木内昇のレビュー一覧
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ネタバレちょっと色々あってイマイチな気分での年明けだった。
まあ読書でもするかと元旦に読み始めた。
厚いだけで大して期待していなかったが、グイグイ引き込まれる。
笑えたり泣けたり憤ったり、落ち込んでいた気持ちが上向きになれる物語。
幸せな読書だったと言える一冊。
今年の読書スタートがこの本で良かった。
作品紹介・あらすじ
「家族に挫折したら、どうすればいいんですか?」
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部の -
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戦時、戦後という大変な時代を生きた人たちが前向きに生きていく姿が美しい
ひどい体験をしたからこそ、あたりまえをあたりまえと思わず、日々の小さなことにも感謝できる、幸せを感じられる
夫婦のかたち、親子のかたち、家族のかたちもいろいろな時代
権蔵がとてもいい
人はどこまでいっても不完全で未熟。ただ一所懸命生きている正直な姿を子どもたちに見せる。
自分の子どもが本当に好きなものを見つけて、夢中になってそれに打ち込んでいるのを見ることほど幸せなことはない。
挫折は弔い事と捉えがちだが、もしかするとお前はそっちじゃないよという天からの差配かもしれない。挫折は正しい扉を開くための尊いきっかけ。 -
購入済み
戦前から戦中・戦後と元槍投げ選手の小学校教員が、時代に翻弄されながら誠実に生きていこうとする話です。
1945年以降、軍事と基本的に関りがなかった日本は幸せな時代であったと思います。きな臭い世の中となりつつある中で、二度と戦争をしてはいけないと考えさせられます。
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去年ハマったNHKのドラマ『大奥シーズン2』を思い出しながらの読書となった。
疫病が蔓延する江戸後期を舞台にした物語。
ドラマでも赤面疱瘡を撲滅しようと、男女逆転した江戸幕府が懸命にもがいていたっけ。
人痘種痘はこの時代から試行錯誤されていたんだと思うと、先人たちの苦労には頭が下がる。
木内さんのお江戸の捕物帳。思った通り義理人情にアツくカッコいい漢たちの物語でワクワクした。
特に主人公・服部惣十郎を手助けする町医者・口鳥梨春、岡っ引・完治が良かった。
あと惣十郎を密かに慕うお雅の美味しそうな手料理の数々には、読んでいてお腹が減ってきた。
「正義とは聞こえのよい言葉ですが、さようなものは実 -
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『かたばみ』が良かったので、木内さん二作目。このお話も良かった。
占い師に頼るようになった女性や、自分が占い師になった女性が出てきます。
少し前の時代のお話だからというのもありますが、話し言葉や表現が丁寧で美しいです。読んでいると、こちらの心も綺麗になりそう。
色々と思い悩みながらも、何かがふっとわかって、そこから自分の心に向き合えて、賢明な判断をして前に進みだす女性の姿が描かれています。そんな風にできたらなぁと憧れます。
「北聖町の読心術」に出てくる、心を読む“都”という女性の占い方は特に印象に残りました。こんな方が実際になったらぜひ占ってもらいたい。
心に残ったところ
「屑待祠の喰 -
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この前に読んでいた本(『失われたものたちの本』)とは全く違う世界。
とまどいながら読み始めたが、この余白の多い物語にぐっと引き込まれる。
語りすぎず、語らなさすぎず。
想像しながら読む楽しさ。
最後までおもしろく読んだ。
読み進めるうちに、全く違うと思っていた『失われたものたちの本』と通ずるものを勝手に感じる。
異世界はすぐ隣にある。その異世界は、現実と全く違う世界ということではなく、心の世界とでもいうような、人が持っている潜在的な思いや積み重なった経験が具現化する世界。それは、意識しているかしていないかに関わらず、だれもが抱えている世界。
(巻末の対談でも出てくるけれど)この本では、此岸と