木内昇のレビュー一覧

  • みちくさ道中

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    作品の面白さと、作家さんのエッセイは必ずしもイコールじゃないしイコールじゃなくていいと思っている。
    木内昇さんの場合は、相乗効果で未読・既読問わず作品を読みたくなった。

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    2019年11月03日
  • 光炎の人 上

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    ネタバレ

    技術者として、技術さえあれば世の中を良くできる、というトザの思いは、確かに間違ってはいないかもしれないが、正しくもない。元工場の友達の信次郎や越増の越田に導かれ、思いは実現の方向へ。

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    2019年10月20日
  • 万波を翔る

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    開国を受けて、幕府に新設された「外国方」で、外交に携わる事になった、江戸っ子侍・田辺太一の生涯。

    攘夷の嵐吹き荒れる中、老獪な諸外国と折衝する事は本当に大変だったと思います。
    本書の主人公・太一も、毎回外国に(時には薩摩に)煮え湯を飲まされていますが、彼の真っ直ぐで熱い思いが伝わってくるので、応援したくなりました。
    それにしても、つくづく日本という国は外交が苦手ですよね。令和になってもまだ後手後手な印象ですし。
    日本という国家の永遠の課題かもしれないな。と、思いました。

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    2019年10月15日
  • 漂砂のうたう

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    ネタバレ

    今の今までずっとポン太や圓朝の噺を聴いていたかのような夢現な小説。
    どんどん引き込まれてお話と現実の境目が曖昧になっていった。

    小野菊さんのきっぷの良さ、大変素敵でした。
    こんな人に出会えることはお話の中でも現実でも、中々ないような…

    それに憧れはすれど、私にとっては定九郎さんの気持ちが大変わかるお話でした。

    1万円選書の一つ。

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    2018年06月22日
  • 漂砂のうたう

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    ずっと気になっていた。
    ようやく読めたが、思っていたのとは随分違っていた。

    不思議な読後感だった。
    重い、というのともちょっと違う。
    江戸から明治、この大変革の時代、人々はどんな暮らしをし、何を感じ、考えていたのか。
    幕末の歴史小説を読む度に、TVで歴史番組を見る度に、結構気になっていた。
    そこに一つの答えを示してくれたと思う。
    もちろん遊郭は、ごく普通の人とは少し違う。でも、だからこそ、そこに流れ着いているのは変革からはじき出された人だ。そこに渦巻く感情、漂う諦観が鋭い輪郭をもって立ち上ってきた。
    面白いというのとは違うが、興味深い作品だった。

    しかし、直木賞を取ったというのは、意外だ。

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    2017年08月10日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    新選組を試衛館組以外の立場から描いてみると、実際はこんな感じなんだろうけどちょっと切ない。夢見すぎですな。
    時代の変化に置き去りにされた悲哀と諸行無常を感じます。
    でもまぁやっぱりかっこいい人の生き様は誰から見てもかっこよかったってことだな。
    弱りゆく沖田総司の明るさとか、土方歳三の意志とかやっぱり泣けてしまう。
    斉藤一もかっこいいし、監察方の尾形俊太郎と山崎丞がとてもいい味出してた。

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    2017年05月18日
  • 櫛挽道守

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    ただただ凄い。凛とした清々しい物語でした。
    あらすじ(背表紙より)
    幕末の木曽山中。神業と呼ばれるほどの腕を持つ父に憧れ、櫛挽職人を目指す登瀬。しかし女は嫁して子をなし、家を守ることが当たり前の時代、世間は珍妙なものを見るように登瀬の一家と接していた。才がありながら早世した弟、その哀しみを抱えながら、周囲の目に振り回される母親、閉鎖的な土地や家から逃れたい妹、愚直すぎる父親。家族とは、幸せとは…。文学賞3冠の傑作がついに文庫化!

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    2017年04月07日
  • 漂砂のうたう

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    江戸から明治、時代の波に乗れず遊郭に取り残された人々の物語。文体はさらりとしているけど、ざらりとした鬱屈感漂う雰囲気。時勢に身をまかせ漂うように生きるしかなくても、器用に生きらなくても、水底を流れて削る砂粒のように誰もが跡を刻んでいるはず。生きることを後押しされる作品でした。

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    2017年01月15日
  • 櫛挽道守

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    木内昇『櫛挽道守』集英社文庫。第8回親鸞賞 、第27回柴田錬三郎賞 、第9回中央公論文芸賞の三冠受賞作。

    それほど素晴らしい小説とは思わなかったのは、エンターテイメントの要素が全く無い時代小説のためだろうか。時代に逆らいながらも自らの道を進む女性の姿を描いた小説に高田郁の『みをつくし料理帖』があるが、それに比べれば物足りなさを感じた。勿論、各種文学賞の受賞と面白さは決して比例するものではないということは承知しているのだが。

    幕末の木曽山中を舞台に描かれる家族の物語。寡黙で愚直な櫛挽職人の父親、古い習慣の奴隷であり続ける母親、才能を開花させる前に急逝した弟、古い習慣から逃れることを夢見る妹…

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    2016年12月30日
  • 漂砂のうたう

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    元武士の身分を隠し、遊郭の門番を勤める定九郎、看板花魁の小野菊。得体の知れない不気味な落語家ポン太。
    木内ワールド。

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    2016年07月21日
  • 漂砂のうたう

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    ネタバレ

    読み終わって、ストーリーを思い出し追ってみても
    起承転結、驚きの展開、心踊る出来事などはなく
    淡々と進んでいったような気がする
    それでも、この小説の世界に静かにずぶずぶと浸り
    なんとも言えない世界観に酔って読み終わる
    浮かれたところも、落ち込み過ぎるところもなく
    不思議な出来事も、すんなりと受け入れて
    小説という架空の世界を経験する醍醐味にひたった時間

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    2015年07月30日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    「新選組」という舞台装置で、弱きヒトの葛藤と苦悩をえがく人間ドラマを儚き筆致で堪能できました。
    この作家の個性とも言うべき味なんでしょうが、どこかしらのハカナサみたいなものがあると思えまして。この小説の場合特に、ひたすらに男ばかりのお話を、書いているのが女性と言う異化作用も理由なのかなあ、と。
    決して悪い意味ではなく、素敵な読書でした。

    「茗荷谷の猫」「櫛引道守」がどちらも大変に面白かったので、引き続いて木内昇さん三昧。
    木内さんには新選組を舞台に「新選組 幕末の青嵐」という小説もあります。
    「青嵐」の方が、新選組有名幹部のお話だそうです。この「地虫」の方は、同じ新選組でもより泡沫隊員を主人

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    2015年04月22日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    この作者の『幕末の青嵐』が表の話ならこっちはまさに裏の話といった感じ。

    近藤・土方・沖田など通常メインでもってこられる方々が脇役で、今回の主役は阿部十郎・篠原泰之進・尾形俊太郎の三人。
    新撰組小説だとだいたいそんなにページを割いてもらえない伊東甲子太郎一派がメインという感じ。

    とにかく人物の心理描写が凄くて時に読んでて辛くなる。
    特に阿部さんの気持ちはわかるところが多かったので辛かった。

    新撰組が好きな人にはぜひおすすめしたいですが、伊東甲子太郎が入隊~暗殺されるまでがメインのためある程度は新撰組について知ってないと理解しづらいとこもありそうなので、何冊か既に新撰組関連の本を読んでる方に

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    2014年06月14日
  • 漂砂のうたう

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    最初の100ページあたりは正直言って退屈だった。
    この作者の本は、別の短編集でもスロースターターだったなあ…
    途中から伝奇物の様相を呈するけれど、夢が覚めてみれば、明るい空の下であった…ような。
    途中、世相を映して、西南の役の様子が語られる。
    西郷の最後の言葉「もうここらでよか」
    明治の時代に乗りきれなかった人の象徴なのだろう。
    ここを乗り切ったからといって、決していい時代には進まないことを、後の世を生きる私たちは知っているけれど、主人公にはこの先、地に足をつけて生きて欲しいと願うのだ。

    巻末に紹介されていて初めてわかったけれど、表紙の絵は、小村雪岱でした。
    この絵ではないけれど、埼玉県立近

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    2016年05月22日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    新選組のマイナーどころの回想記。
    例によって、語り部が複数人で代わっていく。
    幕末の激動の時代を、主役になれない人間たちの立場で経験するという、やはり一風変わった趣。
    どちらかというと、一般人としては共感できるところが多いかも。
    逡巡しながらも、何もなし得なくても、全力で生きた人生がそこにある。

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    2012年12月22日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    新選組のメインでは無い人物3人からの視点。何のために存在しているのか。何も無いのか。それでも目の前を信じ働く姿が印象に残る。重く、ズシンとくる本だった。

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    2012年12月05日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    木内さんの「幕末の青嵐」とあわせて読みましたが、また違う視点から新撰組が描かれてて、一気に読んでしまいました!頭が良いのにどこかとぼけて憎めない尾形俊太郎とスパイ役の飄々としてる山崎の掛け合いが笑えた。ずっと救われない阿部を何かと気にかけてる斎藤一も良かった。大きな戦の前にも関わらず、永倉と原田が相撲を始め、それをニヤニヤしながら離れて見る斎藤、それを更に遠くから眺めてる土方、尾形、山崎の図がまさにそれぞれの個性や人間関係を表していて、微笑ましかったです。

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    2011年10月19日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    新選組主要メンバーから外れた陰の隊士達にスポットをあてた話し。
    彼ら自身の生き様、また彼らから見た土方や近藤像や、伊東像などが描かれていて、非常に面白かった。

    読んでいておもしろおかしい訳でもないし、どちらかというと屈折してるわ、思い詰めてるわ・・・・こちらまで気鬱になりそうなところも多々なのに、読後感は存外に爽やか。

    飄々と大阪弁をまくしたてる山崎さんが素敵だったわ♪

    ほんで、初めて伊東甲子太郎の死に切ないものを感じた・・・

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    2011年09月21日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    尾形俊太郎、阿部十郎、篠原泰之進が主人公。激動の幕末にありながら「人に動かされる側」の彼らの目から見た、新選組と歴史の行方。

    主人公がマニアックなだけに色物系かと思いきや、なかなか骨太で正統派の小説でした。派閥の中心に属さない人の目線、っていうのが生きてたと思う。阿部の夢も希望も無いただただ卑屈な行動は読んでいるこっちまで滅入ってしまったけど、それも含めて生々しい人間というものを見せてもらった、という感じ。

    伊東甲子太郎の生き様が特に格好良く描かれているので、御陵衛士好きに、また逆に試衛館派にもお薦めしたい。

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    2011年09月18日
  • 新選組裏表録 地虫鳴く

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    地味な立場の人から見た新選組の裏側のあれこれ。
    キャラクターは基本的にできあがっていて、読みやすい。
    斎藤一はオダジョーで読んでしまうなあ。
    沖田は意外に顔が定まらないけど。
    新選組を全然知らなかったらちょっと、とっつきにくいでしょうけど。

    変わった角度からの眺めで、細部に興があります。
    一般人には激動の時代は辛い。
    何もない所から作り上げられる人もいる。
    土方はものすごく怖い。
    傍にいるのは大変そうだけど、一瞬の輝きを見ることも出来る…?

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    2011年06月13日