村田喜代子のレビュー一覧
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ゴルフ三昧の夫と部活に熱中する息子との日常に退屈している平凡な主婦と、妻を亡くした孤独な屋根屋との、夢の中だけの屋根を巡る旅。
大人の少女漫画という感じ、逆説的だけれど。主人公は、したたかで強い女だ。男性の方がロマンチストで、そして脆い。主人公が介入してこなければ、屋根屋は孤独だけれど、波のない夢の中での屋根を巡る旅を心穏やかに楽しめただろうに。
最初の方の、主人公が料理を振る舞う中で2人の距離が縮まり、初めて主人公が屋根の瓦を踏む、そして夢で二人が屋根の上で会う、その流れが心地よかった。後半の展開は、永瀬だけが追い詰められて主人公は結局何も失わないのがはがゆく、もう少し、なにかえぐられるもの -
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屋根の修理に来た永瀬という大男、すなわち『屋根屋』。彼の話から夢にただならぬ興味を持ち始める主人公の主婦。
「奥さんが上手に夢を見ることが出来るごとなったら、私がそのうち素晴らしか所へ案内ばしましょう」
その言葉通り、屋根に魅せられた二人が夢の中で様々な所を訪れる。
夢の世界なのに、夢とは思えぬほど丁寧でこと細やかな描写。
読んでいる自分自自身も夢の小旅行を体感しているかのよう。
結末には衝撃と物悲しさが残った。
一体どうなってしまったのだろう、と。
でもこれでよかったのかもしれない。
夢の続きがもう少し見たかったな、そんな気分になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ姥捨山に捨てられた老人達のサバイバルの物語!…はちょっと違うけど。(と思ったら、解説の辺見庸さんも「老人たちが余儀なく突入していくサバイバルゲーム」と表現していてびっくり。)
里の若い者達の食いぶちを減らすため、もう里には戻らない覚悟で自ら山にはいるが、それでも山で鳥やウサギを採ったり魚を捕まえたりしながら必死に生き延びようとする年寄りたちの姿が印象的だった。そのうえ里が飢饉にみまわれると、里に残した子や孫に山の肉をやろうと必死に罠を仕掛けるおじいちゃん…。生きるってこういうことだ!というものをどーんと見せつけられた気がする。そこには「姥捨」の伝説から受けるネガティブなイメージは、ない。
みん -
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夫を亡くしたばかりの美土里は、空っぽな日々を過ごしていたが、忘れ物を取りに行った病院で時実美子と出会う。彼女もまた夫を亡くしたばかりだった。
パソコン教室やおはなし会を休んでいた美土里が、山城教子の誘いで再び足を向けると、昨年夫を亡くしたという十鳥辰子が俳句を作りたいと入っていた。
それから「未亡人倶楽部」の彼女たち3人は、時折夫のことなどを振り返りながらゆるゆると生きていく。
『地獄草子』や『梁塵秘抄』などの話も出てくるのは、十鳥辰子の年齢や夫との関係性もあるのだろうか…と思いながらも夫が亡くなると日頃は思うこともない仏教のことを少しは考えてしまうのだろうかと。
夢を見たのか現実だった -
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夫を亡くしたばかりの美土里が、同じく夫を亡くした美子、辰子と出会い、交流していく中で死について考え、受け入れていくまでの「未亡人倶楽部」一年間の物語。
夫との関係性や、亡くなった時の状況によってその死を引きずるかスッキリと前を向けるかに差があったり、泣き暮らす人もいれば、新しい生活に活力を得る人もいて、喪のカタチは人それぞれ。
作者自らの体験に基づく作品らしく、伴侶の死を克服していく過程にリアリティがある。
地獄のあれこれや、大分地方のお盆の“お精露さま迎え”の風習、渡り鳥の話などエピソードも興味深い。
教子の新しいパートナー?貝島さんの「ヒトが生きるのも死ぬのも一つの現象に過ぎない」と