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泉鏡花文学賞受賞作。年寄り海女と水産学校卒の孫との異色海洋冒険小説。天皇海山列、春の七草海山、海底につきささる戦時の潜水艦。円熟した作家がユーモアのある名うての文体で挑む傑作長編。解説・綿矢りさ
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Posted by ブクログ
九州の離島に住む海女のお婆さん達を中心に、船乗りのお爺さん達やその子・孫の世代まで登場する中編。主人公の雁来ミツルは八十五歳だが、島の慣わしの倍歴というのがあり、かける2で百七十歳でもある。そんな長生きしているのは実在してたのかどうかもわからない神話上の大昔の天皇達だろう、という話が出たり、ミツル...続きを読む達が海底で出会う古代から先の大戦にかけて海に沈んでいった者達との会話が繰り広げられたり。孫が島へ連れてきた嫁の美歌が妊娠したあたりから、高齢者と若者というだけでなく、去っていく者達と生まれてくる者達という対比が際立ち始める。終わり方は悲しいようで、頼もしい。新しい生命に幸あれ。
五島列島のとある島で、長男夫婦と孫息子夫婦と暮らす海女さん。その地域では海女は85歳になると、倍暦といって春と秋の彼岸に1歳ずつ歳をとるようになるそう。つまり、85歳は170歳になるわけで、人間を超越した、仙人のような、神様に近いような存在になるようだ。 一歩間違えば死に直結するというリスクを負って...続きを読む、2~3分も息を止め、素潜りで20~30メートルも暗い海の中へ潜る熟練の海女さんたちの姿は、なんというか、陸で生きる自分とは違う生き物のよう。 最後のクライマックスが圧倒的だった。
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