火環

火環

1,496円 (税込)

7pt

4.1

昭和日本を支えた鉄都に火の如く渦巻く人間模様──
煙が炎々と天を焦がす製鉄の町・北九州八幡。複雑な家庭事情のなかで、祖父母や親戚たちの見守りを受け、焼跡に土筆のように逞しく育ったヒナ子は中学生に。やがて映画と本に夢中になり、脚本家を夢見て上京をもくろむが……。愛欲の煩悩やみがたく制裁で街を追われた仕立て屋の叔父、炭坑で地獄をみてきた堅固な人生観をもつ祖母ら、名もなき人たちが煩悶しながら戦後の激動を火のように生きる、前作『八幡炎炎記』に続く著者初の本格自伝的小説・完結編!

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火環 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年09月18日

    面白かった!
    ヒナ子の成長ぶりも、克己さんの逡巡も大好きだ。
    サトばあさんになりたい。
    いいとか悪いとかを超えて、生きてることと死ぬことがよくわかる。
    作家さんは、目の前に広がる世界を、心の動きをニヤッとしながら写し取っているみたい。
    とても好きな小説。

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    Posted by ブクログ 2018年07月06日

    煙が炎々と天を焦がす製鉄の町・北九州八幡。複雑な家庭事情のなかで、祖父母や親戚たちの見守りを受け、焼跡に土筆のように逞しく育ったヒナ子は中学生に。やがて映画と本に夢中になり、脚本家を夢見て上京をもくろむが……。愛欲の煩悩やみがたく制裁で街を追われた仕立て屋の叔父、炭坑で地獄をみてきた堅固な人生観をも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月16日

    面白かった!八幡炎炎記だけでは足りない、これも合わせて堂々の完結。人が生きて死ぬ。いろんな欲がある。人の生き様が興味深い。子どもや若者は何事もなしていないから悔いがないという記述になるほど…!と思った。

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    Posted by ブクログ 2019年03月09日

    製鉄の街・八幡を舞台に、戦後の復興期から高度成長期にの昭和の世相と、そこに住む人たちを"火"や"光"に託して描いた作品です。『八幡炎炎記』の続編というより炎炎記と本作を合わせて一つの作品ですね。
    他人の妻や愛人にだけ昏い情欲を感じる克美は、妻のミツ江の子宮癌を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月02日

    八幡炎炎記から続けて読書。ヒナ子が少しずつ大きくなるに連れて周りの大人の様子も変わってくる。

    戦後の復興と共に思想も生き方も仕事の仕方も変わって行く子供達や大人達。この後編ではその波に乗って行く子供達や若い世代と、信心深く立ち居振る舞いも昔のまま変わらない老人達との違いも浮き彫りになって来ていたと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月08日

    『八幡炎炎記』の続編。時間は昭和二十七年から昭和三十五年にかけて、さらさらと流れて行く。時代は戦後の復興期から高度成長期へと活況を呈していく筈なのに、物語は何処か儚げで淋しい。『八幡炎炎記』ではわさわさと賑やかだった人達が段々と影を潜めていく。主人公の一人、ヒナ子も本書で話が進むに連れ、何処か印象が...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年08月16日

    『八幡炎炎記』が「第一部」となっていたので、少なくとも三部はあるに違いないと楽しみにしていたのだが、これで「完結編」!?
    村田さんの体調が悪いのだろうか、それとも第一部が売れなかったからなのか・・・。
    しかし、これも十分面白かった。
    村田さんは「ヒナ子」だと思うが、中学を出た後、働きながらシナリオラ...続きを読む

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