木内昇のレビュー一覧

  • 万波を翔る

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    奇しくも今日放映されるNHKスペシャルが「新・幕末史 グローバル・ヒストリー 「第1集 幕府vs列強 全面戦争の危機」」まさに田辺太一が虎狼の様な外国にキリキリまいにさせられていた時代。
    木内昇氏は今年の発見、他の物語も堪能させてもらおうと思った。

    作品紹介・あらすじ
    「この国の岐路を、異国に委ねちゃあならねぇ」負けん気の強い江戸っ子・田辺太一が外国相手に大暴れ! 日本の外交の曙を描く長編。

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    2022年10月16日
  • 化物蝋燭

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    江戸の不思議なお話の短編集。
    「幼馴染み」という一編がとにかく怖かった。
    脳内では山岸涼子さんの絵で再生。サイコホラー。
    不思議で怖い話と、不思議でほのぼのする話、どちらも良いバランスで飽きずに楽しめた。

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    2022年09月14日
  • 万波を翔る

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    幕末、外国方として勤めた田辺太一のお話。はじめ、本のボリュームに大河ものかと思ったけど、後で調べてみたらほんの10数年間のお話で…この後のお話も読んでみたいなぁ。そもそも幕末ものにはあまり興味がなかったワタクシですが、『龍馬伝』やら『晴天を衝け』を見たり『グッドバイ』を読んだりしていたせいか、分かりやすかったです。太一のキャラクターも面白かったし、ダメダメな閣老の対応も今もいろんな組織であるんだろうなぁ(^^;

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    2022年05月21日
  • よこまち余話

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    ネタバレ

    しっとりと上質な、ちょっとファンタジーありの時代物小説。舞台は大正~昭和初期くらいか。

    ・時代物ならではの心に染みる良い台詞がたくさん。
    ・浩一が好きだな
    ・和菓子屋の主人と婿の話や質屋の親子の話などはなくてもメインストーリーは成立するけど、それがあることによる豊かさよ
    ・最後、「はじまるんだな」と理解した浩三だけど、きっとだんだんと齣江さんやトメさんのこと忘れちゃうような気がする(そうは書いてないけど)。ああ切ない。でも人と人の交わりって実はこんなからくりだったりするのかもしれない。

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    2021年09月23日
  • 火影に咲く

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    「私を取るの?仕事を取るの?」
    幕末の志士の周りにいた女性たちを描いた作品。志士たちも一人の人間だったんだなぁと思う。女を取るか、国事に奔走することを取るか。

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    2021年09月05日
  • 万波を翔る

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    幕末の本は結構読んでるつもりでしたが、幕府の幕末外交は初めて。岩瀬忠震、堀利煕、水野忠徳、そして主人公の田辺太一。あまり存じ上げませんでしたが、このような立派な役人もいたという、幕末幕臣の立場での作品も、大変興味深かったです。こういう人たちの置かれた立場は厳しい。当時の幕府幹部、欧米列強もやり方がヒドい。「変われない」ということが最後まで尾を引いたのでしょうか。でも、この人たちのような、幕府側でも苦労した人が維新後も活躍しなければ明治維新後の展開もなかったのでしょう。

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    2021年08月05日
  • 漂砂のうたう

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    「選択の自由」、時代と共に流される「職」は、この明治初期と現代でも変わらない。 現代ではITが普及し今までの職がITによって置き換えられ、職が無くなる。それは今後も継続するのは間違いない。「転職の自由」、どこでどの様に見極め、自分の「天職」と言われるものを手にするかがこれからの時代だ。考えることより「行動」を是非ともお勧めしたい、それも35歳以下であれば。職種、職業(会社そのもの)が失くなる前に自分が思う「天職」を見つけ出すのはそのタイミングだ。

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    2021年07月25日
  • 櫛挽道守

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    すごくよかった。最後まで自分の生き方を貫いた登瀬が素晴らしい。直助が全てお見通しで絵巻を書いていたのも素晴らしくよかった。

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    2021年03月01日
  • 万波を翔る

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    幕末の幕府の側で外交がこれほど真剣に考えられていたことに驚きました.勝てば官軍の伝で,薩摩,長州の傑物達に目を惹かれますが,いやいやご公儀も捨てたものではないというより,むしろ優れているような気にもなったこの物語.条約締結の話し合いなど,手に汗握る場面も多く,主人公太一の成長も楽しみで,一気に読みました.

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    2020年10月17日
  • 万波を翔る

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    幕末の外国方の役人、田辺太一の活躍を描く。
    この時代はさまざまな小説になっているが、幕府方の内幕に焦点を当てたものは多くはないだろう。
    まるで眠っているかのように感じていた幕府の中でこのような、葛藤があったかもしれないと思うとちょっと胸が熱くなるような思いがする。
    なかなか取り上げられることのない、幕府の外交の一端を担った田辺という人物に目をつけた著者の目に感服する思いである。

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    2020年10月08日
  • 櫛挽道守

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    同時期に執筆されたという「光炎の人」が物語・人物造形共に素晴らしかったので、時代も舞台も異なるけどある意味で仕事小説という共通の枠組みを持った本作に高い期待を持って読んだ。
    予定調和でなく読者を引き回してくれるストーリーテリングの巧みさは相変わらず素晴らしい。作者の真骨頂は、時に憎たらしく、イライラさせられ、きらいになってしまいそうになる人物造形だろう。
    時代の動きと主人公の生き方や仕事の変化みたいなものが「光炎の人」ほど強く感じられなかったところが少し残念だったが、傑作には変わりないだろう。4.0

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    2020年06月28日
  • 櫛挽道守

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    この時代(幕末の木曽街道)に
    「一人の職人」として生きることを
    貫いた一人の女性が描かれる

    少し前に観た
    16世紀のベネチアを舞台とする
    実在した高級娼婦「ベロニカ」をモデルとした映画の
    主人公に重ね合わせてしまった

    もちろん
    時代も、お国柄も、設定も
    なにもかも違うのだけれど
    一人の女性が一人の人間として
    生きていくことを選んだがゆえに
    その当時の社会通念と闘うことになり
    その当時としては革新的な生き方に
    なってしまうという共通点に
    思えてしまった

    もし映画で撮るなら
    モノクロの映像で
    今村昌平監督タッチが似合うのでしょう

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    2020年06月24日
  • 球道恋々(新潮文庫)

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    意外と言っては失礼になるのかもしれませんが、木内さんの既読作品と比べると終始明るめのトーンで物語が進むのが印象的でした。
    前半から中盤にかけては、弱体化した母校の野球部の再建に主人公が試行錯誤する様子が描かれます。チームと共に成長していく姿はよく描けていると思いますが、コーチという役割上一歩引いた視点が多く、一高vs三高の試合の場面も少しはしょった感があり、期待したほどの臨場感は無かったかなと。そんなわけで第四章までは少々盛り上がりに欠けた印象を受けました。むしろ柿田の出奔とその後の顛末や、塁を見失うといったいったサイドストーリーのほうが面白かったです。
    後半は「野球害毒論」を掲げる新聞社を相

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    2020年06月07日
  • 新選組 幕末の青嵐

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    まるで筆者により新選組の人物に声を吹き込ませたような(拍手)

    司馬遼太郎『新選組血風録』もいま一度読みたくなった。

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    2020年05月25日
  • 万波を翔る

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    田辺太一という人物を初めて知った。
    日経新聞の連載になった作品だけに、読みごたえがあった。
    「家人」としての忠義と、一人の若者としての思いや情熱。
    幕府側の外国方の外交を描く。
    為替ルート、内政不干渉、国内経済安定など、
    現代の日本経済を彷彿させるようなストーリー感心した。
    また、薩摩藩がパリ万国博覧会に
    「日本薩摩琉球国太守政府」の名で出展し、
    丸に十字の勲章まで作っていたとは知らなかった。
    落語好きでべらんめいちょうの太一は
    薩摩人を「芋!」と呼ぶ。
    これまでのご維新物語にはない、江戸幕臣の痛快さがある。
    明治3年(1870年)外務省から要請されるところで終わる。

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    2020年03月23日
  • 櫛挽道守

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    第9回中央公論文芸賞、第27回柴田錬三郎賞、第8回親鸞賞を受賞作 評価の高い本がやっと来たので、読みかけのものを置いて読んでみた。
    まず作者が女性と言うのを知った。
    作品は、女性の生き方が主なストーリーになっている。

    中仙道、木曽の山中にある藪原宿の集落が舞台。名人といわれる櫛挽職人の父を持つお登瀬の、櫛作りにかけた一途な半生が感動的に描かれている。

    女の人生のが、より不自由に決められ、それに縛られていた幕末の頃、世間並みの生き方を捨ててでも、尊敬する父親の背を見て、櫛引の技を極めるために生ていくお登瀬の成長物語になっている。

    頼みの弟が早逝し、て家族の絆が破綻してくる。そんな中で、お

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    2020年01月21日
  • 新選組 幕末の青嵐

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    登場人物がはっきりと描かれているので感情移入できた。時代の流れを様々な人物の視点で描き、視点が変わると見方も変わる。心情にも力を入れていて、だんだんと歴史の流れの中で燃え尽きて行く人の生命と残された者の切なさが心にズンと来る。この時代の武士の生き様というものはやるせないような、憧れのようなかっこいいという気持ちを抱く。

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    2020年01月02日
  • みちくさ道中

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    ネタバレ

     木内昇 著「みちくさ道中」、2017.7発行、エッセイ集です。「弁当三十六景」と「行いと姿勢」、印象に強く残りました。
     高校、大学はソフトボール部、四番で「叩きつけるバッティングがうまかった」そうです。編集者10年を経て作家に。木内昇「みちくさ道中」、初のエッセイ集(身辺雑記、自分を語ること)、2017.7文庫、2012.12刊行。まっすぐ働く、ひっそり暮らす、じわじわ読む、たんたんと書くの4部構成です。向田邦子さんのことが結構書かれています。意識されてるんだと思います。母校で高1、2年生を対象に講演をされたそうです。嬉しかったことでしょう! 年始(意気込み)より年末(一旦リセット)がお好

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    2019年12月21日
  • 光炎の人 上

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    杏の書評本から。主人公が熱くて良い奴、とも言えないのがポイントかな。歴史を変えんとする気概には目を見張るものがあるけど、マニアにありがちな、周りが見えない性質も見事に兼ね備えていて、家族をさっさと見捨てたり、婚約者を逆恨みしたり、結構やりたい放題。サブキャラとしての登場人物たちも、軒並みどこかおかしなところがあったりして。でも実際、こういうもんですよね。ひたすら正しくて、とにかくのし上がっていくだけの英雄譚も悪くないけど、現実感あふれるこういう物語も、なかなかに良いものだな、と。後半、どんな展開になっていくのかも見もの。

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    2019年11月18日
  • 櫛挽道守

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    生涯をかけて櫛を挽く、そのひとたち。櫛挽の板ノ間に響く、静かで穏やかな拍子に耳を傾けてみたい。

    父の背中を追って、女なのにと言われながら櫛挽職人を目指す登瀬。同じ場所に居続けながら、居場所としてのそこ、の概念が心境により変化する描き方がうまい。
    幕末という激変する世の中で、信じるものを曲げずにかじりついてきた櫛挽への道。
    一歩一歩が信じる道に通じたと気づけた時、大きく息をついた。言葉ではとても尽くせない。

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    2019年11月10日