あらすじ
「猪口才」な輩に見切りを付け、東京に戻って清と暮らした漱石「坊っちゃん」の馬鹿正直さを肯定し、織田作が描く主人公の地を這うような生き様に喝采を送る――。心に残る物語は、自分が生きる行程に必ず寄り添い続けてくれる。今も愛してやまない作品群から選び出した言葉を中心に、生の豊かさと奥深さを切実な感覚で紐解く。作家デビュー以前の幻の名エッセイ、待望の復刊。
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Posted by ブクログ
文学作品の中から
ある一単語を抜き出し、
それを軸に文学作品と木内さんとのかかわりを語る。
いわゆる“文豪”といわれる方々の作品は
なかなか読み方がわからなかったり、
現代人には難しい本も多いので、
そこに一定の角度をつけてくれるのはありがたい。
この本はそこでとどまらず。
最後に収録されているのは竹内浩三「筑波日記」
大正10年に生を受けた彼の
簡単な生い立ちと作品について語られた後、
軍隊入隊後の筑波での訓練に明け暮れた日々を綴った
日記が紹介される。
作らない 飾らない 騙らない
いろいろと修飾できなくもないけれど、
どれも相応しいとは思えない。
いま、そこにある、戦争というもの。
ただただ迫ってくる文だった。
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
「猪口才」な輩に見切りを付け、東京に戻って清と暮らした漱石「坊っちゃん」の馬鹿正直さを肯定し、織田作が描く主人公の地を這うような生き様に喝采を送る――。心に残る物語は、自分が生きる行程に必ず寄り添い続けてくれる。今も愛してやまない作品群から選び出した言葉を中心に、生の豊かさと奥深さを切実な感覚で紐解く。作家デビュー以前の幻の名エッセイ、待望の復刊。
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2003年に出版され、2025年にめでたく復刊された木内昇による文学エッセイ。夏目漱石、芥川龍之介、永井荷風などいわゆる「文豪」とされる日本人作家の作品から、一つの単語を抽出しそれを軸に話が進められている。
僕はこれら文豪の作品をほとんど読んできていない。どうも日本人だけでなく、海外の文豪が残した「古典」といった作品をなんとなく避けてきたように思う。なぜなのか自分でもわからないのだけれど、もしかしたら「なんか面倒くさそう」という意識が働いているのかもしれない。
それでもここで木内さんが紹介している文章を読むと「なるほど、面白そうだな、読んでみようかな」という気持ちにさせられるのは、この種のエッセイとして、とても役割を果たしているように感じた。ずいぶんと僭越な意見ですが。
あとがきによると本書の出版は小説家としてデビューする以前に出版されたとのこと。僕は木内さんの書籍を読んだのが昨年(2025年)出版された「奇のくに風土記」が初めてであり、これがものすごく面白かったので、本書を手に取った次第。本書がデビュー前の作品ということを知らずに読んでいたのだけれど、エッセイと小説の違いがあるとはいえ、やはり本書と「奇のくに風土記」を比べてみると、本書には若干の若さというか、筆が少し走ってしまっているような箇所も見受けられたように思う。これまたすごく僭越で生意気な感想ですが。それでも(というかそれだからこそ、なのかも)本書には未読の書籍を手に取らせようと強く誘導してくれる力があったと思う。めぐり合えてよかった一冊。
Posted by ブクログ
著者に小説はまだ読んだことがないのに、この随筆集を読めばそれらも読んでみなくてはという思いに至る。
既読なの太宰治の「人間失格」と漱石の「坊っちゃん」のみ。
ここに紹介されている作家たちの小説はどれも読みたくなった。
特に芥川龍之介の「歯車」は自死する前に書かれた心情が綴られていて小泉八雲やスティーヴン・キングより怖いといkた一読せねば。
それと竹内浩三、
戦死はあわれ、
兵隊の死ぬるや あわれ
遠い他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
は有名な詩、この詩を書いたのが竹内浩三。
闊達な青年で食べることが大好きで本がなによりも好き。
いつか小説を書きたい、映画を撮りたい、
戦争が終わったらご飯を腹いっぱい食べたいと思いながら
ルソン島で23歳の短い生涯を終えたこと。
この人にことについてもっと知りたい。と思ったよ。
関係書籍があったら読んで見よう。