木内昇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この前に読んでいた本(『失われたものたちの本』)とは全く違う世界。
とまどいながら読み始めたが、この余白の多い物語にぐっと引き込まれる。
語りすぎず、語らなさすぎず。
想像しながら読む楽しさ。
最後までおもしろく読んだ。
読み進めるうちに、全く違うと思っていた『失われたものたちの本』と通ずるものを勝手に感じる。
異世界はすぐ隣にある。その異世界は、現実と全く違う世界ということではなく、心の世界とでもいうような、人が持っている潜在的な思いや積み重なった経験が具現化する世界。それは、意識しているかしていないかに関わらず、だれもが抱えている世界。
(巻末の対談でも出てくるけれど)この本では、此岸と