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幕末から維新、明治と激動の時代の外交を料理で支えた男がいた――長崎生まれの料理人・草野丈吉で、店の名は「自由亭」。本書は、日本初の洋食屋を長崎で開き、大阪に進出してレストラン&ホテルを開業、近代大阪の発展に貢献した丈吉を、妻ゆきの視点から描いた歴史小説。貧しい農家に生まれた丈吉は、18歳で出島の仲買人に雇われ、ボーイ、洗濯係、コック見習いになる。そして21歳のときにオランダ総領事の専属料理人になり、3年後に結婚。夫婦で日本初の西洋料理店をオープンさせた。店には、陸奥宗光、五代友厚、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった綺羅星のごとき男たちがやって来る。明治の世になり、大阪へ移った丈吉は、重要な式典で饗応料理を提供するまでになるのだが……。夫婦で困難を乗り越え、夢をつかみ取る姿を活き活きと描いた傑作長編。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年09月02日
これもまた傑作!ボタニカの時も感じた「色彩や景色が目の前に広がるような」作品.
今回はそこに「料理の味や香り」までも感じられるようで,鮮やかで,爽やかで,躍動感あるれる作品.
出だしからまるでNHKの朝の連続テレビドラマを見ているかのよう.牧野富太郎はボタニカが原作となることはなかったが,これこそ映...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月17日
時は明治維新後です。
西洋文化に追いつこうと、外国人との饗応にも
使える西洋式のホテルやレストランを大阪で始
めた草野丈吉。
その妻であるおゆきという女性が主人公です。
あの五代友厚をはじめとして、名だたる歴史上
の登場人物が顧客として描かれています。
「細腕繁盛記」ではなく、おゆきは体も大...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月02日
長崎の丸山で女中をしていたゆきは食べっぷりを見染められて料理人丈吉の妻となる。西洋料理を世に広め長崎から大阪へと場所を移し、幕末から明治を国作りにかけた人々とも交流を持ち視線の先に常に公があった。妻目線で語られる草野丈吉のそこかしこにゆきのおおらかで力持ちで自然体なところが表れて、とても暖かい物語に...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月13日
長かったけど・・・楽しめたかな。
朝井さんの作品は6冊くらいしか読んだことないので、
これを機に、未読の作品を読んでみようかな。
読もうと思っていて、読まないままの本が結構ある。
敬遠の原因は、本の厚さかも。
ただ、こういう書き方というか進め方は、
時間がかかるけど、読み手のストレスは少ない。
安心...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月30日
本格的な西洋料理店を起こした夫婦のお話。
貧しい家に生まれたふたり。
妻は幼い頃に女中奉公に出され。
夫は酒に溺れた父親の代わりに少年の頃より、家計を支えた。
外国船にのったり、下働きから文字も読めなかったが蘭語、英語、支那語を使えるようになり、料理を覚える。
働き者で工夫をたやさない丈吉は、美味...続きを読む
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