【感想・ネタバレ】飛族のレビュー

あらすじ

日本海のはずれ、朝鮮との国境に浮か養生島。 かつては漁業で栄えていた離島で暮らす三人の老女のうち、ナオの死で、いまはイオとソメ子のふたりが取り残されている。 九十二歳でひとり暮らしのイオの娘、ウメ子も六十五歳になった。 イオは海女をなりわいとして、八十五歳までアワビを獲るほど、心身ともに丈夫ではあるけれど、娘のウメ子としては心配でならない。 二十五年前の海難事故で命を落とした夫を供養するイオとソメ子。 異国からの密漁船による侵略や、地球温暖化など、不吉な未来を予感しながら、泰然と暮らしを守り続ける老女たち。 そんな島に、おそろしい台風が近づいてきて……。 名作映画「八月の鯨」のように、海辺での厳しい暮らしとシンプルに生きようとする姿に胸を打たれる。 いまの時代こそ、こんな世界に浸りたくなる。谷崎潤一郎賞受賞作品。解説・桐野夏生

※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

NHK FM新日曜名作座で現在放送されている本作の事が気になり読んでみた。孤島養生島には母親イオさんと海人友達のソメ子さんしか住んでいない、そんな島に娘のウミ子がやって来る、出来れば島から連れ出したい、しかしこの老婆二人は島を離れる気はない、そして台風に襲われてウミ子もこの島で住もうと決心する。しかし限界集落は問題になっているが孤島の無人島化はもっと問題だ、泥棒のような中国人が空きあらばと狙っているのだ、ミサイルを買うだの国防論議が盛んだが、無人島になってしまった島に公務員を常駐させるのが先だろ。

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2023年02月03日

Posted by ブクログ

文庫になって、電車用にサイズがいいなと手に取ったのだが、とても面白いのであっという間にに読み終わってしまった。
どことなくマジックリアリズムのような雰囲気もあり、一瞬沖縄が舞台かと思ったが、九州のようだ。
島に残る老女二人のなんともあっけらかんとした話が、時に不思議な世界感で、梨木香歩さんや恒川光太郎さんが好きなら読んでも間違いないと思う。

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

イオさんとソメ子さんが愛らしくて何度か笑ってしまった。状況は明るくないはずなのに、ニ人の周りに悲壮感は少しもない。ほっこりと読ませていただきました!

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

ふたりの女性が、離島にいる。
92歳と88歳で
ゆらゆら漂うように生きていた。

このオビ文句に触れ、自然と手が伸びた。
日本海のはずれ、養生島で暮らす二人の老人。
その一人、92歳の母イオさんを本土に迎えるため、娘のウミ子が訪ねていく。

読んでいると、イオさんもソメ子さんも、しっかりと老いているはずなのに、なぜか艶々と描かれるときがある。
海に潜り、踊りを舞う。
その姿に、時々ドキッとさせられる。

養生島の暮らしは、よくあるバカンスのように居心地良いものとして描かれているわけではない。
安全な暮らしは、本土にある。
けれど、イオさんが今更、海を離れたくない、ソメ子さんと別れるつもりもない、と願う気持ちが伝わってくる。

そして、人がいることで島は存在しているとも言える。

でも。どちらかが先に死を迎えた時、寂しくないんだろうか?
二人には大きすぎる島に、一人残されること。
でも、その寂しさは、他人事ではない。
一人では狭い本土の生活にだって、それはある。

それなら、死んだ人たちの墓を守りながら、彼らが鳥に姿を変え、渡りの中で会いに来てくれることを〝実感〟しながら生きることの方が……なんというか、優しい気がする。

自分もいつか鳥になる。
死して「飛族」となること(とあるゲーム風に言えばライフストリームの一部になること)を願う姿に光を見る。
コンクリートの都会では、還っていくことの想像だって、しにくいのだな。

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2022年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

島に2人の老女が生活をしている、それだけで興味をそそられたけれどその小説の内容はどんなものか、読み進めて実際にこのような島はあるのだろうか?今はなくてもかつてあったとか。。
ウミ子さんの立場になったら母親を引き取りたいというのが本音だというのも理解できる。ただウミ子さんは島で育ったから島から離れようとしない母親の気持ちも分かってしまい寄り添っている。自分が島で暮らすことを考え始めている時点でたくましさがわかる。台風に襲われて散々な目に遭ってもどうにか暮らしていける、となれば2人の老女はやはり命あるかぎり島で暮らすことを選ぶのだろう。きっとウミ子さんは2人を見届けるまで島で生きることになるのだろう、と思った。

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2023年07月14日

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