村田喜代子のレビュー一覧

  • エリザベスの友達
    認知症の老人の内面世界がこれほど豊かだとは、そう描くことで、そう思うことで何だか救われる思いがする。
    介護施設《ひかりの里》に暮らす老人を見守る家族、介護職員やボランティアの眼差しがいい。「良い介護とは人生の終幕の、そのお年寄りのいい夢を守ってあげること」だという。
    認知症の人は、過去に戻り人生を生...続きを読む
  • 飛族

    おもしろい

    2人の高齢のおばあちゃんのたった2人きりの生活が描かれている。島や取り巻く海などの景色を思い浮かべて読み進めていく。まるで潮風の香りまで感じるような描写が素晴らしい。
  • 飛族
    西の果ての離島に住む92歳のイオさんと海女仲間のソメ子さん88歳、二人の生活を心配してイオさんの娘ウミ子65歳が訪ねて来た。
    老婆達の暮らしは、娘から見れば不便で厳しい。けれど、二人はなんと逞しく、おおらかに自由に生きていることだろう。
    この世とあの世、人間と鳥、海と空、海と島、仏教とキリスト教、境...続きを読む
  • 飛族
    生きて、老いて死んでいくことがどうしようもなく寂しく不安になると、この人の本が読みたくなる。家族が病み、老い、残った時間を数えることと、自分の孤独を想像して焦ることは別のこと。孤独や不安は自分の中におとなしく抱えておいて、いざ喪ったときに向き合えばよい。自分の問題だ。それまでは、今日を生きることだけ...続きを読む
  • 飛族
    舞台はかつて遣唐使が東シナ海に乗り出す前の最後の寄港地だった郡島の、今は92歳イオさんと88歳のソメ子さんの二人の老女だけで暮らす島。そこにイオさんの娘ウミ子さんが現れて。。。
    今は無人島化しつつある国境の島々。不法侵入の脅威にさらされ、苦心する町役場の戦術。その一方で世俗にまみれてしたたかとも、浮...続きを読む
  • 飛族
    久しぶりの村田さん。やっぱ、いいわあ。
    離島でたった二人で暮らすおばあさんたち。63歳の娘が小娘に見えます。
    鳥になる練習をするおばあさん達の姿を見てみたい。台風が来てどうなるかハラハラしましたが、よかったよかった。
  • エリザベスの友達
    介護付き老人ホームで暮らす97歳の初音さんの心は、自分の一番輝いていた時代に生きていた。

    時空を超えた初音さんの心を受け止めながら介護する二人の娘満州美と千里がとても暖かい。
    ゆとりのある介護が出来ているからだろうと、羨ましく思いました。

    戦中の天津の日本租界での暮らしにとても興味を持ちました。...続きを読む
  • エリザベスの友達
    著者である村田喜代子さんは本作を執筆する強い契機となった短歌があると紹介していた。
      
    もう誰も私を名前で呼ばぬから
          エリザベスだということにする

    好きな歌人の松村由利子さんが詠んだ一首だ! これは是非とも読まねばならない。
    一首から想像力を膨らませ認知症体験や介護現場を書かれた作者...続きを読む
  • 火環
    煙が炎々と天を焦がす製鉄の町・北九州八幡。複雑な家庭事情のなかで、祖父母や親戚たちの見守りを受け、焼跡に土筆のように逞しく育ったヒナ子は中学生に。やがて映画と本に夢中になり、脚本家を夢見て上京をもくろむが……。愛欲の煩悩やみがたく制裁で街を追われた仕立て屋の叔父、炭坑で地獄をみてきた堅固な人生観をも...続きを読む
  • 八幡炎炎記
    敗戦の年に生を享けたヒナ子は、複雑な家庭事情のなかで祖父母のもと、焼け跡に逞しく、土筆のように育ってゆく。炎々と天を焦がす製鉄の町・北九州八幡で繰り広げられる少女の物語。
  • 人の樹
    木と人にまつわる連作短編。
    間違いなく今年のナンバーワン。
    この作品を読むことができてよかった。
  • ゆうじょこう
    三冊続けて少女を主人公にした女性作家の作品を読む。
    原田マハ「永遠をさがしに」、高田郁「あきない世傳 金と銀 源流編」、そして村田喜代子さんの本作。
    前の二冊は一気読みでしたが、この作品はじっくりと。少女漫画的な設定やストーリーの前二作とは密度が全く違います。
    明治初年、薩摩の先の硫黄島から熊本の廓...続きを読む
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • 屋根屋
    村田喜代子とか、多和田陽子とか金井美恵子とか、ゆるぎない独自の世界のある作家は本当に素晴らしい。
    読んでいてこの小説世界から抜け出したくない気持ちになる。冷静に考えれば、ちょっと無理のある物語でも、一旦入り込んでしまうと全く気にならない。
    安易に屋根屋が男前だったり、二人の関係が発展してしまわないの...続きを読む
  • 屋根屋
    ある主婦が、雨漏りを修理に来た屋根屋の職人と雑談をするうちに、
    夢の中で好きな所に連れて行ってやると言われ、
    半信半疑ながらも教えられた通りに。
    夢の中で待ち合わせ、彼女の希望通りの場所へ行く二人。
    夢行きの旅はしだいに遠く、しまいにはフランスまでの長旅へ。
    それは幾晩も連続した夢を見るという、難し...続きを読む
  • 屋根屋
    ここまで面白いとは思わなかったので、すごく得した気分!
    嫁さんのことを世界で一番分かってないのが旦那だということがよく分かった・・・
  • 屋根屋
    上手いタイトルをつけたものだ。上から読んでも下から読んでも、右から書いても左から書いても同じ漢字を使った最短の回文「屋根屋」である。もっとも、作者が名うてのストーリー・テラーとして知られる村田喜代子。この人の書くものならタイトルが何であっても手にとるだろう。空を飛ぶ恋人たちやロバの絵で知られるシャガ...続きを読む
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • 飛族
    「確かなものは我が身のあるところじゃ。片隅でも、外れでもよか。そこが中心じゃ。わしはそれでよか。」私もそれでいい。それがいい。
  • ゆうじょこう
    よくある花魁モノとは全然違う。
    作者はこの時代この場所におったんか?ってくらい細かい描写が廓の地獄をよりリアルにする。
    でも主人公の性格のせいか、地獄の描写が暗くない。カラッとした不幸、滔々たる不遇。
    絶対だった物の崩壊と、女達の闘い。学問の必要性。