エリザベスの友達(新潮文庫)

エリザベスの友達(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

4.0

戦後、命からがら娘と日本に引き揚げた初音さんは今年九七歳になる。もう今では長女の顔もわからない。病が魂を次々と剥いでゆくとき、現れたのは天津租界でのまばゆい記憶だ。ドレスに宝石、ミンクを纏い、ある日はイギリス租界の競馬場へ、またある日はフランス租界のパーマネントに出かけ、女性たちは自由だった――時空を行き来しながら人生の終焉を迎える人々を、あたたかく照らす物語。(解説・岸本佐知子)

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エリザベスの友達(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年01月05日

    長女がジャケ買いしたけど私向きだと思い読み始めたら止まらなくなった。いろいろな世界の対比がくっきり描かれていて、久しぶりに本の中の世界に自分もたたずんでいるような気分になる。現在老いてしまった母親、戦争を生き延びたけれど辛い思いもした祖母や母のことを否応なく思わされる。もっと歳を重ねた時、再読できる...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年11月02日

    介護施設で暮らす痴呆を患った母初音さんと、満州美、千里の2人の娘。 夢うつつの初音さんの気持ちがさまよう、かつて暮らした天津租界が、やはり今回も気になりました。 介護の鉄則、逆らわない、叱らない、命令しない。 今後の自分のために絶対忘れないようにしようと思います。

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    Posted by ブクログ 2023年11月09日

    施設に入所している認知症の母とその娘たちの物語で、認知症老人を温かい目で描く良作。中国の租界や満州などの若い頃の体験を今の体験として感じているという説明に、認知症への理解が深まったように思う。

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    Posted by ブクログ 2022年09月12日

    不思議な味わいの作品だった。
    認知症となったお年寄りたちの内面世界を浮かび上がらせたかと思えば、見守る子供たちの気持ちにもよりそう。
    お年寄りが思いがけず反応を示す昔のことに、驚いたりする若い介護士たちの姿も描かれる。
    現代と、お年寄りが過ごした過去とを自由に行き来しつつゆったりと話が進んでいく。
    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年10月31日

    認知症で97歳の初音さんは、施設に入所している。
    現実よりも、輝いていた昔の記憶の中に生きている。
    会いにくる娘たちも高齢者。
    長生きは尊いのだろうけれど…。

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    Posted by ブクログ 2023年07月17日

    いい老人ホームだ。2人の娘もよく通ってくれて初音さんは幸せだ。でもそんなこちらの世界とは全く別のところに認知症のお年寄りは生きているようだ。だとしたら幸せって何だろう…

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    Posted by ブクログ 2021年11月16日

    誰にも邪魔の入らない、夢現のとき
    そこには天津租界でのキラキラした世界が、、
    もっと広がるのかと思ったけど、意外と現実的
    老々介護か
    身につまされるなあ

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年10月18日

    介護施設に入所できた場合、認知症患者自身は、外から見るよりも幸せに生きているのかもしれないと思った。見たい光景を見ているなら、良い事なのかもしれない。やりたいようにやらせてあげる、その余裕が家族にあるかは考えるだけで苦しい。
    初音さんのように夢心地でなく現実を生きている満州美さんのことが気になった。...続きを読む

    0

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