村田喜代子のレビュー一覧

  • 屋根屋

    Posted by ブクログ

    こんな空想的な発想を、瓦職人の小説て表すなんて素晴らしいです。ホノボノして面白く、最後のオチもメルヘンチックです。

    0
    2014年12月29日
  • 屋根屋

    Posted by ブクログ

    ゴルフ三昧の夫と部活に熱中する息子との日常に退屈している平凡な主婦と、妻を亡くした孤独な屋根屋との、夢の中だけの屋根を巡る旅。
    大人の少女漫画という感じ、逆説的だけれど。主人公は、したたかで強い女だ。男性の方がロマンチストで、そして脆い。主人公が介入してこなければ、屋根屋は孤独だけれど、波のない夢の中での屋根を巡る旅を心穏やかに楽しめただろうに。
    最初の方の、主人公が料理を振る舞う中で2人の距離が縮まり、初めて主人公が屋根の瓦を踏む、そして夢で二人が屋根の上で会う、その流れが心地よかった。後半の展開は、永瀬だけが追い詰められて主人公は結局何も失わないのがはがゆく、もう少し、なにかえぐられるもの

    0
    2014年11月18日
  • 屋根屋

    Posted by ブクログ

    屋根の修理に来た永瀬という大男、すなわち『屋根屋』。彼の話から夢にただならぬ興味を持ち始める主人公の主婦。

    「奥さんが上手に夢を見ることが出来るごとなったら、私がそのうち素晴らしか所へ案内ばしましょう」
    その言葉通り、屋根に魅せられた二人が夢の中で様々な所を訪れる。

    夢の世界なのに、夢とは思えぬほど丁寧でこと細やかな描写。
    読んでいる自分自自身も夢の小旅行を体感しているかのよう。

    結末には衝撃と物悲しさが残った。
    一体どうなってしまったのだろう、と。
    でもこれでよかったのかもしれない。

    夢の続きがもう少し見たかったな、そんな気分になった。

    0
    2014年08月31日
  • 屋根屋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作品が読者を巻き込み、グイグイと中へ連れて行く。屋根屋の永瀬と屋根の修理をしてもらう家人の奥さんが中心の話。夢というのは起床時にはほぼ忘れている事もあり、深くは考えてないがこの作品を読むと夢ってコントロール出来るのかとちょっと興味を持った。しかし、夢日記に関してはいろいろと怖い話を聞くので実践はしたくない。すごく不思議な作品だがなぜか、それが心地いい。

    0
    2014年05月09日
  • 蕨野行

    Posted by ブクログ

    サバイバル姥捨小説。

    初めて読むような文体に戸惑った。何しろ物語は最初から最後まで、お姑と嫁・ヌイの方言のような古文の文体の会話で展開されるのだ。始めは読むのが苦痛なのだが、慣れて来ると面白くなる。

    押伏村に伝わる六十歳を迎えた老人は蕨野に棄てられるという哀しい掟。蕨野に棄てられた老人たちは、厳しい自然を相手にサバイバルを続ける…

    0
    2014年01月22日
  • 蕨野行

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    嫁と姑の関係に希望があるところがいい。
    年を取ってもコミュニティから排除されても、生きる意欲や恋をする気力があるところがいい。
    何より、厳しい土地厳しい状況の中でそれでも生きようとする人々の姿が美しい。

    余談だが、ワラビたちは「寒の夏」でさえなければ、秋になって収穫を迎えたときに再び村に帰ることができたんだろうか。できたんだろうな。できたと信じたい。

    0
    2013年10月07日
  • 蕨野行

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    姥捨山に捨てられた老人達のサバイバルの物語!…はちょっと違うけど。(と思ったら、解説の辺見庸さんも「老人たちが余儀なく突入していくサバイバルゲーム」と表現していてびっくり。)
    里の若い者達の食いぶちを減らすため、もう里には戻らない覚悟で自ら山にはいるが、それでも山で鳥やウサギを採ったり魚を捕まえたりしながら必死に生き延びようとする年寄りたちの姿が印象的だった。そのうえ里が飢饉にみまわれると、里に残した子や孫に山の肉をやろうと必死に罠を仕掛けるおじいちゃん…。生きるってこういうことだ!というものをどーんと見せつけられた気がする。そこには「姥捨」の伝説から受けるネガティブなイメージは、ない。
    みん

    0
    2013年07月23日
  • 蕨野行

    Posted by ブクログ

    しみじみとした情感に包まれる

    死に逝くものの話であり
    生まれ出でるものの話でもある

    私たちが生きている
    この地そのものが
    蕨野行になっているのかも
    知れない

    0
    2013年02月27日
  • 村田喜代子傑作短篇集 八つの小鍋

    Posted by ブクログ

    おばあちゃん文学。と言っても文体や目線は瑞々しくどこまでも温かい。8つの短編の中でも「望潮」は特にその傾向が強く、お年寄りに向けたまなざしと生活の細かな描写は秀逸。自分は「蟹女」の昔を振り返って語る老婆の心理描写が、妙に強く心に残っています。

    0
    2009年10月04日
  • 掌篇歳時記 春夏

    Posted by ブクログ

    七十二侯を題にとり、春夏の三十六のなかから十二の掌編を集めた掌編集。
    作家の個性がよくわかる。
    特に長嶋有とか村田沙耶香とか。よく読んでいたからか。季節賛美とか、情景の小説なのかと思えばそうでもなく、その言葉から感じたものを小説に仕立てているようにも感じる。
    野人になった姉を持ち、ルームシェアした友人と赤ん坊のシェアを考える、ドライなのか突き放しているのか不思議な感覚になる土脉潤起。
    襤褸から、昔住んでいた家に働きにくる山村の少女たちの継ぎ接ぎと寒さについて思いをたどる雷乃発声、

    0
    2026年06月05日
  • 屋根屋

    Posted by ブクログ

    設定が面白く不思議な内容。不思議であり覗き込みたくなる話であったが、最後は何だったんだろう。建築や屋根のウンチクもあり興味のそそられる内容

    0
    2026年04月04日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    時はコロナ禍。主人公美土里は突然夫を亡くす。趣味のパソコンクラブの友人と、夫の病院で知り合った女性と、いわば未亡人倶楽部を結成?独り身の女性たちと深く交流していく。その交流の中で、夫の死を受け止め、過ごした日々を振り返り、生きていく糧を得るというお話なのだが、話の展開は想像を超え、仏教、地獄、極楽、伝説から魂の世界へと広がっていく。ヒトが死ぬのも現象というくだりが興味深かった。蝋燭の火も燃焼だが、もっとも遅い燃焼が、ヒトが呼吸することという事実にも唖然。確かに、酸化作用で老化していく。ともあれ、ちょっと不思議な小説ではあった。

    0
    2026年03月02日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    情景描写の言葉遣いが素敵。
    細やかな心情の表現も素敵。
    そして素敵に齢を重ねた登場人物たちのコミュ力、行動力が凄まじい。

    果たして私も同じ齢を重ねたとして、こんな生活が、こんな人付き合いができるだろうか。
    少し自分を見つめ直す機会を得た気がする。

    0
    2026年02月08日
  • 姉の島

    Posted by ブクログ

    五島列島の海女のお婆さんたちの話。船幽霊の話など少し民話的な要素もあるが、個人的には『飛族』のほうが好みだった。

    0
    2026年01月18日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    未亡人倶楽部。経験した者でなければ書けない。何人も家族との別れは経験したけれど、また違うのだろう。でも登場する人たちはむしろいきいきしてて、羨ましくもある。

    0
    2025年09月21日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    夫の死後一人で気分は沈むが、出かける場所があったり、集う仲間がいたりするとその間は忘れられる。美土里は夫の思い出と共にいい日々を過ごしていると思う。

    0
    2025年07月21日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    夫を亡くしたばかりの美土里は、空っぽな日々を過ごしていたが、忘れ物を取りに行った病院で時実美子と出会う。彼女もまた夫を亡くしたばかりだった。
    パソコン教室やおはなし会を休んでいた美土里が、山城教子の誘いで再び足を向けると、昨年夫を亡くしたという十鳥辰子が俳句を作りたいと入っていた。

    それから「未亡人倶楽部」の彼女たち3人は、時折夫のことなどを振り返りながらゆるゆると生きていく。

    『地獄草子』や『梁塵秘抄』などの話も出てくるのは、十鳥辰子の年齢や夫との関係性もあるのだろうか…と思いながらも夫が亡くなると日頃は思うこともない仏教のことを少しは考えてしまうのだろうかと。

    夢を見たのか現実だった

    0
    2025年07月07日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    「人は生まれたから死ぬのです」
    そして自然界から見ればただの“現象”

    お精露さまのお迎えの場面はそっと鳥肌が立つよう

    私もパートナーを亡くした後、こんな地獄を受け入れて乗り越えるのか?

    0
    2025年07月01日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    夫を亡くしたばかりの美土里が、同じく夫を亡くした美子、辰子と出会い、交流していく中で死について考え、受け入れていくまでの「未亡人倶楽部」一年間の物語。

    夫との関係性や、亡くなった時の状況によってその死を引きずるかスッキリと前を向けるかに差があったり、泣き暮らす人もいれば、新しい生活に活力を得る人もいて、喪のカタチは人それぞれ。

    作者自らの体験に基づく作品らしく、伴侶の死を克服していく過程にリアリティがある。
    地獄のあれこれや、大分地方のお盆の“お精露さま迎え”の風習、渡り鳥の話などエピソードも興味深い。

    教子の新しいパートナー?貝島さんの「ヒトが生きるのも死ぬのも一つの現象に過ぎない」と

    0
    2025年06月25日
  • 美土里倶楽部

    Posted by ブクログ

    夫を亡くしてからの一年、一人暮らしの中で2人の未亡人との出会いと日々の暮らし、それが淡々とゆっくりと旦那との想い出と共にしまいこまれていく。
    未亡人の言葉に亡き婦人だと勝手に解釈していたがいまだ亡くならない人だったとは。昔は家長が死ぬと妻は後を追う事を求められていて差別用語だったとは。
    この小説全体は日本人の年配者にとって神仏に対する見方や考え方が分かる話だと感じる。
    何十年経った若い人が読んだらどんな感想を書くのか気になる。

    0
    2025年06月10日