞれまじめで質素で正直で。
    木内氏の作品は実在の人物を描くことが多いが、今の日本を作ってきた人々への敬意が伝わってこちらの胸を打つ。

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    2025年08月03日
  • 奇のくに風土記

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    ネタバレ

    幾度も象徴的に出てくる言葉「美っついのう」。
    まだ訪れたことのない土地(紀州)なのに、幻想的な美しい光景が目の前に現れてくる。
    木内さんの文章の端々から、声を出さない草木たちの語り合う声が聴こえてくるようだった。

    「この世に在ることは、もうそれだけで意味のあることなんや。大きな役目を負うておることなんや」
    「草木には越えぬほうがよい境があるように思います。生育に合う合わんゆうだけでなしに、まわりの草木と話し合うて、そこにおろうと決めた種も、中にはあるんやと思うのです」

    草木も花も魚も獣も鳥も、姿や暮らしぶりは異なっても互いに関わり合って生きているのだ、と改めて思う。
    同じ土地に生きる人間は

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    2025年08月02日
  • 雪夢往来

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    ネタバレ

    江戸時代の後期、越後国の生活風俗を描いた「北越雪譜」という本が鈴木牧之(儀三治)という作家によって書かれ刊行されているという史実に基づき、刊行までの紆余曲折を描いた小説。

    鈴木牧之という作家や北越雪譜という本は全く知らなかったが、刊行に至るまでの紆余曲折には山東京伝や曲亭馬琴、京伝の弟京山、十返舎一九や二代目の蔦屋など、そうそうたるメンバー(タイムリーなことに大河ドラマの直後あたり)が関わっていて、谷津矢車の「蔦屋」をこないだ読んだことも重なり、意外な縁を感じて読むことができた。

    京伝が刊行を約束してから40年…雪国の人は粘り強いと聞くが、それにしてもよく辛抱したものだ。丁寧に根気よく気持

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    2025年08月02日
  • 奇のくに風土記

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    ネタバレ

    なんとまあ!清々しく静謐で気持ちのよい本だった。自然のマイナスイオンで浄化された気持ち。江戸時代の和歌山で植物を研究する学者のお話。梨木香歩さんの『家守綺譚』と少し似た味わいもあり、こういう世界が好きな私の心にしっくり馴染んだ。

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    2025年07月21日
  • 奇のくに風土記

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    尽きせぬ想像力、感性が漲っている。人物造形が素晴らしく、一人ひとり(草木や天狗らも)丁寧に活写。奇のくに(紀伊国)の方言もまた純朴で心地良い。十兵衛の成長が感慨深く、彼が描いたとされる挿絵に思わず見入った。

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    2025年07月09日
  • かたばみ

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    面白かった〜!

    「登場人物みんな良い人」みたいな小説好きじゃないけど、これはみんな良い人でみんな好き。特に権蔵と茂生が好き。

    戦争の時代って、ほんとコロナ禍と一緒だなと思いながら読んだ。コロナの時に感じていたこと、抱いていた不信感。
    共感出来る部分が沢山あった。
    戦争から一体何を学んだのかな?同じことを繰り返しているんだな。

    朝ドラになってほしいけど、NHK好きじゃないしな。


    ちなみに悌子は浜口京子、権蔵は佐藤健で脳内キャスティングされた。

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    2025年07月04日
  • 新選組 幕末の青嵐

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    最高でした!ハズレのない木内昇さんの作品の中でも優勝です!
    幕末は殆ど覚えてなくて苦手意識がありましたが、読んでいてわかりにくい箇所は全くなく、おもしろくておもしろくて、とてもたのしめました。
    本書は登場人物はやたら多いうえに、なんと章ごとに43回も語り手が代わります。
    だけどそれぞれが短いので読みやすく、語り手が自身の内面や、新撰組メンバーの印象を説明してくれるので人物像がよく理解できるし、時系列に沿って起こった事柄も簡潔に書かれていてほんとうにわかりやすい。
    離れていても、共に戦わなくてもつながっている仲間同士の絆や、会津藩への恩義、武士としての生き様などにグッときてボロボロ泣きました。

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    2025年06月30日
  • 奇のくに風土記

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    読み進めていくにしたがって敬虔な心持ちになり、自然の神秘につつまれていく感覚を覚え、生きとし生けるものの心が目に見えるようでした。そして、現実と幻想の世界を行き来する小説の構成に引き込まれました。登場する植物の描写も、これまた美しく、木内昇さんの力量に圧倒されました。

    本草学(薬用とする植物などを研究する学問)を志す畔田十兵衛(学者名、翠山)が主人公。草木と語らうことができても、人付き合いを苦手とする青年です。本草学の師である小原桃洞やその孫、良直たちとの関わりの中で、十兵衛の心は少しずつ雪解けしていきます。

    心でものを観ることができる桃洞先生と十兵衛の発する言葉は、人生の真理をついており

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    2025年06月22日
  • かたばみ

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    良い本だったなあとしみじみ振り返っている。人と人との縁、家族の形、主人公、悌子の誠実さや権蔵、清太の真っすぐさに感動しっぱなし。心が温かくなる読書時間になりました。

    ※何があっても夫の悪口は言わないのが信条。子どもが人生の途中でくじけそうになった時、どうせ自分はしょうもない人間の子だからと、あっさり崩れていく。
    ※期待はあらゆる苦悩のもと(シェイクスピアの言葉)
    ※苦労があっても少し離れたところから自分を観察してみると案外面白いことが見えてくる。

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    2025年06月17日
  • 櫛挽道守

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    途中から、止まらなくなった

    それぞれの人生の道程と、掛け違いや和合が、多くの言葉の積み重ねで紡ぎ出されている。
    途中からバラバラになった家族の拍子が、相容れないと思っていた夫の拍子とそろっていって収束する。

    喜和が切ないなぁ
    登勢が訪ねた時に世話を焼くところとか、やっぱり姉妹で母だよね…と

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    2025年06月17日
  • 雪夢往来

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    本当にこの人の本は毎度毎度、心深く揺さぶられる

    一生をかけて励んだものが実を結んだことではなく、一生をかけて夢中になれるものがあったこと

    雪国の深みに思いを馳せる

    地に足をつけながらも、一生をかけて夢に向き合ってきたこと

    各々が各々なりの道に実直に向き合う姿
    どんな人物であれ、木内昇さんの話に出てくる人たちはとても大切な同胞のように感じられる

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    2025年06月05日