村田喜代子の作品一覧
「村田喜代子」の「姉の島」「エリザベスの友達(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
「新古事記」(村田喜代子)を読んだ。
村田喜代子さんよくぞこのタイトルを見つけてくれました。
見事だよ。
オッペンハイマー所長を中心に研究◦開発を続ける所員たちは自分たちが手がけているその対象物ゆえにか強度のストレスを抱え、そして何も知らされていない妻たち(とペットの犬たち)はそのストレスを一身に受け止めながらも凪いだ日常を送る。
そんな妻の一人日系三世アデラの祖母のノートには海を渡ってきた祖父の国の創世神話が記されていた。
神ならぬヒトの手によって産み出された新たな火によってもう一度泥濘の中から新しい世界を創世する顛末はまさに新古事記なのだ。
凄まじき業火を産んだロスアラモスという
Posted by ブクログ
御年97歳の初音さん、その娘の満州美と千里を視点人物として、「かつての自分」が「いまの自分」になってしまった認知症の老人たちと、その様子を戸惑いながら見つめる子供世代の日常が描かれる。興味深いのは、それぞれの生きた戦争と戦後に囚われ、意識を固着させてしまった老人たちの世界と子供たちの世界とが基本的に切れており、ごくわずかな糸でしか結ばれていないこと。だから、子供たちは老人たちに見えている世界が理解できず、認知症の老人たちにはそもそも子供たちが誰なのかさえ分からない。しかし、老親たちのちょっとした振る舞いや言動から、彼ら・彼女らが「あの時」をどう生きていたのか、自分たち自身はどう生きてきたのか