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お江戸は神田の小間物屋、女房・お葛は二十七。お気楽亭主に愛想つかし、家計はいつも火の車。それでも風物たのしんで、美顔の探求余念なし。ひとの恋路にゃやきもきし、今日も泣いたり笑ったり。あっけらかんと可笑しくて、しみじみ愛しい、市井の女房が本音でつづる日々の記録。
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Posted by ブクログ
21世紀に入って、ある家の天井裏から発見された日記は、江戸の文化文政、または天保の頃に書かれたとおぼしきものだった。 それは、神田で小間物屋を営む辰三の女房・お葛が元旦から師走の30日まで、こまめにつけた日記だった。 そこには、江戸っ子で気風はいいが、お気楽な亭主のために家計が火の車になり、愛想をつ...続きを読むかしながらも風物たのしみ、泣き笑いしながら、たくましく生きるお葛の人生が生き生きと綴られていた。 美顔の探求に余念がなかったり、実質的に店を切り盛りする住み込みの奉公人・清さんの恋路にやきもきしたりしながら笑いのつぼも人情の機微もおさえたお葛の姿がおかしく、また、愛しい。 割れた瀬戸物を拾い集めれば、修理してくれる焼接屋(やきつぎや)、灰を再利用する灰買いといった商売があったことでこの時代、いかに物を大事にしていたか勉強になった。 また、医者になるための資格試験がなく、勉強ができないやつは医者にでもなるよりしょうがないという、驚くべき記述もあった。 江戸期の生活、歳時、風物などに関する文献が多数引用されており、江戸庶民の姿を肩凝ることなく知れる歴史書にもなっている。 お葛以外の登場人物も、それぞれ味があり、長屋を舞台にした落語を読んでいるような味わいもあった。
江戸時代の主婦、お葛さんの日記。 とても面白かった!やはり、江戸時代の市井の雰囲気、大好きです。みなそれぞれが、季節の行事事などをちゃんと楽しんでいる。忙しい現代ではなかなかできてないことですよね。登場人物も皆個性的、人間味あふれててとても良いです!
この本は、長屋で小間物屋を営む二人の子供を持つ夫婦が主人公。この奥さんであるお蔦さんが、正月に日記を書くことに決めたというシチュエーションですすむ。 わけあって大店の手代を辞めることになった清さんが、居候で共に働く。亭主の辰三は、絵に描いたような江戸っ子。 祭りに目がなく、喧嘩っ早くお金が懐に収まら...続きを読むない。 商売はお蔦さんと清さんに任せっぱなし。 物知りで人情家の大家さんとケチなその妻。 隣は一人娘と夫婦もの。独り者の源さんと、年中質屋が良いの六さん。 1年間の日記をもとに、江戸の市中の人々の習慣や生き方、流行の物や本など色々なものが、織り込まれて進む。 夫婦喧嘩や恋愛まで盛り込まれていますよ〜。 実に楽しい1冊だ。 木内昇の書き下ろしだが、資料は多く丹念に調べ上げた上の日記仕立てなので、勉強してる気がしないうちに、知識も! 是非オススメの1冊ですよ〜!!
面白くて面白くてケタケタ笑いながら読んでしまった。正月から師走まで1年通して書かれた日記。作者は江戸で小間物屋をしているお葛さん。その亭主がとにかく笑える馬鹿。仕事に精を出さず、見栄っ張り、喧嘩っ早く、子供より子供。亭主の馬鹿っぷりに日記でツッコミをいれるお葛さん。言い回しや的確な指摘が最高に洒落て...続きを読むいる。ツッコミながらも季節の行事や当時の風習が丁寧に書かれていて、まるで江戸にいるような気分を味わえる。亭主以外の登場人物も一筋縄じゃいかない人ばかり。だものツッコミも磨かれるわけだ。愉快で気分がいい1冊です! 積ん読たくさんあるにもかかわらず、ちょっと寄り道。すっこーんとそしてからりと乾いた気持ちいい読後を求めて再読。お葛と旦那とその周りの人々とやっぱ好きだな。お葛さんが旦那にあきれつつもなんだかんだ日記で話題にしているってことは、お葛さんが思う程枯れてないと思うよ笑。旦那が湯屋で喧嘩して、お葛さん一度は怒髪天になるも、でもその原因に筋が通っていると分かった時の褒め言葉「えらいぞ、旦那。日頃の短慮が実を結んだね」こんなこと、普通言えない。お葛さん、嫌かもしれないが似た者夫婦だよ。たった1年の日記じゃ物足りない!
大正初年に建てられた古びた洋館の天井裏で見つかった江戸時代に小間物屋を営む女が描いた日記。昭和の初め頃、一人の男がその日記に興味を持ち現代語訳したものらしい。 面白い。本書の設定も日記の内容も。 日記の書き手はいつもぷりぷり怒りながらどんどん突っ込みを入れていく。その様が軽快で痛快でとても良い。自身...続きを読むも本を読むのが好きらしく文才ありなので登場人物がみんなイキイキと立ち回ってくれる。 と、面白く日記を読み終わった後に解説を読んだら現代語訳をした男の存在にも疑問が表れ尚面白い。 それにしても、あの洋館の戸袋が物凄く気になる。 そこに住む人の日記も是非とも読みたい。戸袋の世界をこっそりとお披露目してほしいなぁ。
奇妙なもの音に目を覚ました場面から始まり、見慣れない箱が屋根裏に出現…という始まりだったから、何かオカルト的なオチがつくのかと思っていたら、 『男もすなる日記というものを…』的な、前置きというか、設定の紹介だったようだ。 時代設定は、文化文政から天保のあたり。 一文は約25円に換算。 どの年かは分...続きを読むからないけれど、一月一日から大晦日までの一年間を綴った、江戸時代の自営業(小間物屋)の主婦の日記形式になっている。 木内さんの作品で、今まで自分が読んだものは、少し重いというか、渋いというか、ピカピカに仕上がったものにさっとひとはけ柿渋を塗って汚し塗装をしたような…そういう雰囲気の物が多かった。 けれど、この「日記」は、ひじょうに軽妙洒脱。 現代のよその主婦のブログを、特に大事件が書かれていなくても、「何を食べた」とか「子供が熱を出した」「スイーツ食べ過ぎて体重計が怖い」「ダンナがどうしょうも無い」というような日常を読むだけで面白い… そういう感じの本なのだ。 そういう日常を、江戸っ子のポンポン威勢のいい話言葉さながらに、会話のやり取りも生き生きとつづっている。 とても面白い。 「わ~、江戸時代の主婦も、今といっしょだな~」 などとつい思ってしまって、いや、これ本当は現代の作家が書いてるんだから、と現実に戻る。 丁寧な脚注付きで、江戸の暮らしの年中行事や一年間が良くわかる。
ものすごーーーくおもしろかった! すばらしい! 大好きだ。 江戸時代の小間物屋さんの奥さんが書いた日記。 まるで現代のブログみたい。日々の仕事と暮らし、子どものこと、お出かけ、おいしいもの、季節の行事、ご近所さんとのおしゃべり、そして夫とのけんかや愚痴。口調もブログ日記みたいで読みやすくて。おもしろ...続きを読むくて楽しくて笑えて、そしてものすごく深い。 平凡な日常を大事にして楽しく暮らそう、とかしみじみ思う。 ああ、いつまでも読んでいたかった。続編とか出ないかなあ。 それと、関西弁っていいなと思ってたけど、江戸弁もいいなあーと思った。
江戸に暮らす女房の日記というだけあって劇的な展開はなく、日々のあれこれが書き綴られている。 目立つ話はご近所のさえちゃんの恋路くらいだけどそれすらいまいちパッとしない。 それだけにリアルで極めて日常的な江戸時代の庶民の暮らしを知ることができる。 時代小説を読むだけでは描かれないレベルの細かいしきた...続きを読むり、小さな行事、娯楽、価値観などは興味深くて目を見張るものがある。 女性の日記なので特に化粧品や身だしなみの整え方の記述は多かったけど、なんの根拠もなさそうな美容法で唖然とした。 何度も登場する豚骨を煮込んで作った「豚の爪」というクリームなんて偶然出来上がったものを商品として売っちゃうんだからこわい。 でも六さんがなんでも商売にしているように、江戸の庶民はあの手この手で生計を立てていたんだろうな。 知らなかったことだらけで勉強になりおもしろかった。
ただの日記と簡単に言ってしまえば、そうなのだけど江戸時代の一年の暮らしを垣間見れて、面白かった。なぜか心が和む。 きっちり一年で終わってしまうので、清さんの恋がどうなったのかがわからないのが残念!
木内さんの作品はいつもその時代に引きこまれるけれど、これは長屋の3軒先くらいから眺めているような、絶妙な距離感で楽しめた。長屋の生活が生き生きと伝わってきて、もうお葛さんはじめ、明日はどうなる?と、だんだんさえちゃんや清さん、六さんたちが気になり始める。 ご近所とは適度に距離を置き、ここがお節介しど...続きを読むころと思えば、俄然張り切る。初鰹を食うためなら女房の着物を質に入れてでも。火事があればすっとんでいって火消しに見とれる。みんなで花見や花火を楽しむ。先のことは憂えない江戸っ子たちがどんなに生活を楽しんでいることか。江戸の風物詩も楽しい。
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